2008年12月31日水曜日

08年更新終了

 紅白見てます。「生きてることが辛いなら」(by森山直太郎)初めて聞きましたが、いい歌だぁ。
  
 さて、2月から始めたこのブログ。なんとか1年目の終わりまで継続できました。頑張れたのは、ひとえに読んでいただいている皆様のおかげだと思っています。ありがとうございました。

 来年も、仕事の忙しさ次第という部分はありますが、可能な限り、ナショナルズを追いかけていきたいと思います。できればWBCやメジャーリーグ一般もフォローしたいところですが、結局ナショナルズの選手中心になってしまうかな。

 ともかく、皆様よいお年を。

2008年12月25日木曜日

Teixeira? Dunn? FA watch 2

 これまでの経緯は、こちら

12/25 追記 (Teixeiraについてはこれで終了)
 一瞬、夢を見そうになりましたが・・・・。
 行き先はまさに急転直下、全く予想外でしたが、どうもTeixeira自身が最初からヤンキースに行きたかったようですね。それなら最初からそう言えばいいのに、買いたたかれないために他の全ての球団をダシに使ったということか・・・。結果的に一番弄ばれたのがナショナルズ。(噂される限り)最高額のオファーをしておきながら振られるという、ある種最も辛い展開となってしまいました。「今すぐ勝てる球団に行きたい。ナショナルズはまだその段階にはないと思う」というのがナショナルズに対する断りの理由とされましたが、それなら全くの時間のムダじゃないか・・・。まあ、その指摘を否定できないのも悲しい事実ですが。
 それにしてもヤンキースめ。Sabathia、Burnettに続き、一体どこまで補強すれば気が済むのか。

 切り替えて、Adam Dunn取りに行きましょう。

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12/24 追記
 とりあえず硬直してみます。

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12/23 追記
 ナショナルズがオファーを$178~184Mまで引き上げたという報道がありました(以前のオファーは$160M)。8年は変わらず。表面上競合相手がいなくなったところで最後のひと押しというか誠意を示したというか。Teixeira自身が当初言っていたクリスマス前の決断というタイミングにも合います。これに合意するか、誰も入札者がいなくなる(現在のナショナルズのオファーより明らかに低額のレッドソックスないしオリオールズとの契約を強いられる) かという選択をつきつけた形になりました。交渉戦術としては面白い。さて、Teixeira側がどう出るか。あっさり無視されたら悲しいな・・・。

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12/22 追記
 エンゼルスが撤退!との報。こちらはレッドソックスとは違って完全撤退の模様。オーナーが、西海岸のチームとは契約するつもりもないのに契約金をつり上げるためだけに利用されていると感じたために撤退を決めたとのこと。
 レッドソックス撤退を額面どおりに受け取れば(たぶんそんなことはないというのが通説だが)、ナショナルズしか選択肢がなくなりました。ほんとかよ・・・・。


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12/20 
 あまりに長くなってきたので第2弾を作りました。結果はどうあれ、とにかく早く決まっておくれ。

 レッドソックス撤退の報に関して、いやいや、これもレッドソックスの交渉戦術の一環であり、撤退という言葉は正しくないという意見が多いようです(引き合いに出されるのは、松坂との契約交渉の際のいきさつ)。レッドソックスのオファー自体にしても$160~184Mの間ではっきりしない。当然、存在するとされるそれ以上のオファーも内容は不明。混沌としており、噂だけが飛び交っています(噂の消えないヤンキースCashman GMはオファーしていないと明言)。
 結局、(レッドソックスとTeixeiraの直接会談のドラマを経たにもかかわらず)レッドソックス、エンゼルスが先行しナショナルズが追いかける展開という一般的な見解は数日前から何も変わっていないことになります(汗)。でも、一つ変わったことがありました。それは、記者や他球団のファンがナショナルズを見る目が「身の程知らず」から「それなりの候補」に変わったということ。これは素直に喜んでしまいます。

2008年12月21日日曜日

Daniel Cabreraと契約(1年260万ドル)

 Teixeiraの行先が未だ決まらない中ですが、オリオールズからNon-TenderでFAとなっていたDaniel Cabrera投手と契約しました。

Daniel Cabrera (2008 season for BAL)
30G 8W 10L 180.0IP 95K 90BB 5.25ERA 1.61WHIP




 来季28歳になる先発右腕。FAまではあと2年。1年$2.6Mというのは、年俸調停で推定される金額よりかなり安く、いい契約を結べたと思います。わずかに($1Mより少ないと思われる)大きな負担でTim ReddingからDaniel Cabreraにローテーション投手を換えたということになります。両投手の能力を見れば悪くない。

 ドミニカ共和国出身。99年にオリオールズと契約し、03年にメジャー・デビュー。以来、5シーズンにわたって先発ローテーション投手としてほぼコンスタントに出場してきました。武器は95マイル前後を誇った速球で奪三振数はなかなかのものでしたが、今季は90マイル台前半に落ち込みました。今季は肘の痛みで終盤の数スタートをスキップしましたが、手術はせずにリハビリで十分との診断だったようです。変化球(スライダー)のキレが良い日と悪い日がはっきりしており、悪い日はストレートを狙い打たれる傾向にあります。コントロールは最悪(今季ワイルドピッチ数、与死球数がア・リーグ最多)。比較的ゴロを打たせる投手ではあるので、オリオールズのあまり良くない内野陣からナショナルズの比較的良い内野陣に変わることのメリットはあるかもしれません。

 長身で潜在能力はエースの器と言われてきました。環境が変わることで一回り成長してくれればと期待しています。もちろん肘のケガが影響しないことは前提ですが・・・。

2008年12月18日木曜日

Teixeira? Dunn? FA watch

12/19 追記②
 レッドソックスとScott Boras、それにTeixeira本人との会談は物別れに終わりました。レッドソックスのJohn Henry オーナーのコメント "We met with Mr. Teixeira and were very much impressed with him. After hearing about his other offers, however, it seems clear that we are not going to be a factor."「他のオファー」とは?それともただのブラフ?。
 レッドソックスのオファーが8年$184M数字だったというのはやや信憑性にかけるようですが、いずれにしてもBorasからの増額要求に屈しなかったレッドソックスは撤退で、エンゼルスとナショナルズが争う構図となります。うむむ、喜んでいいものやら・・・。

12/19 追記
 ボストン発の記事として、現地18日夜、レッドソックス首脳陣(オーナー、GM等)がテキサスまで出向いてScott Borasと大詰めの交渉を行っている模様。レッドソックスのオファーは8年$184Mまで上がっているとのこと。さてさて、どうなるでしょうか。
 その前の情報として、オリオールズはオファーを上げるつもりがなくて撤退。エンゼルス、ナショナルズはオファーを引き上げた。ナショナルズは相変わらずアンダードッグで、仮に最高額をオファーしても頷いてもらえる可能性は低いとの報道が続きます。
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12/17 追記
 レッドソックスも8年契約をオファー(額は不明)。ESPNの報じるところでは、決断は間近に迫っている様子。とはいえ、どこのチームなのかも、そもそもこれが確かなのかも、真偽のほどは分かりません。あまり期待してもしかたがないので、のんびりと待つことにしましょう。
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12/14 追記
 エンゼルスも8年$160Mとみられるオファー。一方でナッツのオファーは7年だったという噂も。それにしてもDunnは全然話題に上がりませんねぇ。
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12/11 追記
 Winter Meeting3日目。ナショナルズがとうとうTeixeiraに契約をオファーしました。内容は8年$160M(やや情報が錯綜していて違う数字も飛び交っています)。Jim Bowden GMのコメント"We've made a very significant, concrete offer. He's our No. 1 priority." 正直なところ、今の今まで半信半疑でしたが、球団が本気であることを知り、ちょっとだけ感動(笑)
 関連情報がいろいろありました。どこまで本当か分かりませんが、とりあえず列記してみます。
・ Teixeira自身はやはり東海岸のチームに行きたいと思っている。
・ オリオールズは7年$150M(こちらも9年$180Mをオファーという説もある)
・ レッドソックスが最有力候補だがまだオファーはしていない。エンゼルスもまだ。
・ ヤンキースはSabathiaと巨額の契約を結んだこともあり撤退。
・ 最終的にはBorasが主張している10年$200Mを超える契約になるだろう。
・ いずれにせよ、今週中にはまとまらない。
 MLB全体では、CC SabathiaがYankeesと7年$161M(投手としては史上最高額)で合意とか、JJ PutzがMetsへトレード(3チームで計12選手のトレードとはまた巨大ですね)、とかいろいろありますが、話題が多すぎて全体像は把握できません。
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12/10 追記
 Winter Meeting2日目。K-RodがMetsと3年$37Mで合意など、話題には尽きませんが、Teixeiraについて具体的な動きはなく、行き先についての観測記事ばかり出ています。レッドソックスが有力との論調が高まりつつある一方、ナショナルズについては(オリオールズとともに)「ありえない」選択肢として散々に書かれているのが現状です。しかも、同意せざるを得ません。最高額を提示したにも関わらず蹴られるという醜態だけは避けて頂きたく。
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12/9 追記
 Winter Meetingが始まりました。Greg Madduxの引退を始め、いろんなニュースが出ています。
 Teixeiraについては、先週オリオールズが、今日エンゼルスがそれぞれ会合を持ったとのこと。今のところどこの球団も具体的な契約をオファーしていない模様。
 ナショナルズは、Dunnの代理人と会ったとのこと。ナショナルズがTeixeiraを獲得しようと思えば、「すぐに勝てないチームと契約することを納得させるために」他球団のオファーよりも高額でなければならないだろう、とか言われていてます。正直、Teixeira(=Boras)に無理・無駄なリソースを費やさずに、Dunnとの契約、Nick Johnsonなどのトレードのほうに力を注いで欲しいです。
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12/7 追記
 明日からウィンターミーティングが始まりますが、Teixeiraの行先は決まるのでしょうか。
 ナショナルズのTed LernerオーナーがScott Borasと直接接触したという情報が。チームとしてはかなり本気、ということでしょうか。騙されないといいけど。 また、Borasはヤンキースとも交渉したとのことです。
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12/3 追記 タイトル変更 [Teixeira? → Texeira? Dunn? FA watch]
 現地12月1日深夜がFA選手達に対する年俸調停のオファー期限でした。
 エンゼルスはTeixeiraに調停をオファーしましたが、DバックスはDunnにオファーしませんでした。前者は予定通りでしたが、後者はかなりの驚きです。来夏のドラフト指名権を2つもらい損ねるわけですから。そんなにDunnが調停申請を受けてしまうことを恐れるなんて、経済危機の影響が及んでいるということでしょうか。Dバックスの昨夏のトレードの評価をも大きく下げてしまいました(Dバックス自身が再契約すれば別ですが)。
 とにかく、これでドラフト指名権を失うことがなくなったので、ナショナルズとしてはDunn獲得に向かいやすくなりました。まあ、他球団も同じなので単にDunnの市場価値が上がった、というだけのことですが。
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11/28 追記
 サンクスギビングで全米のビジネスが静まり返っていますので、大きな動きなし。周辺情報が2つ。
 A'sがNick Johnsonのメディカルレコードを要求。OBPは常に高いマネーボールの代表のような選手なので、マネーボールの代表チームとされる(まあ、今やそれ自体疑問ですが)A'sには、ぴったりといえばぴったりです。ナショナルズとしてはありがたい話ですが、A'sが見合いの選手を簡単に手放すとも思えないし(Daric Barton?ありえない!)、すぐにトレードにつながることはないでしょう。
 Adam Dunnに好条件のオファーは届いてない模様。とりあえずTeixeiraの様子を見るんでしょうか。うーむ。ナショナルズは今のうちからDunnのほうに照準を絞ったほうがよくないか?
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11/26 追記
  Teixeira本人がクリスマスまでには決まってほしいと言っていたとか、エンゼルスがターゲットをCC Sabathiaに移したとか、既にいくつかのチームがオファーをした(Borasのコメント。ただし、オファーしたと認めたチームはない・・・)とか、小さなニュースがありましたが、静かです。というか、FA市場全体が静かです。12月のウィンターミーティングでいろいろ動くのかな。
 ナショナルズファンの間でも、話題はむしろWillinghamが加入したことで込み合っている外野をどうするか、のほうで盛り上がっています。
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11/21 追記
 エンゼルスが8年$153Mを提示する予定との噂。レッドソックスも巨額のオファーとの噂。現時点では、他にヤンキース、オリオールズ、それにナショナルズが参戦見込みということですが、ナショナルズの真剣度についてはWashington Postの記者まで半信半疑となっています。
 メリーランド州出身ということでディスカウント契約を受け入れてくれれば、というのが一縷の望みですが、Scott Borasをクライアントに付けている時点で、そんなことありえないことは明らかでしょう。
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11/19 追記
 Stan Kasten球団社長がWashington Postの記者に語ったところでは、NatsはTexに対してオファーをしていないし、すぐにオファーをする予定もないとのことでした。Texに関心を持っているかどうかという問いかけには、肯定も否定もせず。噂を沈静化させる目的での発言のようです。
 それでいいです。Kasten社長にはなんとなく信頼が置けます(GMは何か発言が軽い・・・)。
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11/12 オリジナル [Teixeira?]
 先週のGMミーティングでは特に動きはなく、静かな幕開けとなっているストーブリーグ(金融危機の影響はどうでしょうか)。
 噂だけはいろいろと聞こえてくるわけですが、ナショナルズ関連では、FAのMark Teixeira、Adam Dunn、Manny Ramirez、それにロッキーズがトレードを模索しているMatt Holidayに関心を持っているという情報がありました。(CC SabathiaやA.J. BurnettがFAとなっている投手陣については、全く聞こえてきません。)
 特にTeixeiraへのオファーに関する噂は具体的で、一説には10年2億ドルをオファーするかもと言われています。本当ならかなり真剣な額であり、ファンとしては期待してしまいます。とはいえ、このオフ最大級のFA選手であるためヤンキース、エンゼルスといったビッグマーケット球団も狙っており、最終的にこうした球団に高い値段で競り落とさせるScott Borasの戦術の駒としてもてあそばれているのではないかという疑念も払拭できません。噂は噂。依然として、獲得できる可能性はほとんどないと思っています。
 外野手に関しては、現有戦力で十分戦えるので補強しなくても良いと思いますが、Mannyが来てくれるなら、素直に嬉しいかも。

2008年12月15日月曜日

Tim Redding→Non Tendered FA

 12日金曜日が調停対象選手に対する契約オファー期限でした(この期限までにオファーしないと自動的にFAとなる)。

 ナショナルズは、直前にWillie Harrisと2年契約を結び、Ryan Zimmerman、Josh Willingham、Scott Olsen、Shawn Hillには契約をオファーしましたが、Tim Reddingにはオファーしませんでした。HillとReddingは逆ではないかと思っていましたので、驚きました。

 いまさら確認するまでもないですが、Reddingは今季のナショナルズでただ1人の2ケタ勝利投手(昨季はいなかったので、過去2季でただ1人)。ただ、後半戦は3勝8敗防御率6.92と大きく崩れていましたので、来季に向けて不安の残る投手ではありました。もともとストレートも変化球の切れも制球もまずまずとしかいいようのない投手。球団の長期計画には入っていなかったわけですが、(今季は特に貴重なことに)健康にイニングを稼いでくれる投手だったことから、個人的には来季のローテーションの1枠を計算していました。
 
 球団としては、(今季100万ドルを元に考えると調停を経た場合の来季推定200万ドル)より安い年俸で再契約する意向があるとのことですが、少なくともロッキーズがそれ以上のオファーをするでしょうから退団は確定でしょう。200万ドルの価値のない投手かなあ。少なくとも保有権を維持した上で、引き続きロッキーズと交渉すればよかったのに・・・。疑問が残る選択です。そのロッキーズからは、先日トレード話が出ていたWilly Taveras外野手も仲良くnon-tenderされていました(笑)。

 いずれにしても、1年間、しっかり投げてくれてありがとう。新天地での活躍を祈ります。


 さて、来季のローテーションはどうするつもりなんでしょうか。John Lannan、Olsenは当選確実。Collin Balesterも濃厚。とすると残り2枠ですが、Hill、Jason Bergmann、Tyler Clippard、Shairon Martis、Jordan Zimmermannといったあたりが争うことになりそうです。前にも書きましたが、Martis(21歳)とZimmermann(22歳)の2人はまだ若いので、AAAでスタートさせて、夏以降の昇格とすべき。故障者が出ることも考えると、FAのベテラン投手を1人くらい取ってくる必要がありそうです。Pedro? Livan? Bartolo? まさかね・・・。

Willie Harrisと契約延長(2年300万ドル)

 年俸調停選手への契約オファー直前に、2年300万ドル(09, 10年、各150万ドル)で再契約。調停最終年とFA初年にまたがる契約です。今季年俸は80万ドルでした。


 広い守備範囲で頼りになるディフェンサーでした。また、今季は、打撃でも突如パワーを見せ、軒並みキャリアハイの成績を残しています。今季並みの貢献をしてくれればもちろん安い契約。年齢も31歳と衰えるにはまだ早く、いい契約ではないかと思います。さすがに、打撃成績の再現までは期待していませんが、内野もこなそうと思えばこなせるスーパーサブとして働いてください。

2008年12月12日金曜日

Rule 5 Draft :Terrell Youngを獲得


 ウィンターミーティングの最終日。ルール5ドラフトが開催され、全体1位でTerrell Youngを獲得しました。
 
Terrell Young (2008 season for CIN organization)
25G 33.2IP 13BB 26K 2.41ERA 1.31WHIP (A+)
18G 25.1IP 15BB 21K 3.51ERA 1.56WHIP (A)

 まず思ったのは、Steve YoungからTerrell Owensへの往年のホットラインを思い出させる名前だな、ということ(笑)。それはともかく、04年のドラフト10順目指名のブルペン右腕。キャリアを通じてずっとブルペンで投げてきました。ストレートは速いがコントロールが課題という、よくいる投手ですね。故障歴も気になります。

 実際に投げさせてみないと分からないとはいえ、もっと他にいくらでもよさそうな選手がいたのにと、ちょっとがっかりです。高卒入団でルーキーリーグからゆっくり上がってきて、5年目22歳の今季A+にようやく昇格。いきなりメジャーのキャンプに参加して25人枠を争うなんて、ちょっと無理があるでしょう。本人も夢にも思ってなかったでしょう。

 フロントの1人(Firm Director)のMike Rizzoのコメントは以下のとおり。 ちょっと長いですが、事前の下馬評にも上がっておらず、ほんとに全然知らない選手なので、あえて全文載せておきます。

"What we like is he's a tremendous athlete and a tremendous talent. His fastball
is 93 to 96 [mph], and he has a developing slider and a tremendous changeup.
He's always had the good delivery and the good arm, but his walk trend has
really improved in the last three years. He strikes out about 8 ½ [batters] per
nine [innings] and is walking about three, which is a big jump up from the last
three years.... He's a power pitcher and he has a power arm. The whole secret to
Terrell is to throw enough strikes to compete in the major leagues, and we like
the way he's trending that way.He's strictly a reliever. He's been a reliever
his whole career, and we and see him competing in spring training for a bullpen
job with us." 

2008年12月11日木曜日

Jesus Colome→Released

 Jesus Colomeをリリース。明日のルール5ドラフトに向けて、Non-Tenderがちょっとだけ早まったということです。これで40人ロースター枠の空きは2つになりました。

 過去2年ナショナルズのブルペンでそこそこの仕事をしてくれていましたが、年俸調停も最終年で今季$1.25Mから更に高くなるので妥当な判断かなと思います。

2008年12月10日水曜日

Redding to COL ?

12/11 追記:
 とりあえずまとまらないままに沈静化した模様。
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 ウィンターミーティング2日目。Scott Borasを中心に盛り上がっているところですが、ナショナルズ関連でも話題がありました。

 Tim Reddingに対してロッキーズが興味を持っているとのこと。今季ナショナルズのたった一人の2桁勝利投手(10勝11敗)ではありましたが、将来設計には入っていない模様なので、トレードできるのであれば結構かと思います。

 ただし問題は交換相手。噂ではWilliy Taveras中堅手やCarlos Gonzalez中堅手の名前が挙がっています。Taverasは絶対反対!論外。

 Gonzalezはメジャーデビューを果たした今季はやや期待外れで評価を落としましたが、07年12月(わずか1年前!)に発表されたBAのプロスペクトランキングでダイヤモンドバックスのナンバー1と評価された潜在能力は魅力であり、獲得できるのなら獲得してもいいかもしれませんね(なんて偉そうに言っていますが、ロッキーズ側がGonzalezは出したくないと思っているようです)。
 
 しかし、そもそもDukesやMilledge、Bernadinaなど若い外野はたくさんいる状況であり、Gonzalezであってもメジャー40人枠に入る外野手はこれ以上いらないというのが私の意見。どうせならトップ10プロスペクトに入るような投手でも奪ってこい!と思います。

Acta監督のコメント

 オフィシャルサイトに、ウィンターミーティングに出席しているManny Acta監督のインタビューがアップされていました。興味深い点は以下のとおり。いろいろと補強を考えているようですね。

・外野の編成は全く白紙。(→まだ動くつもりのようですね・・・。)

・Olsenには期待している。(→健康だけは期待できるので、まあそうかな。)

・Floresは攻守で期待以上だった。ただ、控え捕手には、さらに彼をプッシュすることを期待したい。Nievesでは役不足。(→今季のLo Ducaのようなベテラン捕手を獲得するつもりか?)

・今季のOdalis Perezのようなベテラン先発投手を1人か2人はローテーションに入れたい。(→ここはあくまで安く抑えるつもりのようです。)

・来季は、若手を育成するとともに、勝ちはじめなければならない。(→監督自身の契約最終年だから、それなりに成績も求められるということでしょうが、あくまで勝ち「はじめ」ればいいという目標のようです。)

・Anderson Hernandezがセカンドのレギュラーの最有力候補。過大なプレッシャーをかけたくないので、リードオフを打たせることには現時点では消極的。(→リードオフは補強するつもり?Milledgeにやらせてみてもいいと思うけどなあ。)

・JohnsonとShawn Hillについては、健康でさえあれば素晴らしいプレーヤーだが、ケガのことを忘れることはできない。(→したがって、ファーストの補強が必要ということですね。)

2008年12月6日土曜日

MLB.com Top 50 Prospects

 MLB.comでもTop 50 Prospectsを発表したのですが、よく見たらナショナルズの選手は1人もいないじゃないか・・・。ちなみに昨年度は31. Chris Marrero、37. Ross Detwilerがランクインしていたのに。

 まあ、いいや。リンク先(オフィシャルサイト)を見ながら付けた簡単なコメントとともに送ります(【MLB】は、08年シーズンにメジャーデビューを果たしたことを示す。)。

1. David Price (TB, SP, 07-1) 【MLB】07年全体1位。既にWSでも投げた。将来はCY間違いなし?
2. Matt Wieters (BAL, C, 07-1) 打撃、守備とも非の打ちどころがない。将来はMVP候補?
3. Jason Heyward (ATL, OF, 07-1) 高卒2年目。Aで評価を上げ、スター候補として名を上げた。
4. Rick Porcello (DET, SP, 07-1) 完成度の高い投手。ツーシームとフォーシームでゴロを打たせる。
5. Cameron Maybin (FLA, CF, 05-1) Miguel CabreraのトレードでDETから。5ツールプレーヤー。
6. Madison Bumgarner (SF, SP, 07-1) 高卒2年目の左腕。防御率1.46は今季マイナーのベスト。
7. Travis Snider (TOR, RF, 06-1) 【MLB】高卒3年目でMLBまで到達。そこでも73打数で3割超。
8. Alcides Escobar (MIL, SS, Ven) 【MLB】守備はベスト。今季、パワーを除く打撃ツールを見せた。
9. Neftali Feliz (TEX, SP, Dom) 常時100マイル近く。10.81K/9は今季マイナーの先発でベスト。
10. Colby Rasmus (STL, CF, 04-1) 今季は故障に苦しんだが、メジャー目前まで来ている。
11. Mike Moustakas (KC, 3B, 07-1) 前半戦苦しむも後半戦は打率3割超。Aでリーグ本塁打王。
12. Andrew McCutchen (PIT, 05-1) まだ発展途上だが、5ツールプレーヤーとして評価は高い。
13. Brett Anderson (OAK, SP, 06-2) Dan HarenのトレードでARIから。四球が恐ろしく少ない。
14. Matt LaPorta (CLE, LF, 07-1) パワーヒッター。CC Sabathiaのトレードで移籍後は苦しんだ。
15. Dexter Fowler (COL, CF, 04-14) 両打ちの5ツールプレーヤー。パワーはまだまだ伸びる?
16. Chris Tillman (BAL, SP, 06-2)Eric BedardのトレードでSEAから。AAで好投し、評価急上昇。
17. Trevor Cahill (OAK, SP, 06-2) 直球だけでなく、決め球のナックルカーブも完成しつつある。
18. Jarrod Parker (ARI, SP, 07-1) 97マイルの直球が武器。フルシーズン初年度、期待通りに成長。
19. Buster Posey (SF, C, 08-1) パワーを除き攻守で高評価。マイナー、ハワイで好スタート。
20. Brian Matusz (BAL, SP, 08-1) 契約が遅れマイナー登板はない。AFLで好投。Cole Hamels級。
21. Elvis Andrus (TEX, SS, Ven) 今季伸びた。将来はリードオフを任せられる素材。
22. Tim Beckham (TB, SS, 08-1) 全体ドラ1。Rkリーグでは成績を残せず、来季真価が問われる。
23. Mat Gamel (MIL, 3B, 05-4) 【MLB】AAではRBIマシン状態で9月昇格を勝ち取る。守備はダメ。
24. Tommy Hanson (ATL, SP, 05-22) AAまでで好投。AFLでは最優秀投手。エースの器。
25. Lars Anderson (BOS, 1B, 06-18) 左打者だが左腕も打てる。AAでも安定した成績。
26. Mike Stanton (FLA, RF/CF, 07-2) 18歳にして39HRのパワーは破壊的。守備も高評価。
27. Austin Jackson (NYY, CF, 05-8) ツールに優れたセンターとしてAAでも堅実な成績。
28. Carlos Carrasco (PHI, SP, Ven) AAAで支配的な投球。Cole Hamelsの後の2番手投手?
29. Eric Hosmer (KC, 1B, 08-1) 全体3位、高卒では最上位指名。まだ出場3試合(笑)。
30. Carlos Triunfel (SEA, SS, Dom) まだ18歳で打撃はこれからだが、守備は強肩で既に高評価。
31. Wade Davis (TB, SP, 04-3) David Priceがいなければエース?
32. Fernando Martinez (NYM, CF, Dom) 故障と左投手が打てないことで評価を下げた。
33. Phillippe Aumont (SEA, SP/RP, 07-1) 18歳で既に95マイルに到達。将来はエース?
34. Yonder Alonso (CIN, 1B, 08-1) 契約が遅れマイナーでは6試合のみ。ハワイで評価急上昇。
35. Nick Adenhart (LAA, SP, 04-4)【MLB】4月にAAAを支配したが、メジャー昇格後、崩壊。
36. Jake Arrieta (BAL, SP, 07-5) 97マイルに達するストレートが武器。変化球を磨けばエースに?
37. Scott Elbert (LAD, RP, 04-1) 【MLB】支配的なブルペン左腕。Billy Wagner?
38. Freddie Freeman (ATL, 1B, 07-2) 18歳のフルシーズン1年目で後半成績を伸ばし、高評価。
39. Jeremy Hellickson (TB, SP, 05-4) 152投球回で162奪三振に対して20四球。
40. Jesus Montero (NYY, C, Ven) 守備はダメだが、18歳で打率も長打も十分。Jorge Posada?
41. Adam Miller (CLE, RP/SP, 03-1) 故障さえなければ、クローザーも務まる。
42. Brett Wallace (STL, 3B/1B, 08-1) 08年ドラフト組の先頭ランナーの1人。いずれは1B?
43. Lou Marson (PHI, C, 04-4)【MLB】AAで出塁率.433。守備の評価も高い。
44. Jeremy Jeffress (MIL, SP, 06-1) 100マイルを投げる才能。マリファナ使用で処分歴有り。
45. James McDonald (LAD, RP/SP, 02-11)【MLB】 9月昇格でブルペン投手として評価を上げた。
46. Derek Holland (TEX, SP, 06-25) ストレートは98マイルに到達。将来はエース?
47. Kyle Blanks (SD, 1B, 04-42) 体重管理が鍵。未来のFrank Thomas?
48. Angel Villalona (SF, 1B, Dom) このリストで最年少の1990年8月生だが、既にパワーは魅力。
49. Matt Dominguez (FLA, 3B, 07-1) 打撃とともに守備もいい。未来のScott Rolen?
50. Jeff Samardzija (CHC, RP/SP, 06-5)【MLB】 本人は先発志向だがローテは埋まっている。

 全体を眺めてみると、中位以下にブルペン投手が目立ちポジション的なバランスが取られているのかな、MLBに上がってくる可能性の高さの比重が多少大きいのかな、という印象を受けました。

 チーム別では、BAL、TBが4人ずつ。FLA、ATL、MIL、SF、TEXが3人ずつ。1人も入らなかったのが、MIN、CHW、HOUそれにWASという結果でした(泣)。

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12/8 追記

 51~60位も判明しました。MINとCHWがめでたく外れ、HOUとWASだけが1人もランクインしなかったことになります(大泣)。
 
51. Justin Smoak (TEX, 1B)
52. Logan Morrison (FLA, OF/1B)
53. Daniel Cortes (KC, SP)
54. Jordan Walden (LAA, SP)
55. Ivan DeJesus (LAD, SS)
56. Aaron Poreda (CHW, SP)
57. Brett Cecil (TOR, SP)
58. J.P. Arencibia (TOR, C)
59. Tim Alderson (SF, SP)
60. Aaron Hicks (MIN, OF)

2008年12月3日水曜日

もしもMLBにトレードやFAが認められない世界だったら?(ナショナルズ編)

 元ネタはhausさんのこちらの記事。我がナショナルズでも作ってみました。

 ルールは簡単。ドラフトでも海外FAでも、とにかく最初に所属したMLB球団(マイナー組織を含む)がエキスポス/ナショナルズの選手で今チームを編成すればどうなるか。

8 Grady Sizemore (CLE)
4 Brandon Phillips (CIN)
9 Vladimir Guerrero (LAA)
7 Jason Bay (BOS)
5 Ryan Zimmerman
6 Orlando Cabrera (CHW)
3 Matt Stairs (PHI)
2 Brian Schneider (NYM)

PH Milton Bradley (TEX)
PH Cliff Floyd (TB)

SP Cliff Lee (CLE)
SP Randy Johnson (ARI)
SP John Lannan
SP Javier Vazquez (CHW)
SP Armando Galarraga (DET)
RP Bill Bray(CIN)
RP Jorge Julio (ATL)
RP Roy Corcoran (SEA)
RP Mike Hinckely
RP Miguel Batista (SEA)
CL Chad Cordero

 Bay+Sizemore+Guerreroの外野はどこへ出しても恥ずかしくない布陣。一塁手を除けば、かなりいい打線になりました。ちなみに、西武のボカチカは94年のドラ1(全体21位)でした。

 投手のほうはといえば、先発はなんとかそろいましたが、これでいっぱいいっぱい(次点は楽天行きとなったラズナー)。ブルペンは本当にコマがなくて、クローザーには今季で退団のCorderoを持ってくるしかありませんでした。そして何といってもBatista。なんとか外したかったのですが、TBをシーズン途中で放出されたAl Reyesか、あまり結果を残せなかった現役のルーキーしか他に選択しがなく、泣く泣く残しました。

 それにしても、退団したCorderoを除けば現役がZimmerman、Lannan、Hinckleyの3人だけ(HinckleyなんてMLB実働わずか1か月だけですから・・・)というのは、いかに過去のチーム編成が無茶苦茶だったかということですね。

 少なくとも言えることは、今のナショナルズよりは間違いなく強いチームができたはず、ということですね。

2008年12月2日火曜日

その時歴史は動いた(2002年6月27日のトレード)

 時は2002年。

 前年まで5季連続で負け越していたモントリオール・エキスポスは、人気も30球団最低レベルまで低下。ついに開幕前の2月には買い手も現れないままにオーナーが球団を手放し、メジャーリーグ機構に所有されるという緊急事態、まさに球団存続の危機に立たされていました。老将Frank Robinsonを新監督を迎えたものの、開幕前は当然ながら苦戦が予想されていました。

 しかし、大家友和(この年13勝)、Tony Armas Jr.(12勝)、Javier Vazquez(10勝)の投手陣と主砲Vladimir Guerreroを中心とした打線がかみ合い、意外にも善戦。4月は16勝10敗の首位タイで終える好スタート。5月に失速したものの、6月に入るとまた調子を上げ14日には地区2位に浮上。さらに6連勝と、地区10連覇中の首位ブレーブスを猛追します。ただ、ブレーブスも勝ち続けたためなかなか差が縮まらないまま、6月25、26日にパイレーツに2連敗を喫し、ブレーブスとの差を7ゲームと広げられてしまいました。

 そして皆さん、いよいよ今日のその時がやってまいります…。


 2002年6月27日。1つのトレードが発表されました。

CLE→MON: Bartolo Colon, Tim Drew
MON→CLE:
Lee Stevens, Brandon Phillips, Cliff Lee, Grady Sizemore

 当時は、Bartolo ColonとLee Stevens等とのトレードと報道されたこのトレード。フラッグディールトレードの期限にはまだ早い時期ではありますが、地区優勝(プレーオフ進出)を目指すエキスポスが、FAを迎えるベテラン一塁手と若手3名を放出し、エースを獲得したトレードでした。言うまでもないですが、Bartoro Colonは、(これより後の話になりますが)05年にはエンゼルスで21勝をあげサイ・ヤング賞を獲得した通算150勝投手です。


 しかし、このトレードをして歴史を動かしたと言わしめる理由は、そう、言うまでもなく、このトレードでエキスポスが放出したStevens以外の3人です。

Brandon Phillips (2008 season for CIN)
141G 559AB 80R 21HR 78RBI .261/.312/.442 23SB

 
 1999年ドラフト2順目。トレード時は22歳。AAで245打数で.327/.368/.506の成績を残し、AAAに昇格したばかりの有望株でした。ただ、二遊間はJose VidroとOrland Cabreraにブロックされていた形だったんですよね・・・。
 
 移籍直後にインディアンズでメジャーデビューを果たしましたが、その後伸び悩み04、05年は主にAAAでプレー。06年の開幕直後に後日指名選手とのトレードという情けない形でレッズに移籍しましたが、不思議なことに、ここで突然才能が開花しました。07年には30-30も達成したように、足も長打もあります。守備も高評価で、今季は初のゴールドグラブも獲得。もはや非の打ち所のない二塁手に成長しました。
 
 MLB.comの09 Fantasy Baseballランキングの二塁手部門5位。

Grady Sizemore (2008 season for CLE)
157G 634AB 101R 33HR 90RBI .268/.374/.502 38SB
 
 2000年ドラフト3順目。トレード時は19歳。A+で256打数で.258/.349/.348。それまでのシーズンでも、それほど目立たない成績。少なくとも長打力は全く期待できない打者でした。
 
 それが、移籍後着実に力を付け、04年の秋にメジャーデビュー。05年は開幕から与えられたチャンスをがっちりつかみ、その後は不動の1番センターとして活躍。4年連続でMVP投票に顔を出し、3年連続オールスター選出、2年連続でゴールドグラブ、そして今年は30-30を記録してシルバースラッガーまで獲得してしまいました。

 MLB.comの09 Fantasy Baseballランキングの外野手部門2位!

Cliff Lee (2008 season for CLE)
31GS 223.1IP 22w 3L 170K 2.54ERA 1.11WHIP

 2000年ドラフト4順目。トレード時はAAで15試合86投球回で105奪三振、3.24ERA、0.98WHIPとかなりの好投を見せていました。

 インディアンス傘下のAAAでも好投を続け、9月にはメジャーデビュー。04年からはローテーション投手に定着。昨季は故障と不振で散々なシーズンを送りましたが、今季は周知のとおりの活躍。先発5番手枠を争う立場でスプリングトレーニングに入ったにもかかわらず、オールスター戦でも先発し、最終的に22勝3敗。見事にサイ・ヤング賞を獲得しました。未だに信じられない復活劇です(カムバック賞も受賞)。

 MLB.comの09 Fantasy Baseballランキングの先発投手部門11位。





 この3人が、今もエキスポスもといナショナルズにいれば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





 2002年シーズンに話を戻します。インディアンズで既に10勝を記録していたColonは、エキスポスに合流してからも好投を続け、17試合の先発で10勝4敗、防御率3.31と期待通りの投球を見せてくれました。しかし、そんなColonの好投もむなしく、チームとしてはColon合流後の86試合を43勝43敗のちょうど勝率5割が精一杯。地区優勝したブレーブスからは19ゲーム差の2位に終わりました。

 Colonは2003年シーズン終了でFAとなる予定でした。再契約していれば、サイ・ヤング賞を獲得した05年もチームにいたはずですが、2003年1月15日、エキスポスはColonプラス1人を3人の選手とトレードします。つまりはPhillips、Sizemore、Leeとこの3人を交換したような結果になるわけですが、獲得した選手は以下のとおり。確かにドラ1を2人とあの著名選手ですから、釣り合っても不思議はなかったのですが・・・・。

MON→CHW: Bartolo Colon, Jorge Nunez
CHW→MON: Rocky Biddle, Orlando Hernandez, Jeff Liefer, and cash

Rocky Biddle (2008 out of baseball)
 1997年ドラフト1順目。当時27歳の右リリーフ投手。移籍後2シーズンで110試合に登板するが、防御率で見ると4.65、6.92と振るわず、04年シーズンを最後にMLBから姿を消しました。

Jeff Liefer (2008 AAA of CHW)
 1995年ドラフト1順目。当時28歳の控え一塁手。03年シーズン、開幕1週間だけは良く打ちましたが、6月には打率.193まで落ち込み、マイナーに落とそうとしたところをデビルレイズにウェイバークレームされて退団。その後、05年を最後にマイナーを含めてスタッツが残っていませんでしたが、今季3年ぶりに古巣のホワイトソックス傘下のAAAで40試合で打率.224という記録が残っています。

Orlando Hernandez (2008 AA of NYM)
 そうです、あのEl Duqueです。あれっ、あの頃はヤンキースにいたはずでは、と思われた方、正解です。実は事実上の三角トレードで、前年8勝をあげたヤンキースからホワイトソックスにトレードされ、同日付でエキスポス入りしました。El Duqueなら悪くない、と思われた方、不正解です。98年から07年までのキャリアの中で、この03年だけメジャーでの登板記録がありません。故障です。シングルAでわずか2試合の登板。そしてシーズン終了後FAとなり、再びヤンキースと契約。
何事もなかったように8勝を記録しました。


 無残。

 結局、Colonの一夏10勝だけのために、Phillips、Sizemore、Leeを失う結果となりました。世に様々なトレードあれど、このトレードほど大きくWin-Lossが出たトレードを私は知りません。もしタイムマシンがあって、当時のGMや球団幹部の決定を変えることが許されるなら、2002年6月26日に行って、助言してやりたいです。

【あとがき】 
 もともと、「もしもMLBにFAやトレードが認められない世界だったら?」というhausさんのブログの無責任記事(笑)に触発されて、ナショナルズでもやってみようと思って調べ始めたのですが、(もちろん事実として知ってはいましたが)改めてこのトレードにショックを受けて、こうして記事にしてみました。
 「もしも」のほうはもう少し調べてから書いてみます。