2011年12月27日火曜日

2011シーズンレビュー5: 開幕前予想の結果

最後は、好例の開幕前予想の答え合わせです。青字が開幕前予想。

①Michael MorseとJordan Zimmermann大ブレーク  
貧者のWerthと言われたMorseが、本家Werthをしのぐ好成績。30本塁打、100打点(Werthは28本塁打、80打点。ただし100得点)。Jordan Zimmermannも来季のStrasburgと開幕投手の座を争うくらいの好投。投球回数制限のため8月末でシャットダウンされるまでに、防御率3点台前半、13勝、180奪三振でいずれもチームトップ。

◎Morse、Zimmremannの予想はかなりいい線。Werthの数字はかなり甘く見積もっていたことが判明しました。

②最初に離脱するのはAdam LaRocheとJason Marquis   
LaRocheは右肩痛が悪化して4月末にDL入り。復帰までの間にChris Marreroが結果を残し、夏に復帰してそこそこの結果を残すもののトレード話がやかましくなる。Marquisは故障再発で5月にDL入り。代わってMayaが昇格。7月に復帰してそこそこ結果を残すも8月にリリース。

△LaRocheについては残念ながら大正解。その後の部分は外れました。Mqrquisは嬉しい誤算(ちなみにDバックス移籍直後に故障でシーズン終了)。

③Espinosaがリードオフに定着  
春先は好調だったDesmondが6月にスランプに陥り、以降はEspinosaがリードオフに定着。守備ではエラーが多いものの、15本塁打20盗塁を残し、新人王投票にも上位に顔を出す。Desmondはエラーを減らし守備の評価を高めるものの、出塁率を高められず、6,7番に落ち着く。

×リードオフは、Desmondで開幕しましたが、不振で早々に下位に回りましたた。EspinosaやAnkiel、果てはWerthまで試しましたが、結局8月にDesmondに戻ってそのまま閉幕しました。チーム全体としてリードオフの出塁率.285は断トツで30球団最低ととにかく低く、オフの補強のポイントとされています。 

④クローザーはCole Kimballに  
開幕からBurnett、Storenとも約半分の機会でセーブ失敗。Clippard、Coffeyなども試してみるがやはり失敗が続き、ブルペン・バイ・コミッティ方式は崩壊。とりあえずBurnettで固定。5月に昇格してきたKimballが支配的な投球を続け、7月にはクローザーの地位を固める。

×いやいや、Storenがびっくりさせてくれました。スプリングトレーニングの状況からまさかここまでやってくれるとは夢にも思いませんでした(いや、夢では思ったかも)。Kimballはいい感じでデビューしましたが、肩の故障で離脱。

⑤捕手はRamosがレギュラーとなりPudgeはトレード  
開幕から両捕手とも打撃好調。6月にPudgeをトレード。以降は、控えFloresとの併用ながら、主にRamosが出場機会を得ることに。

△Ramosが早々にレギュラーを確保。故障もあってPudgeのトレードはありませんでしたが、メンターとしてフルシーズンRamosを指導してくれたので、このほうが良かったんでしょう。

⑥オールスターにはZimmermanとZimmermann  
オールスターにはこの2人。まず投票でZimmermannが選ばれ、投手から前半だけで9勝を記録したZimmermannが選出。ファイナルボートにMorseが載るものの選出はならず。

×オールスターはClippard。Zimmremanは故障で長期離脱。Zimmremannは前半戦終了時では検討対象にもならかなったと思います。Morseがファイナルボートに載って落選、というところだけは当たりました。

⑦Bryce Harperメジャーデビュー  
開幕はHagerstown(A)と決まっていますが当然打撃では圧倒。5月にPotomac(A+)、7月にHarrisburg(AA)と昇格し、9月にメジャーデビュー。メジャーでは主に代打出場ながら、月間3本塁打。マイナーでの通算は打率.350、27本塁打(年間計30本塁打)を予想します。まあ、ケガさえなければそれでいいんですが。

×さすがにそこまで早くはなかったですね。シングルAを圧倒し、7月にA+をスキップしてAAに昇格。軽い故障もあって、そのままAAでシーズン終了。AAは支配したといえるほどの成績ではありません。

⑧Stephen Strasburgのメジャー復帰は9月後半  
ことStrasburgに関しては極めて慎重なフロントですから、急いで復帰させる可能性は極めて低いと思います。8月にマイナーでの登板を開始。9月の中旬以降に2回だけメジャーで投げて今季は終了。1勝。

◎順調に回復し、8月7日にマイナーでのリハビリ登板を開始。9月6日にメジャー復帰し、5先発。1勝も当たりました。

⑨ZimmermanがGG+SS  
昨季は惜しくも逃したゴールド・グラブでしたが、今季は奪回。シルバー・スラッガーのほうも、打率3割、28本塁打、100打点でしっかりゲット。

×故障で2ヶ月離脱しては話になりません。打率.289、12本塁打、49打点はいかにも寂しい。来年はとにかく健康で。

⑩チームは地区4位に浮上!  
ズバリ77勝85敗。最下位メッツより、3位のマーリンズとの差のほうが少ないと予想します。地区優勝はブレーブス。フィリーズは先発投手陣以外は、あまり怖い感じがしませんので今季は沈むと見ます。

×予想を遥かに上回る81勝82敗。地区3位に浮上しました。うーん、来年はどう予想しようかなあ(ニヤニヤ)。

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明日から日本に一時帰国することもあり、本年の更新はこれにて終了です。え?Gio Gonzalezの記事?忘れているわけではありません。

今年はいろいろな要因が重なり更新も滞りがちになりましたが、読んで頂いていた方、コメント頂いた方々にはこの場で感謝申し上げます。

来年もどうぞ宜しくお願いします。良いお年を。

2011年12月26日月曜日

2011シーズンレビュー4: 新人王は2人

疲れてきました(笑)。

新人王資格のあった選手は、Ramos、Espinosa、Marrero、Lombardozzi、Brown、
Maya、Kimball、Milone、Peacock、Henry Rodriguezの10人でした。このうち、出場機会を満たし、ルーキーを卒業したのが、Ramos、Espinosa、Maya、H-Rodの4人。

チーム新人王はRamosとEspinosaの2人。決められませんでした。これから2人ともチームを長く引っ張って行ってくれると信じています!

【Rookies of the Year】Wilson Ramos, Danny Espinosa

2011年12月25日日曜日

2011シーズンレビュー3: 野手MVP Morse

続いて野手です。

【捕手】
開幕前の見立てでは、PudgeとRamosが併用され、次第にRamosのウェイトが増していくと思われていましたが、開幕からの打撃好調でRamosが早々にレギュラーの地位を確立。途中息切れしましたが、シーズン終盤はまたよく打って、結果的には15本塁打。ルーキーシーズンとしては文句なし。打てる捕手として大いに期待されます。盗塁阻止率もかなり高く、またリード面でも格段の進歩を見せました。Pudgeの指導もあったのではないかと思われます。

Pudgeは出場機会が激減しながらも決して腐った様子を見せず、さすがHall of Famer(当確)の品位を見せてくれました。盗塁阻止率5割と守備は今でも一流も、いかんせん打てず。そして7月上旬に腹筋の故障で離脱。当初思われたより回復に時間がかかったこともあり、残念な数字に終わりました。しかし、それよりなにより、Ramosの指導をしてくれたことに大いに感謝。FA退団しましたが現役続行の意向。あと156本となっている通算3000本安打目指して新天地で頑張ってください。

Pudgeの離脱後はFloresが久しぶりのメジャー復帰。打撃成績は残せませんでしたが、まずは健康にプレーできただけでもよかったのではないでしょうか。

【内野手】
一塁は、オフに2年契約を結んだLaRocheがスプリングトレーニング中に肩を故障。とりあえず開幕したものの極度の打撃不振で早々にDL入り。手術を受けてシーズン終了。ここまでは全くの期待外れです。

LaRoche離脱後ファーストに入ったのがMorse。自身も開幕から1か月は打撃不振でしたが、一塁で常時出場するようになった5月以降打ち始め、そのままシーズン終了までハイレベルで打ち続けました。およそほとんどの打撃部門でチームトップ。ナ・リーグMVP投票でも、5ポイントで19位に入りました。昨季までは一流投手との対戦では圧倒されているように見えることもありましたが、今季は自信を持って打席に入っていました。魅力はなんと言ってもパワー。バックスクリーン、さらには右方向に強い打球を打てるパワースイングで、Beast(野獣)のニックネームを獲得しました。既に29歳ということで、おそらく今がピークと思われますが、来季も主軸と期待されます。9月になり、ルーキーのMarreroが昇格してファーストに入るとMorseはレフトに戻りましたが、打撃の調子は落ちませんでした。

三塁はZimmremanが不動のはずでしたが、スライディングで脇を傷めほぼ2か月欠場。その間、CoraやHairstonで埋めましたが、戦力ダウンは明らか。Zimmremanは出場していたときも長打力で数字が大きく下がったことが気になります。

二遊間は、2年目のDesmondとルーキーのEspinosaが年間通じて頑張りました。Desmondは相変わらず守備が安定しないこと、打撃でも出塁率が低いこともあり、長期的にはアップグレードを考えたほうがいいのではないかという気もしますが、まだ伸びシロはあると思われます。対して、Espinosaは好守とも素晴らしかった。特に守備はゴールド・グラブ候補に上がっても不思議ないレベル。打撃も、後半戦に失速しましたが、前半は新人王の有力候補と言われるほど長打、打点を量産。長打力のある二塁手は貴重です。こちらは今後何年にもわたってチームを支えること間違いなし、と信じられる内容でした。

【外野手】
鳴り物入りで入団したWerthでしたが、打撃はさっぱりでした。チャンスに凡退、しかも三振、しかも見逃し三振のシーンがどれほどあったことでしょう。ライトと、9月に守ったセンターの守備はまずまずでしたが、高年俸とっているんだから、来季はこんな打撃成績では許されません。

センターは今季も安定しませんでした。最多出場機会を得たのがAnkiel。強肩の見せ場は何度かありましたが、いかんせん打てず。個人的にお気に入りのBernadinaもチャンスをものにすることができず。いいときは打席でも素晴らしく、守備でも記憶に残る好プレーを何度も見せてくれましたが、悪いときは好守とも集中力を欠いているとしか思えないようなお粗末なプレーがありました。ベンチ・フロントからの信頼はかなり低下しており、来季は出場機会を得られるかどうか・・・。

レフトは、Morse(右)とLaynce Nix(左)の併用で開幕。Morseが一塁に回った後はNixが頑張りましたが、Nixが故障で調子を落とすとやりくりに苦労しました。7月にレッズから獲得したGomesは完全に期待外れ。来季はMorseが戻ることになります。

【MVP】Michael Morse
文句なしでしょう。ただ、勝手MVP Pointでは、8WでEspinosaとタイでした。特に前半戦はEspinosaのクラッチぶりが目立ちましたから。

2011年12月24日土曜日

2011 シーズンレビュー2: 投手MVP Clippard

投手陣。

【先発】
シーズン序盤は開幕ローテの5人(Livan、Lannan、Zimmremann、Gorzelanny、Marquis)が大きく崩れず、最初に6人目の先発投手が必要となったのは実に5月29日のことでした。故障離脱したGorzelannyに代わって最初に呼ばれたのはMayaでしたが、さっぱり振るわずわずか4試合でマイナー降格。復帰したGorzelannyがまたしばらく先発しましたが、結局7月下旬にブルペンに降格。また、フラッグディールで予定通りMarquisが移籍し、開いたところにDetwilerと王建民が入りました。Zimmremannが投球回数制限に到達したところでStrasburgが復帰。9月にはLivanをシャットダウンして開いたスポットを使い、Milone、Peacockの期待の両ルーキーを試しました。ほぼフロントの開幕前の予定通りの動きができたのではないでしょうか。

チーム最多勝は自身初の2桁勝利を達成したLannan。打線の援護に恵まれず過去3年の勝ち星が9,9,8でしたが、遂に2桁勝利。チームでただ1人シーズン通じてローテーションを守ったことも高く評価してあげたいと思います。相変わらず世間的な評価は低いのですが、速球の平均球速はデビューした2007年の86.5マイルから年々上がり、昨季は88.6マイル、そして今季は89.6マイルに達し、奪三振率、被本塁打率も明らかに向上。一皮向けた感があります。

とはいえ、そんなLannanもZimmremannとStrasburgの輝きの前に霞むのは致し方ないところ。

ZimmremannはTJからの完全復活。防御率3.18はリーグでも10位に入る数字。奪三振数もチーム1位。シーズン序盤は空振りが取れない、三振が取れないと心配した時期もありましたが、オールスター後の奪三振率はTJ前の水準まで戻しました。試合終盤に疲れが見えたところで一発を打たれる傾向(被本塁打率は高くないため、球場観戦した試合で打たれたので印象が強いだけかもしれませんが)を克服すれば堂々たる一線級の投手です。

Strasburgはもう語るまでもありませんね。わずか5試合の登板でしたが、TJからの順調な回復どころか、さらに進化して戻ってきたという強烈な印象を残してくれました。

Livanはもう限界だと思います。良いLivanと悪いLivanがはっきりしているのは例年どおりですが、今季は悪いLivanが圧倒的に多かった。本人は、ロングリリーフとしてでもナショナルズに残りたいという発言をシーズン終盤から繰り返してきましたが、フロントの構想に入っていないことは明らか。マイナー契約の可能性はあるでしょうが、これだけの功労者をマイナー契約というのも・・・。どこかの球団(できればNL東地区以外)に移籍して、もう一花咲かせてくれることを願っています。ちなみに、野球を辞めてもゴルフでいつでもプロになれる腕前だそうです。

王建民はシーズンが進むにつれて球速も上がり、シンカーの切れも良くなり、復活を印象付けました。早々に再契約に成功していますので、来季もローテーション投手として期待。肩の故障からの復活はなかなか例がないのですが、このまま成功してくれることを願っています。

9月に昇格したMilenoとPeacockの2人は、印象的なメジャーデビューを果たしました。2人に共通するのは、全くビビッていないこと。過去のルーキー達(Mock、Balester等)はどうしてもボールが上ずっていましたが、この2人は実に落ち着き払ったマウンドさばきを見せてくれました。特にMiloneの内を突く投球術には恐れ入りました。オプションやら何やら契約関係もあり開幕ローテーションとはいかないかもしれませんが、大きな期待をかけています。

【ブルペン】
スプリングトレーニングで大不振だったStorenが、リーグ4位となる43セーブを記録することになるとは誰が予想したでしょうか。開幕次点で事実上のクローザーだったBurnett調子を崩したこともあって、早くも4月後半には9回を任されるようになり、多少の波はありましたがクローザー適性を完全に示しました。夏にトレードの噂もありましたが手放さなくて良かったとほっとしています。

しかし、インパクトでStorenをしのいだのがClippardの活躍ぶり。昨季に続いて打者を圧倒する投球。時々リトルリーグに中学生が混じっているような気がすることさえありました。認められてオールスターにも出場し、勝ち投手にもなりました。

大きな可能性を感じさせたのがHenry Rodriguez。スプリングトレーニングの出遅れに始まり、昇格直後は荒れるにもほどがあるだろうと叫びたくなるほどの悲惨な登板も多かったのですが、シーズンが進むにつれて安定し、100マイル近い速球に加えて変化球も切れるときは切れまくり、良いときはClippardをしのぐ支配的な投球を見せてくれました。

開幕直後はクローザーも勤めたBurnett。一時、調子を崩し心配しましたが、投球フォームを変えた後半戦はかなり安定。少なくとも対打者ではしっかり結果を残しています。もう1人、試合終盤でいい働きをしてくれたのがCoffey。シーズン通じていい仕事をしてくれました。FA退団しましたが、再契約したい投手の1人。逆に全然ダメだったのSlaten。故障離脱の前も後も出れば打たれる状態でした。

若手では、Cole KimballとRyan Mattheusが目立ちました。ただ、両投手とも肩を痛めて途中離脱。Mattheusはリハビリを経てシーズン終了間際に復帰しましたが、Kimballは手術に踏み切っており、早くても来年夏の復帰と言われています。肩だけに心配。それにしてもRiggleman前監督によるKimballの起用方法には大きな疑問が残りました。こうして故障されただけになおさら。ほんとにもう。9月にメジャーデビューを果たしたSeverinoは奪三振率の高さが目立ちますが、サンプル数が少ないので何ともいえません。

ロングリリーフとして起用されたのが、先発から降格となったGorzelanny、Balester、Mayaそれにシーズン終盤になってStammen。この中ではStammenの好投が目立ちました。もうちょっと使ってやってくれてもいいのにと思ったほど。Gorzelannyもブルペンに回ってからはなかなか好投、特に左打者相手にはしっかり結果を残しました。

【MVP】Tyler Clippard
Lannan、Zimmremannにあげたいようにも思いますが、やはりClippardを外すことはできません。圧巻でした。

当ブログの勝手MVP Pointでも、Lannanとともに4W。ブルペン投手がこの勝手MVPに選ばれるチャンスはそんなに多くないはずなのに4度も。それだけ試合の流れを左右した好投が多かったということです。

2011年12月23日金曜日

2011シーズンレビュー1: 地区3位浮上

そろそろ年末が近付いてきましたが、ようやく2011年シーズンレビューが書きあがりました。

まずはチームとしての戦いぶりから振り返ります。

昨季から勝ち星を11増やし、80勝81敗(ドジャーズとの試合を1試合雨天中止としたため全161試合)。わずかに5割には届きませんでしたが、30球団中では15位と上位グループ。ブログ開始から4シーズン目にして初の地区最下位脱出、球団史上初の地区3位!と、大躍進のシーズンとなりました。

開幕直後を1勝4敗とつまづいたものの、シーズン序盤は大きな連敗もなく、借金基調ながらも時折貯金生活(といっても最大2でしたが)も送りました。5月下旬に5連敗で崩れそうになりましたが、6月中旬に今季最長となる8連勝を記録すると、1敗の後さらに4連勝し、ファンの気持ちを盛り上げてくれました。最後に5割を記録したのは7月18日(48-48)。オールスター後、7月下旬と8月下旬の2度の6連敗でプレーオフ争いからは完全に脱落しましたが、若手主体となった9月を17勝10敗と大きく勝ち越し、来季に望みを持たせるいい感じで閉幕。ファンは気分のいいオフを過ごしています。監督がRiggleman (38-37)からDavey Johnson(40-43) に変わりましたが、その前後で成績は大きく変わりませんでした。何度も書いていますが、交代してくれて本当に良かったと思っています。

ナ・リーグ東地区はフィリーズが4連覇。Halladay、Hamels、Oswaltに加えオフにCliff LeeとFA契約してできた驚異的な 4本柱に、ルーキーのVance Worleyまでが台頭。手が付けられない先発投手となってしまいました(チーム防御率30球団1位)。高齢化で劣化すると見られた打線でしたが、夏にHunter Penceをトレード獲得するなどきっちり補強してまさに死角なし。30球団1の102勝を記録して独走。ただ、そのフィリーズに対してナショナルズは頑張りました。最後の4連戦でスウィープするなど、10勝8敗と勝ち越しています。地区2位は終盤に大失速して最終日にワイルド・カードを逃したブレーブス。そして3位にナショナルズ。メッツはシーズン中にK-RodやBeltranをトレード放出するなど解体モード、マーリンズはJosh Johnson、Hanley Ramirezの投打の主軸がいずれも故障離脱ということもあり、最下位に沈みました。

チーム・スタッツで見ると、投手陣は頑張ったものの打線が打てなかったという印象が裏付けられます。ナ・リーグ6位のチーム防御率3.58をはじめほとんどの投手成績でリーグ平均を上回りました。例外は15位だった奪三振と11位だった完投勝利数くらい。これに対して、打撃成績は、本塁打数(7位)と盗塁数(8位)を除くと下位に沈み、特に三振数1323はリーグ最多を独走で、これは何か対処が必要とされます。 

5割目前まで到達し、しかも主力は若くさらなる伸びが期待されており、「来季はいよいよプレーオフ争いだ」と言っても恥ずかしくないところまで来ました。ただ、今季プレーオフに出た8チームとはまだまだ戦力差があり、ここからのもう1ステップが簡単ではないことは覚悟しておきましょう。

2011年12月22日木曜日

Mark DeRosaと1年契約

ジャイアンツからFAとなっていたユーティリティのMark DeRosaと1年契約に合意。

長くくすぶっていましたが、2006年頃からスーパーユーティリティとして名を上げ、2年前のオフのFAランキングでは12位(Yahoo!)と高く評価され、ジャイアンツと2年12百万ドルで契約。しかし、この2年は故障でわずか73試合の手出場にとどまり.235/.313/.279とさっぱりでした。

投手、捕手、センター以外はすべて守れるという点が魅力。打撃は?ですが、ベンチプレーヤーとしては悪くない補強と見ます。

Carlos Riveroをウェーバー獲得

フィリーズからウェーバーにかけられていたCarlos Rivero内野手をクレームしました。

ベネズエラ出身。もともとインディアンズが17歳で契約しましたが、2009年オフにフィリーズがウェーバーで獲得。この時、もともとの遊撃手から三塁手にコンバートされています。一時はかなり期待され、BAでインディアンズの組織内11位のプロスペクトとまで評価されたこともありましたが、伸び悩み、過去3年間はAAで足踏み。この秋ようやくAAAを7試合経験しました。パワーもなく足もなく、守備も荒い、とあまり芳しいスカウティングレポートは見ません。来季開幕はAAかAAAでしょうし、まだメジャーには遠そうです。

それでもまだ23歳なので少しは期待感を持っていいのかな(フィリーズファンの関連記事参照)。

2011年12月21日水曜日

John Sickels: Nationals Top 20 Prospects

[1/20 更新]
Gio Gonzalezとのトレードでトップ10のうち4人が放出されたことを受け更新されました。それでもB-以上が9人残っています。

[12/21オリジナル]
Sickelsさんのプロスペクトランキングが公表されました(元記事)。

上位はほとんど変わりませんが、既に発表されているBA、Fangraphsのランキングと比較して目立つのは、Miloneへの好評価。潜在能力の高さを重視する傾向のあるBAに比べて、実現可能性(メジャーへの距離)のウェイトが大きいのかなと思われます。

Sickelsさんのランキングは、組織内順位とともに、各選手のGrade(A, B, C)がついていて他球団、あるいは過去と比較できる点が特徴です。今年のナショナルズのランキングの最大のポイントは、Grade B-以上の選手がなんと13人もいることです。過去は、6、7、7でしたから、それだけマイナー組織が充実しているということの表れかと思います。

Grade A
1. Bryce Harper, OF, Grade A
2. Anthony Rendon, 3B, Grade A-
Grade B
3. A.J. Cole, RHP, Grade B
4. Brad Peacock, RHP, Grade B
3. Brian Goodwin, OF, Grade B
6. Derek Norris, C, Grade B
4. Alex Meyer, RHP, Grade B
5. Matt Purke, LHP, Grade B-
9. Tom Milone, LHP, Grade B-
6. Steve Lombardozzi, 2B, Grade B-
7. Sammy Solis, LHP, Grade B-
8. Destin Hood, OF, Grade B-
9. Robbie Ray, LHP, Grade B-
Grade C
10. Chris Marrero, 1B, Grade C+
11. Dan Rosenbaum, LHP, Grade C+
12. Michael Taylor, OF, Grade C+
13. Dave Freitas, C, Grade C+
14. Rick Hague, INF, Grade C
15. Matt Skole, 3B, Grade C
16. Jason Martinson, SS, Grade C
17. Tyler Moore, 1B, Grade C
18. Jeff Kobernus, 2B, Grade C
19. Eury Perez, OF, Grade C
20. Justin Bloxom, 3B-1B, Grade C

OTHERS: Brian Dupra, RHP; Wirkin Estevez, RHP; Taylor Hill, RHP; Blake Kelso, INF; Kevin Keyes, OF; Cole Kimball, RHP; Pat Lehman, RHP; Rafael Martin, RHP; Estarlin Martinez, OF; Randolph Oduber, OF; Josh Smoker, LHP; Kylin Turnbull, LHP; Zach Walters, INF

2011年12月13日火曜日

Doug Slaten を解雇

年俸調停対象選手への契約提示期限。ナショナルズは7人が対象となっていましたが、うちブルペン左腕のDoug Slatenにだけは契約を提示せず。事実上の解雇となりました。まあ、仕方ないですね。2010年はよく働いてくれましたが、今季は対戦打者の打撃成績.356/.434/.603から明らかなように出れば常に打たれていましたから。

John LannanMichael MorseTyler ClippardTom GorzelannyJesus FloresJordan Zimmremannの6選手には契約が提示されました。ボーダーラインと思われていたのがGorzelanny。本年1月にカブスから獲得したときの代償がそこそこ大きかったこと(結果的には3人とも期待外れでしたが)、ブルペン投手としては15試合22.1イニングで2.42/1.08と好成績を残したこと、特に対左打者での有効性は成績から示されていることから、年俸はやや高めですが残ってもいいなと思っていました。ブルペンのロングリリーフ・スポットスターターの座をCraig Stammenと争うことになりそうですが、契約から言って可能性は高いと思われます。もっとも、開幕間際にカットされる可能性も十分あります(このプロセスによる年俸は保証されておらず、開幕前にカットされる場合には日割りで支払われます)。

今後、来季年俸の交渉が行われ、妥結しない場合には2月に年俸調停が開かれることになります。Jordan Zimmremannとは大型複数年契約を結んでくれないかなと密かに願っています。

2011年12月11日日曜日

BalesterとRyan Perryのトレード

デトロイト・タイガースとの間でとRyan PerryCollin Balesterという両ブルペン右腕のトレードが成立しました。

Ryan Perry (2011 for DET)
36G 37.0IP 21BB 24K 5.35/1.62

2008年ドラフト1順目(全体21位)の大卒入団。大学時代からブルペン投手ということもあり、将来のクローザーとして期待されました。早くも翌年にはメジャーデビューを果たして53試合に登板。2010年にも60試合に登板して2セーブも記録。ともに防御率3点台でメジャーに定着したかと思われましたが、今季は不振でマイナー落ちも経験。それでも今季のディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップシリーズで計5試合に登板しました。90マイル台後半まで出る速球と、80マイル台の切れ味鋭いスライダーが武器の投手ですが、安定感にかけるのが欠点。タイガースはオフにOctavio Dotel をFA獲得しており、終盤を任せるべき投手が余ったと見られます。オプションは1つ残っています。

Collin Balester (2011 for Nationals)
23G 35.2IP 14BB 34K 4.54/1.46

まだエキスポスだった2004年にドラフト4順目で高卒入団。2007年シーズン前にはBAのプロスペクトランキングで球団内1位と高く評価され、2008年にメジャーデビューして初先発初白星を記録するなど、先発投手として順調に成長。しかし、そこで壁にぶつかりローテーションに定着できず。結局2010年シーズン途中にブルペンに転向しましたが、それでも安定せず。今季はほぼモップアップとして使われていましたが、それでもメジャーとマイナーを行ったり来たりを繰り返していました。オプションは切れています。

ナショナルズにとっては、かなりいいトレードだと思います。オプションが切れていて開幕25人に残れるかどうかボーダーラインのBalesterを、オプションが残っているPerryに代えたことでロースターのフレキシビリティが上がりました。また、Perryのスタッツで注目すべきは被本塁打の少なさ。防御率で見るとダメだったとされる今季でも、37イニングで被本塁打はわずかに1本だけ。マイナーを含む通算でも本塁打を打たれにくいことが示されています。これは、特にブルペン投手としては重要な点。それなりに期待していいと思います。

Balesterはこのブログを始めた2008年にメジャーデビューしたこともあり、結構思い入れはありましたが、さすがに期待感はしぼんでいました。オプション切れのBalesterをタイガースがどう使うのかは良く分かりませんが、基本はロングリリーフでしょう。25人枠に残れるよう、スプリングトレーニングでしっかりがんばってください。

2人とも、ともに才能を評価されながらも十分に開花させられなかった投手。新天地で気分一新し、活躍することを期待しています。

2011年12月9日金曜日

まさかのPujols移籍!! (ウィンターミーティング閉幕)

Albert PujolsとC. J. Wilsonの2人ともがエンゼルスとの契約に合意。特にPujolsは、まさかという感じです。セントルイスで伝説になるよりも金を選んだという結果で悲しい気持ちになりましたが、最終的なエンゼルスのオファー、10年254百万ドル(A-Rodの275百万ドルに次ぐ史上2位)に対して、カージナルスのオファーが9年220百万ドル程度に止まっては仕方なかったのかもしれません。でもなあ、やっぱり残念です。セントルイスのファンの心境を慮ると涙さえ誘います。

そしてここでもマーリンズ。Buehrleとの合意後に撤回したものの一時は10年275百万ドルをオファーしていたそうです。行かれなくて良かったのか、行ってくれればBuehrleを獲得できただろうからそっちのほうが良かったのか、微妙なところです。マーリンズはWilsonに対しても6年98百万ドルを提示。最終的には故郷に近いエンゼルスの5年77.5百万ドルに敗れはしましたが、こちらはBuehlreとの合意後も撤回しなかったようです。おいおい、どこまで深いポケットなんだ。

結局、FA戦線はマーリンズとエンゼルスの2チームが席巻。ナショナルズはこのウィンターミーティングの4日間にただの1人も戦力を補強することができませんでした。引き続き、先発投手とセンター探しは課題として残っています。先発はOswaltと、そして本当にポスティング手続きが開始されたダルビッシュが次の(そして最後の)ターゲットでしょうか。ダルビッシュはまず交渉権を得る必要がありますが、ナショナルズは入札は行うだろうと噂されています。短期的にも長期的にも高くつく可能性はありますが、現在補強可能な投手の中では間違いなく最高級。行って欲しい。センターは・・・CespedezがなければWerthをセンターに回してライトを補強することも考えられます。後はベンチ、ブルペンの補強も残っています。

まだまだ冬は長い。

[ルール5ドラフト]
やはり午前中にルール5ドラフトが行われました。全体16位を持っていたナショナルズでしたが、メジャーリーグの40人枠に入れなければならない選手は1人も指名しませんでした。1軍半の選手をかき集めなくてもよいという事実自体が、ロースターの充実ぶりを示していると言っては言い過ぎでしょうか。

他方、Brad Meyers投手がヤンキースに、Eric Komatsu外野手がカージナルスに奪われました。Meyersはプロスペクトの1人なので、やはり、という感じです。2007年に入団してからじわじわと頭角を現し、2009年にはチームの公式Minor League Pitcher of the Yearにも選ばれていました。今季途中にAAAに昇格し、そこでも結果を残していました。今季も116奪三振に対して四球はわずかに15ととにかく四球が少ない投手。ヤンキースはリリーフ投手として使ってみたいとしていますが、果たして割り込むことができるでしょうか。個人的にはさっさと帰ってきて欲しいと思っています。Komatsuは夏にJerry Hairston Jr.との1対1のトレードでブリューワーズから来た選手。1番センタータイプですが、AAでも十分な結果を残したとは言えず、まだメジャーには早過ぎるでしょう。

ナショナルズは、AAAレベルでBeau Seabury捕手をロッキーズから、AAレベルでMatthew Buschmann投手をパドレスから奪いましたが、年齢も高く、数字を見ている限りあまり期待できそうにありません。Seaburyは守備の人のようです。

2011年12月8日木曜日

Buehrleはマーリンズへ

悔しいなあ。ナショナルズのこの冬一番のターゲットだったMark Buehrleをマーリンズの札束攻勢の前に失いました。

ウィンターミーティング3日目。カージナルス残留が濃厚と言われながら、マーリンズから攻勢をかけられたPujolsの行方が決まらず、なかなか他のFA選手たちの交渉も進まないまま推移。午後になり、Buehrleが候補を3球団に、さらにナショナルズとマーリンズの2球団に絞ったという情報が入り、しかもマーリンズがC. J. Wilsonに6年契約を提示したという情報もあって、一時は合意できるかもと期待しました。しかし、夕方になって、マーリンズがPujols戦線から離脱するとともにBuehrleへのオファーを引き上げたことで勝負あり。最終的には、ナショナルズのオファーが3年42百万ドル程度にとどまったのに対し、マーリンズは4年58百万ドル。Buehrle本人はナショナルズにかなり好感を持ってくれていたようですが、年数でも、平均年俸額でも、完全に上回られてしまってはさすがに無理。せめて4年契約を提示できなかったのかなあ。Buehrleなら4年でも良かったと思うんだけど。

ナショナルズにとっての次の(というか最後の)候補はRoy Oswaltになりそうです。3年契約を希望しているようですが、さすがに長い。2年プラスオプションくらいでなんとかなりませんかね。ま、ダメなら現有戦力でもいいと思えば気は楽です。

それにしてもマーリンズの大盤振る舞い振りには参ります。Bell、Reyesに続く大物FAとの合意。さらにC. J. Wilsonとの交渉も継続している模様。これまでのイメージと全く違う球団経営にちょっと感覚的に付いていけません。新球場ってそんなに儲かるのか?!

その他のニュース。

●Pujols(多分カージナルス)とWilson(多分エンゼルス)はさすがにそろそろ決まりそうな気配。

●元ナショナルズでは、ブルージェイズからFAとなったJon Rauchがメッツと1年350万ドルで契約。やはりブルージェイズからFA移籍のFrank Franciscoとクローザーを争うみたいです。NL東地区に来なくてもいいのに。

●西武からポスティングにかけられていた中島裕之をヤンキースが落札(2百万㌦)。他に入札した球団はなかったようです。これから契約交渉が行われます。内野では完全に控えになってしまいますが、外野も守れるのかな。もう1年待って、FAとしてレギュラーになれるチャンスのある球団を選ぶべきだと思います。

ダル、来るの?ホントに?

2011年12月6日火曜日

ウィンターミーティング2日目終わり

ウィンターミーティング2日目が終わりましたが、まだ大きなニュースは入っていません(Manny Ramirezの復帰表明くらい?)。

初日夜にC. J. Wilsonにナショナルズが6年契約をオファーしたという情報が流れました。せいぜい4年オファーくらいしかないと言われる中で「まさか」と思いましたが、GM以下が明確に否定。ガセネタでした。出しても不思議ないチームと高く評価されているわけではなく、当て馬として馬鹿にされているようで、こういう情報が流れること自体不快です。発信元は、思ったような契約オファーが来ないことに焦るWilson陣営と勘ぐられています。もはや権謀術数の世界ですね。ナショナルズ側もRizzo GMやJohson監督が記者に対して、「センターも先発投手も必ずしも必要ない」と発言していますが、これも交渉相手へのジャブを放っているととらえるのが正しいと思います。BuerleとOswaltへの関心は本物でしょうし、センター関連の情報は2日目も流れてきています。情報戦が展開されているわけです。とにかくWilsonに行かないことがはっきりしただけでも良かったと思います。

その他のナショナルズ関連のニュース。

●Jerry Hairston Jr. がドジャーズと2年契約600万ドルで合意。NixといいHairstonといい、ナショナルズで頑張って、次にいい契約を勝ち取る選手がいることは嬉しいですね。

●マイナーFAとなっていたJ. D. Martinがマーリンズとマイナー契約。

●元ナショナルズでは、Matt Cappsがツインズと1年450万ドルで再契約。今季はマリナーズで4番も打ったAdam Kennedyがドジャーズと1年80百万ドルで契約。

2011年12月5日月曜日

ウィンターミーティング前夜

明日からウィンターミーティングが始まります。ビッグネームのFA選手たちの契約やトレードがいろいろ出てきそうです。昨年は、ウィンターミーティングの直前にナショナルズがJason Werthと契約合意に至り、周囲をあっと言わせましたが、今年は・・・。

ナショナルズのターゲットは、先発投手とセンターとGMが明言しています。

先発投手でナショナルズが関心を持っていると言われているのは、C. J. WilsonMark BuehrleRoy Oswaltの3人。中でもBuehrleにはかなり強い関心を持っており、球団首脳がセントルイスのBuehrleの自宅に訪問し、既に契約を提示しているようです。ただナショナルズ以外にも人気があり、噂では関心を寄せているのは14球団にも上るとか・・・。個人的にもかなり好きな投手の1人なので獲得には大賛成ですが、条件があまり上ってしまうとなあ。Wilsonにはあまり執着していない様子。このオフ最高のFA投手とされていますが、絶対的なエース級とは言えないレベル。要求があまりに過大で多くの球団が二の足を踏んでいる状況。タイプAでドラフト指名権を失うこともあり、避けてほしい選択肢。Oswaltは腰・背中の故障の不安を抱えますが、短い契約なら高くてもありかなと見ています。Edwin Jacksonなどあまり他のFA投手には惹かれませんが、Javier Vazquezが引退を撤回するならいい選択肢だと思います。ダルはきっと今年は(来年以降も?)来ないと見ています。どうも当地のメディア(SIやESPN)は本人は来たいのに球団が邪魔していると勘違いしている感じがします。

センターは、FAにめぼしい選手がいません。Coco CrispRick Ankielくらいですが、ナショナルズは関心なしと言われています。また、まだ手続き的にFAになっていませんが、キューバから亡命してきたYoenis Cespedesにも関心を示しており、ドミニカ共和国までRizzo GMが足を運んでワークアウトを視察しています。他にはヤクルトからポスティングにかかる青木という選択肢もありますが、報道を見ている限りあまり関心は内容です。Cespedesへの評価がどの程度かわかりませんが、このウィンターミーティングではトレードの話がいろいろと出てくる可能性があります。候補と言われているのが、 B.J. Upton(TB)、Denard Span(MIN) といったところ。Spanは夏にも噂がありましたが、脳震盪の影響が懸念されることと、何より夏にStoren(ありえない)を要求したように要求が高すぎるので話になりません。Uptonは長打が打て足もあるということで好選手だとは思いますし、若いのも魅力ですが、打率・出塁率が低くて三振がものすごく多いという、今季のナショナルズの欠点をさらに助長しかねない選手。チームにフィットし過ぎ(笑)。FAまであと1年しかないこともあり、個人的には気に入りません。ということで、Cespedesがダメなら、CrispかAnkielを獲得しに行けばいいと思います。それがだめならとりえあずBernadinaで開幕してもいいと思うんだけどなあ。

ナショナルズの選手でトレードの噂が出ている選手としては、何と言ってもJesus Flores。相変わらずベネズエラのウィンターリーグでは打ちまくっています。Wilson Ramosがいるのでナショナルズでのレギュラーはかなり厳しく、いいトレードで送り出してあげられればと思います。他にはDesmond、Lannan、Detwilerもトレードの噂がありますが、個人的には3人とも残って欲しい選手です。

ルール5ドラフトについては前に書きました

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ニュースをいくつか。

さっき入ってきたのが、「マーリンズがJose Reyesと6年106百万ドルで合意」。わお。Hanley Ramirezがいるのでまさかと思っていましたが、やってくれました(Ramirezはサードへコンバートの見通し)。先日、クローザーのHeath Bellとも3年27百万ドルで合意したばかり。来季の新球場開場に向けて、球団名を「フロリダ」から「マイアミ」に変えるだけでなく、大規模な戦力補強をするとオーナーが公言していましたが、その言葉通りの大盤振る舞いです。さすがにPujolsからは手を引くと思いますが、先発投手の大物を獲得しに行くかもしれません。いやはや、ナショナルリーグ東部地区は簡単には勝てそうにありません。

最近の(やや古いものもありますが)、ナショナルズ関連のニュース。

●FA退団していたLaynce Nixがフィリーズと2年契約。ナショナルズも2年契約を提示したようですが、条件で及びませんでした。むむむ、ライバルに行かれるとは。

●マイナーFAとして退団していたShairon Martisがパイレーツと、Garret Mockがブルージェイズとそれぞれマイナー契約。2人とも一時はナショナルズで先発ローテーションに入っていた選手。Martisは2009年を最後にメジャーから遠ざかっていましたが、まだ24歳で、昨季はAAで好投していましたので、もったいないという印象がどうしてもあります。Mockは・・・拾ってもらって良かったですね。

●Jim Riggleman前監督がレッズ傘下のAAチームの監督に就任することになりました。あんな辞め方しても仕事があるんですね。驚きました。

2011年12月1日木曜日

Fielderはナショナルズにフィットするか

Marreroの故障離脱と前後してナショナルズがPrince Fielderに関心を示しているという情報が出てきました。とはいえ、主な根拠がFielderのエージェントScott Borasとナショナルズの密接な関係という程度なので、どこまで真剣な話なのかは分かりません。

現在のロースターを見ると、来季の一塁手はレギュラーのAdam LaRocheがいて、何かあればMichael Morseが守れますので、慌てて補強する必要はなく、せいぜいベテランのバックアップ(Mark DeRosaなども名前が挙がっています)を獲得すれば十分のはずです。LaRocheは故障からの回復に特に遅れはないと見られていますし、来季年俸が800万ドルと高額であることから、ベンチプレーヤーにするわけにもいかず、かといってトレードでの引き取り手もないでしょうから、動かしようがありません。

オフに入ってからのRizzo GMの発言では、補強の優先課題はセンターと先発投手であると明言しており、それ以外のポジションに多額をつぎこむ可能性に言及したことはないはずです。

Fielder自身についても、これまでの成績は、出場試合数に表れる健康度を含めても文句のつけようがないほど素晴らしいものですが、あの体形から30代半ばにもなれば急速に劣化すること必定と思われ、総額1憶ドルを超えるような超長期契約を結ぶリスクはかなり大きいと言わざるを得ません。

しかし、そんな中でも、ナショナルズがFielderを獲得することは個人的には「あり」だと思います。可能性も十分あると思います。

Fielderの最も魅力的な要素は、20歳でデビューしたため来季開幕時でもまだ27歳であること。言われているように急速に劣化して契約の後半は不良債権化するとしても、最初の4、5年は働いてくれると期待できます。この4,5年というのがポイント。StrasburgがFAとなるのが2016年のシーズン終了後。それまでの5シーズンを、ナショナルズがワールドチャンピオンを真剣に狙える「ウィンドウ」と考え、その間、可能な限り高い戦力をそろえて戦うとすれば、Fielderが32歳までの4年間働いてくれればいいわけです。2016年のシーズンが終わった後に高額の不良債権を抱えて途方にくれることになるとしても、それまでに1度でもワールドチャンピオンになれればいいじゃないですか。2016年以降のことなんて、また改めて考えればいいんですから。フロントもそう考えているのではないかという気もします(必ずしもそのように表明されたことはありませんが、Jason Werthの契約もこう考えればすっきりします)。

次のポイントは、仮にFielderを獲らなかったら来オフどうするのか、という問題です。現時点でFA選手となる見込みの選手に、Fielder級の選手はいません(2013年オフにはJoey Vottoが出てくる予定ですが)。傘下のChris MarreroやTyler Mooreが大化けしてくれる可能性にかけるのはリスクが高すぎます。Harperが昇格してレフトに入り、Morseをファーストにコンバートするというのがメインシナリオだと思いますが、Morseをそこまで信用していいのかというと個人的には少し疑問を持っています。故障のリスクもあります。また、守備面でもMorseよりFielderのほうが上だったりします(2人とも決して良くありませんので、「まだまし」という表現のほうが妥当ですが)。

もう1つの要素は、打線での存在です。現状では主軸は右打者ばかり。今季の開幕時はLaRocheが4番に入っていましたが、来季はとても任せられません。そうなると、Zimmerman、Morse、Werthと右打者ばかりです。ここに4番にFielderが入るとぴったりフィットします。ZimmermanやMorseへのプロテクションとしても機能してくれることが期待できます。

2012年開幕ロースター
1. Ian Desmond SS (R)
2. Roger Bernadina CF (L)
3. Ryan Zimmerman 3B (R)
4. Prince Fielder 1B (L)
5. Michael Morse LF (R)
6. Jason Werth RF (R)
7. Danny Espinosa 2B (S)
8. Wilson Ramos C (R)
9. Jordan Zimmermann P

2013年開幕ロースター(空想)
1. Anthony Rendon 2B (R)
2. Danny Espinosa SS (S)
3. Ryan Zimmerman 3B (R)
4. Prince Fielder 1B (L)
5. Michael Morse LF (R)
6. Jason Werth CF (R)
7. Bryce Harper (L)
8. Wilson Ramos C (R)
9. Stephen Strasburg P

もちろん、あまりの高額契約は勘弁してください。7年1.5億ドルくらいで手を打ってもらえませんでしょうか・・・。