2009年5月13日水曜日

Prospect Watch (09年4月)

 もうすっかり5月も半ばとなってしまいましたが、ようやく書きあがりましたので載せておきます。

Minor League Player of the Month

Pitcher: Tyler Clippard

Hitter: Chris Marrero



 まずは注目選手から。今季はまず下記の12人をフィーチャーしていきたいと思います。

【Pitchers】
Ross Detwiler, LHP, Harrisburg (AA)
4G 0W2L 17.1IP 9BB 12K 4.15ERA 1.70WHIP
 防御率はそんなに悪くはありませんがこれは幸運な部分も多く、被安打、与四球は多く、奪三振は少ないという内容が続いており、不安ばかりが募っています・・・。

Collin Balester, RHP, Syracuse (AAA)
4G 1W2L 21.2IP 6BB 17K 4.98ERA 1.43WHIP
 スプリングトレーニングで結果を残せずAAAで開幕。あっさり支配してほしかったのですが、開幕から2試合続けて打ち込まれるなど結構苦しんでいます。続く2試合は好投しましたので、次第に調子を上げてきてくれると信じています。早くDaniel Cabreraに代わって昇格してほしいと切に願っています。

Jack McGeary, LHP, Hagerstown (A)
4G 0W1L 18.2IP 14BB 17K 5.79ERA 1.75WHIP
 開幕戦こそ6回途中まで3安打1四球7奪三振で自責点0と好投しましたが、その後はピリッとしません。昨季に比べて与四球が多いことが気になります。昨季は計63回2/3でわずか16四球でしたが、今季はなんと4月だけで14四球。被打率、奪三振率はほとんど変わっていませんので、これが結果に反映していると思われます。何かメカニックを変えたのでしょうか。心配な兆候です。

Josh Smoker, LHP 
(故障で出遅れ。おそらくVermontスタート)

Colton Willems, LHP 

(故障で出遅れましたが、5月になり、Potomac(A+)に合流しました。)


【Hitters】
Chris Marrero, 1B, Potomac (A+)
77AB 23H 3HR 13RBI 8BB 14K .299/.375/.494 1SB
 言うことありません。打率、出塁率、長打率、全ての数字が期待通りの水準です。三振も多くない。開幕前のプロスペクトランキングで、BPなんかは大きく評価を下げていましたが、それを見返す躍進です(私は昨季の故障前の様子と秋季練習の報道を基に期待を高めて1位にしていました)。昨季は怪我に泣きましたが、健康でさえあればこれくらいはできる、というところを見せています。とにかく故障しないで、着実にステップアップしていって下さい。

Michael Burgess, OF, Potomac (A+)
75AB 15H 5HR 18RBI 10BB 20K .200/.310/.440 5SB 
 打率の低さ、三振の多さは相変わらず気になりますが、5本塁打18打点はともにチームトップであるのみならず、リーグでも上位に顔を出します。遠くへ飛ばす才能は本物ということなんでしょうね。三振なんて気にせずに、どんどん打っていって欲しいと思います。また、5盗塁を記録しているのにはちょっと驚きましたが、元気のいいところを見せてくれてうれしいですね。

Danny Espinosa, SS, Potomac (A+)
66AB 22H 2HR 10RBI 16BB 17K .333/.476/.545 7SB
 08年のドラフト3順目。昨季はドラフト後の19試合ながら.328/.476/.359の好成績を残しA+での開幕を迎え、好調を維持しています。本塁打こそ少ないものの二塁打数はチームトップとギャップを抜く打撃はできます。また盗塁数チームトップというのも面白い。ショートの守備も高評価を受けており、トッププロスペクトになれる素材ではないかと感じさせてくれます。

Derek Norris, C, Hagerstown (A)
65AB 16H 3HR 10RBI 11BB 27K .246/.359/.462 1SB
 打率より1割以上高い出塁率。素晴らしい選球眼は健在です。また、3本塁打(チーム唯一の複数本塁打))に加えて5二塁打と長打力もなかなかのものを見せています。懸念材料は三振が異様に多いこと。ボール球を振っての三振なのか見逃し三振なのかは、残念ながら分かりません。後者であればあまり心配することはないかなとも思いますが。

Bill Rhinehart, 1B, Harrisburg (AA)
62AB 14H 3R 2HR 7RBI 4BB 13K .226/.269/.371 0SB
 個人的には注目していますが、一般的な評価は低い選手。そんな下馬評を覆す活躍を期待していたのですが、今季はここまで苦労しています。がんばれ!

Destin Hood, OF
(おそらくVermontスタート)

J.P. Ramirez, OF (おそらくVermontスタート)


【チームごとの注目選手】
 以下は、チーム毎に活躍が目立った選手を中心に紹介していきます。

Syracuse Chiefs (AAA)
 投手陣は、若いのががんばっています。なんと言っても目立つのは、今年からブルペンに転向したTyler Clippard(0.79/0.79)が11回1/3で16奪三振に対して2四球と素晴らしい成績。もう後がないという立場で奮起している様子が目に浮かびます。40人枠に入っているにも関わらずなかなか昇格のお呼びがかからず、崩壊しているナショナルズブルペンの最後の切り札とでもいうべき存在になりつつあります。Jay Bergmann(3.00/1.17)もしっかり成績を残しています。先発陣で目立つのは、4試合の先発全てで好投したCraig Stammen(2.35/0.91)。奪三振が11と少ないのが気になりますが、四球も4とさらに少ない。Marco Estrada(2.25/1.12)もなかなかの好スタートです。
 打線で目立ったのは、29歳のJorge Padilla(.378/.452/.432)と28歳のSeth Bynum(.333/.357/.692)といういわゆるAAAAプレーヤーたち。Bynumはショートというポジションでのこの成績は注目してもよいかもしれません(まぐれかもしれませんが)。期待の若手ではJustin Maxwell(.214/.313/.357)と低調。メジャーに行ったり来たりということもあったかもしれません。Luke Montz(.172/.314/.207)は不振でAAに降格となってしまいました。

Harrisburg Senators (AA)
 12連敗を含め4月のチーム成績が2勝16敗という悲惨なチームでしたから、当然個人成績も伸びていません。40人ロースターにも入っているIan Desmond遊撃手が7試合で.346/.433/.538という好スタートを切ったのですが、残念ながらhamate boneの除去手術のためにDL入り(大事ではない手術ですし、2か月程度で復帰できるとのことなので期待を持って待ちたいと思います)。
 打線で他に目立ったのは、04年7順目のMarvin Lowrance(.309/.356/.582)という微妙な選手くらいでした。昨季活躍したLeonard Davis(.239/.282/.403)は苦労しています。投手陣を見渡しても、ブルペンのZechry Zinicolaが6試合(6回2/3)で自責点1というのが目立つくらいで、先発、ブルペンともあまりぱっとしませんでした。

Potomac Nationals (A+)
 Marrero, Burgess, Espinosaのトッププロスペクトが3人に引っ張られて、本塁打数、盗塁数でリーグ8チームのトップとなっています(個々人でそこまで注目するほどの成績の選手はいません)。
 投手陣では08年ドラフト12順目入団で期待が高かったWilliam Atwood(11.65/1.94)が、どこか故障でもあるのではないかと思うほど最悪のスタートを切っていますが、Atwood以外のローテーション投手である07年5順目のBradley Meyers(2.00/1.00)、07年19順目のJeff Mandel(2.66/1.10)、06年ドラフト16順目のErik Arnesen(2.25/1.50)が好発進。特にMeyersの好投は目を引きます。もともと高評価のプロスペクトでしたが、ここに来て素材が開花しつつあるのかもしれません。今後も要注目です。08年ドラフトTom Milone(4.15/1.62)もローテーションに入っていましたが、5月になって合流してきたColton Willemsにひとまずその座を譲りました。いずれは先発に戻してもらえるでしょうから、めげずにがんばってください。

→5月11日にArnesenがHarrisburg(AA)に昇格。おそらくMiloneがローテーションに復帰すると思われます。

Hagerstown Suns (A)
 08年ドラフト組のうち大卒組は多くがここで開幕を迎えていますが、あまり成績は芳しくありません。打撃陣で目を引くのは、Norrisを除くと06年22順目の24歳とプロスペクトと呼ぶに微妙なRobert Jacobsen一塁手が好調(341/348/523)なくらいで、08年組みの野手は軒並み低調。
 投手陣でも、ローテーションに入っていて3試合まずまず投げていた08年8順目のRicardo Pecina(3.55/1.66)がDL入り。投げるほうでない腕を故障したとかなのであまり心配していませんが。先発陣で好投しているのは、06年41順目入団の21歳のBrad Peacock(2.45/1.23)と、ドミニカ生まれの20歳のMarcos Frias(3.68/1.09)。ブルペンでは、昨季ドミニカサマーリーグで支配的な投球を見せたOsvaldo Rodriguez(1.86/1.24)がここでも好投。といってももう24歳であり、早々に昇格させたいところです。

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