2010年12月16日木曜日

1960年のワールドシリーズ第7戦

 背景については李啓充先生のこちらのコラムを見ていただくとして、1960年のワールドシリーズ第7戦の実況中継の再放送を、当地15日夜8時からMLB Channelで見ました。ボックススコアはこちら

 壮絶なシーソーゲームとなった試合内容、最後のBill Mazeroskiのサヨナラ本塁打、なだれ込む観客といった当時の興奮もさることながら、Roger Maris(この年のア・リーグMVP、翌61年にベーブルースのシーズン本塁打記録を破ることになる)、Mickey Mantle(この年の本塁打王)、Yogi Berraというヤンキースのクリーンアップ、そして何といってもあのRoberto Clementeのありし日の姿を、これだけじっくりと観戦できたことに感動しました。Clementeが踏み込むときにあんなに開く打撃フォームだったなんて初めて知りました。

 もう1つ興味深かったのは、50年経っても野球ってほとんど変わらないんだあということ。出場チームがヤンキースとパイレーツだったためユニフォームが現在とほとんど変わらないことも影響していたかもしれませんが、投球フォーム、打撃フォーム、ほとんど変わっていません。Pujorsのようなどっしり構えて打つ打者というのは昔は少なかったのかと思っていましたが、Berraなんてまさにそんな感じでした。

 唯一大きく違うなと思ったのは、継投。ヤンキースが0-4とリードされた3回から投入したBobby Shantz。確かにこの日は試合の流れを引き戻すだけの快投でした。しかしこの年のレギュラーシーズンでは4イニングが最長(しかも1試合だけ)だったブルペン投手に3回も打席に立たせて6イニング目を任せたのには驚かされました。パイレーツにしても、ブルペンで最も頼りになるRoy Faceを6回無死から投入。ワールドシリーズ第7戦という場面を考えれば理解できなくもありませんが、それでも現在ではありえない起用法でしょう。

 テレビ実況は(技術的に)違いました。6回表のYogi Berraの逆転3ランがフェアかファールか、9回表の1死1,3塁からのBerraの1ゴロでMantleは本当にセーフだったのか(アウトならその瞬間にゲームセットでMazeroskiのサヨナラ本塁打はなかった)。リプレイ・スローモーションを期待した自分がいましたが(笑)、当然ながら当時はそんなものはありませんのでフィールドでの次のプレーに進んでしまいました。

 MLB Channelの番組構成も良かったと思います。3回、6回、8回終了のところで現在のスタジオに戻りましたが興冷めすることもなく、Mazeroskiは病気入院中のため欠席ながら、当時の選手、Clemente夫人を中心とするゲストとのトークも面白く、大いに楽しませてもらいました。(何よりCMが限りなく少なかったことに驚きました)

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