2008年2月29日金曜日

BP Nationals Top 11 Prospects

 Baseball Prospectusという、これも老舗のプロスペクト分析をしているところが、各球団のトップ・プロスペクト11人をFuture Shockというシリーズで公表しています。全30球団の最後に、待っていたナショナルズのリストが発表されました。

Five-Star Prospects
1 Chris Marrero 1B
2 Ross Detwiler LHP
Four-Star Prospects
3 Michael Burgess OF
Three-Star Prospects
4 Josh Smoker LHP
5 Justin Maxwell OF
6 Jake McGeary LHP
7 Collin Balester RHP
Two-Star Prospects
8 Jordan Zimmerman RHP
9 Jake Smolinski OF
10 Colton Willems RHP
11 Adam Carr RHP
 次点Esmailyn Gonzalez, SS; John Lannan, LHP; Shairon Martis, RHP。

 BAに比べると、バーゲスを高く、バレスターを低く評価しているのに気が付きます。

 マイケル・バーゲス(Michael Burgess)は、07年のサンドイッチピックでドラフトされた高卒の19歳。昨シーズンは契約後に所属したルーキーリーグとA-の合計で、AVE.318/OBS.421/SLG.561という申し分のない成績を残しています(足は速くないようですが)。三振が多いなどまだまだ改善すべき点も多く、どこまで伸びるかまだ全然分かりませんが、潜在能力でこの位置におかれているようです。

 対するBAで3位だったコリン・バレスター(Collin Balester)は既にAAAまで実績を積み上げています。こちらは潜在能力よりも、かなり確実にMLBに上がってそこそこの成績を残しそうだということで上位に入ったと思われます。

 このあたり、プロスペクトを評価する難しさ、基準の多様さを感じます。

080228 (ST) Georgetown Univ.

 ワシントンD.C.にキャンパスがあるという縁で、ジョージタウン大学との練習試合が行われました。スプリング・トレーニング・ゲームに入る前に縁のある大学チームと練習試合をする球団がいくつかあります。地域密着という観点からいい企画なので、伝統行事になっていけばいいのになと思います。

 さて、試合から。さすがに実力が違い過ぎるため、個人成績も額面通り受け取れるものかどうかは微妙なところですが、16-0というスコアに表れたように、きっちり結果は出しています。

 ジマーマン、カーンズ、ドミトリー・ヤング、ベリヤードといった主力が1打席で退く中、ルール5ドラフト組のギャレット・グズマンとマシュー・ホイットニーは、ともに3打数2安打し、強烈にアピールしました。ホイットニーは3打点を上げる活躍。また、キャッチャーのフローレスも2打数1安打1四球と結果を残しました。

 投手陣も、先発3番手が期待される左腕のバーグマン、最年少キャンプ参加者のスモーカー、先発枠を争うバレスター、かつてのトップ・プロスペクトながら左の中継ぎとしてメジャー昇格を目指すMike Hinckley がそれぞれ2回を0封。ベイルスターは6アウトうち5つを三振で奪いましたが、少し荒れ気味で2四球を与えたことが反省点です。

 ジョシュ・スモーカー(Josh Smoker)は、07年のサンドイッチピック(FA補償として1順目の後で2順目の前に与えられるピック)でドラフトされた高卒の19歳。どんなレベルの低いリーグで投げていたのかは知りませんが、90マイルを超えるストレートとキレのあるカーブを投げる左腕で、高3時には73回で158奪三振(1イニングのアウト3つのうち少なくとも2つは三振という計算!)というとてつもない記録を残しています。今シーズンはAで投げる予定とされており、メジャーにはまだまだ早いのですが、将来は柱の1人へ成長できる素材として期待は大きく、経験を積ませるためにスプリング・トレーニングに呼ばれています。次回登板ではメジャーリーガーを相手に投げることになるでしょう。楽しみにしたいと思います。

2008年2月28日木曜日

080227 (ST) Marlins

 スプリング・トレーニング(ST)ゲームが始まりました。

 試合前に一番注目を集めていたのは、06年9月以来の実戦となるニック・ジョンソン。いきなり(しかも初球を)スコット・オルセン(Scott Olsen)投手からぶつけられ、第2打席はセンターフライでしたが、試合後の発言を聞く限り、満足なプレーができたようです。まずは、よかったよかった。
 
 パフォーマンスでこの試合で一番目立ったのはラスティングス・ミレッジでした。3打数2安打(1二塁打)2得点2盗塁1エラー。ナッツのユニフォームを着ての初めての試合。上出来でしょう。ミレッジとともに外野で先発したウィリー・モーと(こちらもナッツ・デビューの)デュークスもそれぞれ2打数1安打(ともに二塁打)。3人そろって、勢いに乗って行けそうなスタートを切りました。

 投手陣では、先発の座を狙うマット・チコとギャレット・モックがともに2回を自責点0(モックは、ミレッジのエラーで1失点しましたが)の2奪三振と結果をみれば好投。ただし、チコは32球のうち16球しかストライクが投げられなかったことで課題を残しました。また、ブルペンのクリス・シュローダーが1回を3者三振と最高のスタートを切りました。結果は3対3で引き分け。

 一方Vieraでは、パターソンがシートバッティングに登板。問題なく投げられたようで、土曜日のオリオールズ戦に登板予定です。少し心配なのはショーン・ヒル。前日に投げましたが、右腕に痛み(張り?)を感じるようです。本人は、毎春のことだからと言っていますが、チームは心配しており、あと1週間くらいは2日おきの打撃練習での投球だけにとどめるようです。

BA Nationals Top 30 Prospects

 BAからは既にナショナルズのトップ30が公表されていたので、載せておきます。この選手たちがどう育っていくか、見守っていきたいと思います。

1. Chris Marrero 1B/OF
2. Ross Detwiler LHP ☆
3. Collin Balester RHP ★
4. Michael Burgess OF 
5. Jack McGeary LHP
6. Josh Smoker LHP ★
7. Jordan Zimmermann RHP
8. Justin Maxwell OF ☆
9. Colton Willems RHP
10. John Lannan LHP ☆
11. Jake Smolinski OF
12. Tyler Clippard RHP ☆
13. Adam Carr RHP
14. Ian Desmond SS
15. Garrett Mock RHP ☆
16. Stephen King SS
17. Esmailyn Gonzalez SS
18. Shairon Martis RHP
19. Brad Peacock RHP
20. Kory Casto OF/3B ☆
21. Matt Whitney 1B ☆
22. Derek Norris C
23. Mike Daniel OF
24. Steven Englund OF
25. Jhonny Nunez RHP
26. Hassan Pena RHP
27. Martin Beno RHP
28. Zech Zinicola RHP
29. Roger Bernadina OF ☆
30. PJ Dean RHP
 ☆は40人ロースター、★はノンロースターながらメジャーのスプリング・トレーニングに招待されている選手です。

2008年2月27日水曜日

3 Nats in BA Top 100 Prospects

 メッツのデビッド・ライトが(大学生相手とはいえ)いきなりホームランを放ったというニュースがありましたが、いよいよオープン戦がはじまりましたね。ナッツの初戦は今日のマーリンズ戦です。ワクワクします。

 さて、Baseball AmericaのTop 100 Prospectsが発表されました。2月4日のブログで紹介した通り、ナショナルズのマイナー組織はBAにはそこそこ高評価されています。

 今回のランキングには、3人の選手が入りました。
27 Chris Marrero 1B/OF
51 Ross Detwiler LHP
86 Collin Balester RHP
 30球団でのトップ100ですから、3人は入って当然というところですが、昨年は、バレスター(95位)1人でしたから、大躍進です。

 ちなみに、全体のトップ10は以下の通り。
1 Jay Bruce OF (CIN)
2 Evan Longoria 3B (TB)
3 Joba Chamberlain RHP (NYY)
4 Clay Buchholz RHP (BOS)
5 Colby Rasmus OF (STL)
6 Cameron Maybin OF (FLA)
7 Clayton Kershaw (LAD)
8 Franklin Morales LHP (COL)
9 Homer Bailey RHP (CIN)
10 David Price LHP (TB)
 さすがに名のある選手がそろっていますね。というかこの選手たちをプロスペクトと呼んでいいのものかどうか。むしろ08年シーズンの新人王候補と呼ぶべきでは。バックホルツなんて、ノーヒッターまで達成しています。モラレスはワールドシリーズでも投げました(レッドソックス打線にめった打ちされましたが・・・)。

 レッズとレイズから2人ずつ。低迷が続く両球団ですが、未来は明るいようですね(まあ、レイズは同地区にレッドソックス、ヤンキースがいますから、まずは3位に上がることが目標ですね)。

2008年2月26日火曜日

ジマーマンとの契約延長に向けて 3


 そもそもボーデンGMは、どういう意図であのようなコメントを発したのかを考えてみました。交渉の経過を、それもどのような提案をしたかまで含めて公表するのは、極めて異例のことだと思います。私の推測は、これまでの交渉経過が芳しくなく、このままではチームが望むような長期契約は難しいと考え、外野の声に期待するという作戦に出たということかな、です。あるいは、そうするしかなくなったか。
ここ数日の報道を見ると、チームの顔であるジマーマンには無理してでも長期契約を結ぶべき、という記事もありますが、(球団側の思惑通り?)ジマーマン側の要求は現実的ではなく、球団としては精一杯の誠意は示していると見る論調が多いようです。

 これでジマーマン側が折れてくるかもしれませんが、一方で、ジマーマンとの関係を悪くするおそれもあります。もちろん、長期契約がならなくても、ジマーマンがパフォーマンスを落とす理由は何もありません。むしろ成績を残さなければ給料が上がらない状況なので、少なくとも個人成績のためには全力を尽くすでしょう。しかし、ジマーマンに期待するのはそんな個人的なことではなく、ナショナルズの顔として、チームを引っ張ることです。そういう点では、やや心配な動きです。

 契約延長交渉が進展していないことについて聞かれた、ジマーマン自身のコメントです。

 I really don't have any feelings. Like I told you guys before, it's a good relationship that I have here [Nationals]...I'm just happy to be here and I look forward to playing here for a long time. It's not like I've been ignored.
 I've told them [Nationals management] I don't want to go anywhere. There are no hard feelings. It is healthy to talk about it. To be honest with you, I don't deal with it that much.

 ひとまず、ナショナルズとは良好な関係を築いており、長くナショナルズにいたいと語っています。ファンとしては素直に信じたい気もしますが、このくらいは所属している球団に対しては、当然の発言ともいえます。他方で、こんなコメントも。

 We'll see what happens. If it happens, it might happen. If it doesn't, that's fine. If I keep playing well, I'm going to make money. I'm very comfortable with where I am now, and there's no rush.

 うーん。このコメントからは、是非ともナショナルズと長期契約したいという強い気持ちは感じません。マイナーもほとんど経験せずにメジャーに昇格し、挫折を知らないジマーマンらしいコメントです。この辺りが弱小球団の悲哀なのかなあと、少し寂しく感じたりします。

 ファンとしては、ジマーマンには1年でも長くナショナルズのユニフォームを着て欲しいと願います。しかし、球団のペイロールが決して大きくない(07年は28位)中で、チーム全体を強化するためには、あまり1人の選手に大金をコミットすることにも賛成できないので、ライトほどの契約は結ぶべきではないと思います。でも、チームの「顔」としての活躍が期待されているんだから、ボーデンGMが言及していた契約の水準よりは少し高くてもいいじゃないか、とも思います。

 私がGMになったつもりで大胆に提示するとすれば、例えば、6年4000万ドル(09年100万ドル、10年450万ドル、11年550万ドル、12年700万ドル、13年1000万ドル、14年1200万ドル)+オプション2年2700万ドルってところでどうでしょうか。ダメかなあ。有識者の方の見方があれば、是非、コメントお願いします。

 また、情報があれば、アップデートしていきます。

ジマーマンとの契約延長に向けて 2


 ジマーマンとの契約延長に関連して、ボーデンGMが言及していたという最近の契約は、以下の通りです。

トロイ・トロウィツスキー(Troy Tulowitzki )遊撃手(COL):6年3100万ドル(FA前5年、後1年)+球団側オプション1年1500万ドル。
ロビンソン・カノー(Robinson Cano)二塁手(NYY):4年3000万ドル(FA前3年、後1年)+球団側オプション2年2900万ドル。
ブライアン・マッカン(Brian McCann)捕手(ATL):6年2680万ドル(FA前4年、後2年)+球団側オプション1年1200万ドル。
グレイディ・サイズモア(Grady Sizemore)外野手(CLE):6年2345万ドル(FA前5年、後1年)+球団側オプション1年850万ドル。

 ここから勝手に推測すると、ジマーマン側に提示された数字は、5~6年契約で総額3000万~3500万ドル+オプション1~2年といったところでしょうか。これとはほど遠いとすると、ジマーマン側はどういった契約を望んでいるのでしょうか。ベースにしているのではないかと考えられるのがこの契約です。

デイビッド・ライト(David Wright)三塁手(NYM):6年5500万ドル(FA前4年、後2年)+球団側オプション1年1600万ドル。

 この契約については、結ばれた当時(06年8月)のこともまだよく覚えていますが、随分と無茶な契約するなあという感想を持ちました。一般的な評価もそんな感じだったと思います。しかし、07年のライトは、メッツがプレーオフに駒を進めてさえいればMVPだったと言われるほどの大活躍で、今やあの契約は成功だったという評もあります(まだ契約は5年も残っているので、ケガをしない保障はありませんが)。両者には、同じナショナルリーグ東部地区、同じ三塁手という共通点があります。またこの契約を結んだ当時のライトの年齢は今のジマーマンと同じ23歳でした。そして、トロウィツスキーなどボーデンGMが挙げた選手たちとは異なり、ライトとジマーマンは、チームの単なる主力選手というにとどまらず、まさに「顔」であるという重要な共通点があります。

 とすると、ジマーマンがライト並みの活躍ができるかどうか、が最大のポイントになりますが、この点になるとジマーマンがかなり見劣りすることは否めません。守備力についてはジマーマンが上回ると言われていますが、打撃成績を見ると、打者に不利なRFKスタジアムが本拠だったことなどを差し引いても、各部門ともライトを下回ると思われます。また、ライトがこの契約を得たのは、オールスターに先発出場した直後でした(07年も同じく先発出場)。ジマーマンは、まだオールスターに出場したことがありません。こうして見ると、ジマーマンがライトと同じような契約を勝ち取ろうというのは、少し無理があるように思えます。

ジマーマンとの契約延長に向けて 1


 まず、キャンプ情報から。シートバッティングに登板した、バレスターとデトワイラーの両ルーキー投手がレギュラークラスの打者を相手にかなりの好投を披露したようです。オープン戦に向け、楽しみが増えました。

 さて、表記、ライアン・ジマーマン(Ryan Zimmerman)三塁手との契約延長に向けた交渉の件、長文になったため、3分割しました。

 ここ数日、この話で盛り上がっています。もともと長期契約について交渉しているのではないかという情報はありました。22日金曜日にジマーマンの代理人ブローディ・ヴァン・ワグネン(Brodie Van Wagenen)とフロントとの間で交渉が行われ、ワグネン代理人が、おそらく今年は単純に契約が更新されるだろうと発言したのが発端でした。その後、ボーデンGMが異例のコメントを出したために憶測を呼んでいます。そのボーデンGMのコメントの一部から。まだまだ合意には遠いようです。

 At this point, we're not close. If Ryan [Zimmerman] is willing to sign a contract that is similar to what all the other good young players are signing for. We're not going to set all new markets with him.

 まずジマーマンの契約関係について確認しておきます。これまでのメジャー実働が2年なので、今年はまだ年俸調停の資格もありません。したがって、球団としては、メジャー最低年俸(今年は42万ドル)で再契約することができます。(フルシーズン活躍するとすれば)08年終了後から、3年に渡り年俸調停の資格を得、2011年シーズン終了後にFAとなります。ですから、球団としては何も長期契約を結ばなくても、11年シーズンまではジマーマンを保有できます。
 
 ただ、最近は、FAまでまだかなり年数のある若手選手と長期契約を結ぶことが多々あります。今オフだけでも、トロウィツスキー(ロッキーズ)、キンスラー(レンジャーズ)、フィリップス(レッズ)など枚挙に暇がありません。これは、このまま活躍・成長した場合と比べて、つまり年俸調停にからむプロセスによる契約よりも、安い年俸総額で保有したいチーム側と、長期的な安定を得られる選手側との双方の利益に合致しているために成立する契約です。(ですから、ケガによる離脱のリスクが高い投手についてこのような契約が結ばれることはあまりありません。)多くの場合こういう契約の対象になるような選手は、将来のチームの主力選手と期待されているので、FA年に1~2年程度かぶる長期契約を固め、かつ球団側がもう1~2年のオプションを持つ形が多いようです。
さて、ジマーマンに戻りますが、双方とも長期契約に関心を持ち交渉に臨んでいるのは確かなようです。ただ、条件面で折り合っていない模様です。
 
 球団側は、冒頭のボーデンGMのコメントにもあるように、若手選手と結ばれた最近の長期契約と同じようなものであれば、いつでも結ぶ用意があるとして、既に複数の提案を行ったとのことです。
 
 対する、ワグネン代理人のコメント。

 At this time, it's not in [Zimmerman's] best interests to consider a contract in the range that they're talking about. I'm not calling either side right or wrong. There are just a different viewpoints.

 具体的に、どのような違いがあるのかは分かりませんが、球団側の提案とはかなり隔たりのあるより大きな契約を求めているようです。

2008年2月25日月曜日

順調なキャンプ序盤

 ここ3日ほどのキャンプ情報から。新たなケガ人もなく、順調にキャンプが進んでいます。当初期待した以上に、先発ローテーション、二遊間、一塁では、良い方向で競争が激しくなっています。

 投手陣は、シートバッティングでの投球が始まりました。最初に登板したヒルは、変化球のコントロールに問題があったことを反省していますが、直球は走っていたようです。パターソンもかなり良い球を投げていたとのこと。何より、ヒル、パターソンとも痛みもなく順調に投げ込めているのが朗報です。オダリス・ペレスがキャンプに合流しました。昨年より22ポンド(約10キロ)減量し、体のキレが良いと語っています。投げてみないと分かりませんが、期待してみたいと思います。はっきりとした出遅れは、右肩の手術を受けたライアン・ワグナーが開幕には間に合わないことくらいです。ちなみに、前川勝彦はビザの問題でまだ合流できていません。
 
 水曜日のマーリンズとの最初のオープン戦の先発はチコのようです。ペレス(左腕)の加入で、昨季活躍したとはいえ先発ローテ入りは微妙と噂されています。いいところを見せたいものです。

 続いて野手陣。まずキャッチャーですが、ロデューカのみならずエストラーダもオープン戦の初戦にケガからの回復が間に合わないとのことです。どちらも開幕には十分間に合うとのことですが、少し心配です。まずは、フローレスがマスクをかぶることになりそうです。ビザ問題でようやく日曜日に合流。マイナースタートが噂されていますが、本人は開幕メジャーを目指す意気込みを語っていました。そういうつもりなら、ベテラン2人の出遅れはチャンスですね。

 ミレッジ、デュークス、ウィリー・モーの打撃練習は、3人がパワーを見せつけ、強いインパクトを残したようです。特にデュークスはバリー・ラーキンに指導を受けながら練習しているとのこと。コメントを見ていると、メンタル部分でも安定しているようで安心しました。ウィリー・モーは特に守備に力を入れているようです。ラインドライブ、右方向を意識しての打撃練習も続けているようです。ただ振り回すだけのパワーヒッターからの脱皮を図ろうという意識はとても好印象です。

 ブレット・ブーンが予定より早くメジャー・キャンプに合流しました。マイナー選手と鍛えてからという予定でしたが、思ったよりも体も絞れているということで、合流。マイナーではプレーしない、二塁以外は守らない、との限定を付けての挑戦なので、現実味は乏しいですが、頑張っています。ニック・ジョンソンの仕上がりは上々の様子。まだスライディングだけは試していないそうですが、他の動きは問題なし。水曜日のマーリンズとのオープン戦初戦にさっそく出場する方向です。

2008年2月22日金曜日

Attitude

 全体練習初日。まずは、全員を集めてのアクタ監督からの言葉で始まりました。メッセージはシンプルです。

 I play to win. I'm going to try to win the division. That's what I'm here for. It's about attitude.

 地区優勝を目指して勝ちにいくんだという姿勢を見せよう、ということですね。気持ちが入っている、いい挨拶だと思います。また、妙に具体的な目標も示されました。

・ チームエラーを109(メジャーで6番目に多かった)から90以下まで減らす。
・ 出塁率(.325で24位)を高める。
・ 走塁に伴うアウトの数を減らす。(ベースランニングを鍛えるということか)

 ロス・デトワイラーについて、ブルペン投手としてメジャーで開幕を迎えさえるという案があるみたいです。どうかなあ。もう1年、少なくとも今年の夏過ぎまでは、高いレベルのマイナーで先発投手として育成した方が、確実にエースに成長してもらうためにはいいのではないかという気がしています。ブルペンで投げるにしても、「ロス・ルール」か何か設けて、登板過多にならないように気をつけてもらいたいものです。

2008年2月21日木曜日

Elijah Dukesの記者会見


 野手陣の集合日。これで、ビザ問題の選手以外はだいたいそろったようです。集合日には遅れてくるのではないかという情報もあったイライジャ・デュークス(Elijah Dukes)も予定通り到着し、記者会見が開かれました。スプリングトレーニングの初日にわざわざ記者会見が開かれるところが、デュークスへの関心(期待半分、面白半分でしょうが)の高さを示しています。

 今オフにタンパベイとのトレードで獲得した外野の控えの筆頭候補。ベースボールに関する潜在能力は文句なし。パワーがあって、選球眼がよく出塁率が高い。足もかなり速い。センターを中心に外野守備もよい、いわゆるファイブ・ツール・プレーヤと評価されています。07年シーズンは、開幕戦に8番センターで先発、第2打席にはマイク・ムシーナ(Mike Mussina)から初本塁打という派手なメジャーデビューを飾りました。4月、5月と基本的に先発出場し、打率は.190と苦労していたものの、184打数で10本塁打とパワーのあるところを見せていました。しかし、5月に家族とのトラブルが持ち上がり、6月19日の代打を最後に出場はなくなりました。

 放出したグレン・ギブソン(Glen Gibson)は高卒2年目。Aでは好投していましたが、まだまだ発展途上でどうなるかは分からない。普通なら、かなりナッツに有利と評価されて然るべきトレードでしたが、一般には賭に出たトレードと評価されています。その理由は、素行に問題があり、そもそもフィールドに立てるかどうか(立たせるべきかどうか)という点で先が見えないとことにあります。グラウンド上でも、審判やチームメイト、あるいは首脳陣といざこざを起こし出場停止処分を受けたことは何度もあります。グラウンド外では更にひどく、暴行・脅迫、公務執行妨害などで何度も逮捕されていますし、マリファナ使用歴もあります。さらに03年から06年の間に4人の女性との間に5人の子どもを作っているとのこと・・・。レイズとしては、もはや手に負えないと判断したんでしょう。

 ナショナルズは、トレードで獲得して以来、デュークスを更生させ、潜在能力を発揮させるために、全力で支援体制を整えています。ラリー・バーキンGM特別補佐やアクタ監督が話をする機会を設けたり、同じように過去に家庭内暴力で訴えられたこともありナッツに来て復活を果たしたドミトリー・ヤングをグラウンド上でのメンターに指名したりしました。更に、GMの「選手懸案事項担当特別補佐(special assistant/player concerns) 」という肩書きで雇ったジェイムズ・ウィリアムズという心理カウンセラーが毎日セッションを続けているとのことです。

 で、その記者会見。一部ですがビデオで見ました。金のイヤリングに髑髏がらのTシャツという出で立ちはともかくとして、いい雰囲気の記者会見だったように思います。まず、ナショナルズのこうした支援体制に対しての感謝を表しており、特に毎日カウンセリングを受けているウィリアムズについては、厳しく真正面から向き合ってくれて父親のように感じていると語っています(実父は殺人で刑務所に・・・)。過去の出来事については自分の未熟さゆえと認めており、「周囲の声を聞くことができなかった。悪いことをしたと認めることが必要だった。自分1人で生きているつもりだった。」と話しました。そして、これからは、期待してくれている多くの人々がいることを意識しながら、全力でプレーするとの決意を語っています。

I finally found that breakthrough, and from now on everybody gets a chance to see the real Elijah Dukes.

 そうあって欲しいものです。ただ、言葉はしょせん言葉です。本当に変わることができるのかどうか、今後の行動を見守りたいと思います。

2008年2月20日水曜日

Odalis Perezとマイナー契約

 オダリス・ペレス(Odalis Perez)とマイナー契約を結びました。メジャーに残れば85万ドルプラス先発数に基づくインセンティブ。リスクはほとんどなく、いい契約だと思います。

 昨シーズンはロイヤルズで8月半ばまでに8勝(ただし防御率は5.57)を上げましたが、膝を痛めてそのままシーズン終了。オフにFAとなりましたがマイナー契約しか話がなく、レッドソックスからもオファーはあったものの、ローテ入りのチャンスが大きそうなナショナルズに落ち着いたようです。(ナッツのチーム最多勝も中継ぎのラウチの8勝でした)

 左腕からの90マイル台前半の速球といいカーブが持ち味で、かなり三振が取れる投手でした。もっとも輝いたのはドジャーズにいた02年。防御率3.00で野茂の16勝に次ぐ15勝を上げ、オールスターにも出場しました。最近は奪三振率が低下傾向し、防御率も上昇。まだ30歳ですが、デビューが早かったので衰えはじめたと見る向きが多いようです。

 先発ローテーションの枠を争うことになります。ケガは癒えているようですし、スプリング・トレーニングで結果を残して先発4番手辺りとなってくれるのがベストシナリオ。少なくとも、スプリング・トレーニングでの競争が激化し層が厚くなるのはよいことです。先発ローテーション候補に挙がっているのは、ほとんど経験のない若手ばかりなので、1枚くらいベテランがいてくれるといいな、とは思っていましたので、ペレスはまだベテランと呼ぶには早いものの経験は豊富なので、そういった面で投手陣に好影響を与えてくれることも期待します。

Spring Training Outlook 9/最終回 (RF)

 いよいよ、野手陣もキャンプ地に集合し、全体練習が始まります。スプリング・トレーニングが始まる前にざっとチームを紹介してきたこのシリーズも最終回です。

 外野の3ポジションのうち、唯一07年の開幕と変わらないのがライトのオースティン・カーンズ(Austin Kearns)。レッズ時代から主軸打者になると期待されてきましたが、長打力が伸びず、未完の大器と言われたまま、なかなか大成しません。ライトの守備は全く安心して見ていられる、非常に高い水準。常にディープなカウントまでボールを見ていき、三振もやや多いもの、打率を1割近く上回る出塁率を誇る好打者です。ただ、やはりカーンズに期待されるのは長打力。今年は本拠地も変わるので大いに期待したいところ。

 控えは、外野共通で、イライジャ・デュークス(Elijah Dukes)は当確として、残り1枠を、内野も守れ足も速いウィリー・ハリス(Willie Harris)、守備固め要員のライアン・ランガーハンス(Ryan Langerhans)、どこでも守れるという意味で便利なロブ・マコヴィアク(Rob Mackowiak)、ツインズからルール5ドラフトで取ったギャレット・グズマン(Garrett Guzman)が争います。ペーニャの守備固めは是非とも必要ですから、守備が上手いハリスやランガーハウスということになるのかなあ。なお、4人とも左なので、これは決め手になりません。

2008年2月19日火曜日

Spring Training Outlook 8 (LF)

 昨シーズンのレギュラーだったライアン・チャーチ(Ryan Church)を、ミレッジとのトレードでメッツに放出してしまいました。今シーズンは、順調に推移すればウィリー・モー・ペーニャ(Wily Mo Pena)がレフトのレギュラーとして開幕を迎えることが期待されています。

 レギュラーとして1年間過ごしたことはないペーニャですが、レギュラーとして使えると判断したからこそ、チャーチの放出に踏み切りました。昨年8月に、AAAのクリス・カーター(Chris Carter)一塁手との交換でレッドソックスから獲得。レッドソックスでは打率.218と苦しみ、三振も多く大型扇風機呼ばわりされていましたが、8月にナショナルズに移ってきて先発出場の機会与えられてからは大変身。133打数で8本塁打、22打点、打率.293、OBS.352、SLG.504と十分な成績を残しました。レッズ時代の04年にはわずか336打数で26発放ったこともあり、パワーは文句なし。問題は変化球打ちと選球眼。成長できれば、4番や5番を打ってジマーマンへのマークを軽くすることもできる素材です。このオフの間に右打ちの練習をしたとのことですから、成果を期待しましょう。派手にブレイクする可能性もあります。守備範囲、グラブさばきとも、お世辞にも上手いとは言えません。レフトならなんとかなるかな、というレベル。できれば守備がいい選手をバックアップとしておいておきたいところ。

開幕投手は未定

 キャンプ2日目。今のところ、いいニュースばかりです(笑)。

 ジョン・パターソンがブルペンで投げました。変化球のコントロールは今ひとつだったようですが、故障の影響は感じさせなかったようで、安心しました。
記念すべき新球場"Nationals Park"での第一球を投げることになる開幕投手はまだ決まっていません。昨日のインタビューで質問を受けたアクタ監督も、決めるには時期尚早と語っています。パターソンとヒルの争いになると思いますが、とにかく2人ともケガを再発することなく、いい競争ができることが第一です。個人的には、05年の快投の印象が強く残っているパターソンのほうが、エースとして記念すべきマウンドに立つ栄誉にふさわしいと思っていますが、さてさて、どうなるでしょうか。これも、スプリングトレーニングの注目の1つです。

 ニュースを1つ(詳述はしません)。06年のスプリングトレーニング中に引退していた、ブレット・ブーン(Bret Boone)とマイナー契約しました。

2008年2月18日月曜日

Space Coast Stadium


 いよいよスプリングトレーニングが始まりました。

 ナショナルズのキャンプ地は、フロリダ州ビエラ(Viera, FL)にあるSpace Coast Stadiumです。フロリダ半島の大西洋に面した東側にあります。2月18日の最高気温は27度との予想。うらやましい限りです。メジャーの各球団は、フロリダとアリゾナに集まってキャンプを張っていて、それぞれグレープフルーツ・リーグとカクタス・リーグに分かれてオープン戦を戦います。チケットも当然安いし、サインをもらえる機会も多いみたいです。いつかは行ってみたいものです。

 さて、そのキャンプでは、投手陣は日曜日から練習を開始しており、初日は、ショーン・ヒルとトップ・プロスペクトのロス・デトワイラー、ギャレット・モックなどが投球練習を披露しました。ヒルは、10月に左肩(ヒルは右投げ)の手術を受けましたが、問題なく投球練習をしているようです。デトワイラーは制球力をつけるためにフォームを少し改造したとのことです。

 野手陣の集合日はまだ先ですが、早くも何人かは練習をしているようです。ニック・ジョンソンは打撃・守備練習を積極的にこなし、ボーデンGMをして「驚異的だ(phenomenal)」と言わしめています。また、日曜日にはロペスが到着して、早速練習を始めたとのことで、調停に至った(しかも負けた)影響は感じさせていません。ジマーマンも到着し、現在はGM特別補佐のラリー・バーキン(Barry Larkin)(19年間レッズの顔として活躍したショートストップ)と早速体を動かしました。ラーキンからはリーダーシップについても学んでいるそうです。そのジマーマンの発言から。

 We are tired of losing. We are good enough to win. We were scared before, but we know we can win. We have a little quiet confidence about us. That's how it's going to be this year. Competing isn't good enough. We want to win and we want to win now.

 頼もしい。このまま長くチームのリーダーとなってくれることを願わずにはいられません。

 遅れが心配されるのは、ビザ発給が送れている選手(中南米系の一部の選手と前川)と、ケガの状態がよく分からないロデューカですね。(ロデューカの件を含め薬物問題は、出場停止に至らない限り、パスします。

2008年2月17日日曜日

Spring Training Outlook 7 (CF)

 今日から外野手編。まずはセンターから。静かだった今オフのナショナルズの動きの中で、最も注目を集めたのは、どちらも若いセンターを獲得した2件のトレードでした。

 まず、昨シーズンのレギュラーだったシュナイダーとライアン・チャーチを放出し、メッツからラスティングス・ミレッジ(Lastings Milledge)を獲得。更に数日後、今度は家族とのトラブルでレイズの40人ロースターから外されていたイライジャ・デュークス(Elijah Dukes)をA+で好投していたグレン・ギブソン(Glen Gibson)投手との交換で獲得しました。2人ともそれぞれの球団のトップ・プロスペクトと評された潜在能力が極めて高い選手であることに異論はほとんどありません。しかし、グラウンドの内外でトラブルを起こすなど精神的に未成熟と言われています。ナッツとしてはある種の賭に出たトレードです。アクタ監督と、自身もかつていろいろあったデルモン・ヤングが、彼らのメンター役を引き受けるようです。

 ミレッジには、センターをしっかりこなして1,2番を打てる打者に成長することを期待します。今季の開幕は、まだ2番か下位を打つと思われますが、マイナーで見せていた出塁率と足がメジャーでも見せられるか。パワーもまだこれから伸びる素材と言われています。

 デュークスは、レイズではセンターを主に守っていましたが、どちらかというと両翼タイプ。将来は、パワーを備え中軸を打てるようになると期待しますが、今年は、しっかり野球に集中すること、1年通じてメジャーのベンチにいることが、まずは課題でしょう。できれば3ポジションの控えとしてチャンスをうかがって欲しいものですが。

 この2人、特にミレッジが、期待どおりに伸びるかどうかが、今シーズンのナッツの浮沈にかかっていると言えるでしょう。新天地に移り、気分も新たに存分に能力を発揮することを期待しています。

アクタ監督の第一声

 マニー・アクタ監督のキャンプ第一声から。

 We are starting 0-0 on Opening Day. I'm not going to pick another team to win. I'm here to win, until I lose.

 そうそう、そのくらいの気持ちで戦ってくれなくちゃ。昨シーズン終盤、最後の13試合を優勝を争っていたメッツとフィリーズを相手に7勝6敗と勝ち越したことが自信につながっているようです。"until I lose"という留保をつけてしまうところは正直ですが。

2008年2月16日土曜日

これでOptimism?

 キャンプ初日に際しての、ジム・ボーデンGMの発言から。 まず、今シーズンの見通しについて。

 I think we are ready to win more than we lose. Of course, that takes a lot of young players to step up, too. But I think they are capable of doing that.

 5割超え宣言。この発言を引いたオフィシャルサイトの記事のタイトルは"Optimism"です。これで、楽観的、とは・・・。キャンプ初日ですから、もっと大それた夢を語ってもいいのに、と思います。ま、過去3シーズン負け越している再建中のチームですから、これが正直なところなんでしょうね。スプリングトレーニングが終わるところでまた考えますが、5割は最低ライン。9月末までプレーオフ進出をかけて争っていてほしいです。

 ヤングとジョンソンの1B争いについて。

 They are both everyday players. If they are both healthy, it may be possible that one has to be moved to make that work. It doesn't mean that we are going to.

 うーん、トレードの可能性を否定してませんね。

2008年2月15日金曜日

Spring Training Outlook 6 (3B)

 2月15日がバッテリー陣の集合日。といっても、既に練習をしている選手はしているし、到着しただけの投手もいて、特に大きなことがあるわけではないようです。土曜日に身体検査をして、日曜日にいよいよ全体練習という予定です。そこでようやく練習風景なんかも見えてきて、スプリング・トレーニングらしい記事がかけるようになるでしょうか。

 そんなわけで、今日もポジションごとのOutlookの続きを。今日は3B。

 ナショナルズの数少ないスター選手、ライアン・ジマーマン(Ryan Zimmerman)が不動のレギュラー。07年はDHで出場した1試合を除き161試合で先発しました。

 05年6月のドラフト1順目全体4位(ちなみに2位がアレックス・ゴードン(Alex Gordon)(KC)、5位がライアン・ブラウン(Ryan Braun)(MIL)と三塁手豊作のドラフトでした)で指名されると、マイナーの67試合で11本塁打、打率.336を残し早速9月にはメジャーデビューを果たし、20試合で.397。あっさりと04年の打点王ヴィニー・カスティーヤ(Vinny Castilla)からレギュラーの座を奪い、06年は20本塁打110打点を記録し、新人王投票でもハンリー・ラミレス(Hanley Ramirez)(FLA)にわずかの差で敗れはしたものの2位に入りました。07年シーズンは、打率を含め、全体に成績を下げはしたものの、厚みのない打線で孤軍奮闘しつつ24本塁打は立派です。というか、全試合に出場し、打席数、安打、二塁打、本塁打、得点、打点とほとんどのカテゴリーでチーム最高の成績を記録したのですから、まさにチームの支柱。

 大学時代から、守備は好守・強肩で非常に高く評価され(ゴールドグラブ賞を早くとって欲しい)、常に高打率を誇ってきました。次第にパワーも付いてきています。何といっても、まだ23歳。今年もキャリアハイの更新が期待されます。どこまで伸びるでしょうか。

 ファンとしては、長期契約を結び、ナショナルズの看板を長く背負ってくれることを期待します(FAまで4年あるのでまだ先の話ではありますが)。どうかケガだけはしないで。昨年11月に左手首の小さな手術をしたと言うことですが、大事はないようですから一安心。

 控えは、アーロン・ブーン(Aaron Boone)でしょう。ブーン弟も35歳になり衰えてきた感じはしますが、パンチ力もそこそこあります。内野の全ポジションを守れることを思うとユーティリティとして有用でしょう。

Felipe Lopezの年俸調停


 ナショナルズの支配下選手で最後まで契約がまとまらずにいたフェリペ・ロペス(Felipe Lopez)との年俸調停(Salary Arbitration)。ロペスの要求は520万ドル、球団側の提示は490万ドルでしたが、調停委員は球団側の主張を認める決定を下しました。昨年の390万ドルからの上積み幅を争いましたが、大スランプの07年の後だけに、さすがに厳しかったですね。

 それにしても、はっきり白黒をつけ折衷案をとることがないのはアメリカらしいと思いますが、しこりが残りそうで、個人的にはなじめない制度です。ロペス自身は、「たいした問題ではない」と言って、モチベーションの高さを語っていますが、代理人は、あのスコット・ボラス。08年シーズン中にFA権を取得するはずなので、成績が良くても悪くても、シーズン後に移籍してしまうことはほぼ確実でしょう。
 ちなみに、右の画像で滑り込んでいるのは井口資仁(PHI)。

(2007年成績)
両 Felipe Lopez (27)  154G 603AB AVG.245 70R 9HR 50RBI OBS.308 SLG.352 24SB

2008年2月14日木曜日

ニック・ジョンソンUp Date

 野手陣の集合日まではまだ1週間ほどありますが、ジョンソンは既にフロリダ入りし、打撃練習を開始しているようです。ケガをした右足は100%回復しており、スプリングトレーニングのオープン戦には最初から出場できる予定とのこと。まずは一安心。ただ、ヤングと1Bのレギュラー争いに関して、ちょっと気になる発言が。

 仮にポジション争いに敗れた場合にトレードを望むかどうかと問われたのに対して、ためらいながらも、「そりゃあ、ベンチに座っていたくはないよ。毎日プレーしたいからね。自分で決められることではないけれど。」と答えたようです。

 ボブルヘッドの件を見ても分かるように、今のところヤングが正一塁手として処遇されています。ヤングには、デュークス、ミレッジのメンターとしても期待されているということなので、出して欲しくないところです。とすると、ジョンソンはやはりトレードされるのかなあ。

08年プロモーション・スケジュール

 MLBの試合に行くと、先着何名かにTシャツやピン・バッジなんかをくれることがあります。それぞれスポンサーがついている一種のプロモーションです。そうしたグッズの中でも、なんと言っても人気があるのがボブルヘッド(Bobblehead)ですよね。首が微妙にぐらぐらする人形。かつてドジャースタジアム(LA)でフェルナンド・バレンズエラのをもらいましたが、引っ越しを繰り返しているうちになくなってしまいました(泣)。

 今シーズンのナッツのプロモーション・スケジュールが公表されました。

 開幕戦では全入場者にCurly W Lanyardを配るとのことです。Curly Wというのは、このブログにもプレッツェル画像で載せているナショナルズのロゴのことですが、Lanyardってなんでしょうか?携帯ストラップ?ご存知の方がいれば教えてください。

 今年のボブルヘッドは、ドミトリー・ヤング(5月1日)とライアン・ジマーマン(6月5日)の予定。ヤングはタイガースでの03年以来2度目。ただ、ニック・ジョンソンとのポジション争いの結果を先取りしているようで、少し複雑な気持ちです。ジマーマンは初めてのボブルヘッド。素直におめでとうと思えます。というか、欲しいよう。

2008年2月12日火曜日

Spring Training Outlook 5 (2B、SS)

 2BとSSは予想されるポジション争いが重複するので、合わせて紹介。

 07年の開幕前の時点では、2Bフェリペ・ロペス(Felipe Lopez)、SSクリスチャン・グズマン(Cristian Guzman)、控えロニー・ベリヤード(Ronnie Belliard)という布陣でした。ところがグズマンは開幕戦でケガをしてDL入り。5月に復帰も6月末にまたケガでシーズン終了。ロペスはシーズンを通じて打撃に苦しみ、結局ベリヤードが一番活躍する結果となりました。

 今季もこの3人のポジション争い。2Bベリヤード、SSグズマン、控えロペスを前提にスプリングトレーニングは始まるようですが、横一線と見ています。全ポジション中最も熱い競争が展開されるでしょう。

 ベリヤードは派手さはありませんが、二塁守備は堅実で、打率も.280前後は期待できます。昨季はマイナー契約からのスタートでしたが、活躍を評価されて08、09年の2年総額350万ドルの契約を結びました。

 グズマンは04年オフに4年1680万ドルの契約を結びました。当時から評判が悪かったのですが、フル出場した05年の打率はなんと.219。06年は全休。07年も実働2か月。予想より更に悪い不良債権状態でした(1年420万ドルの不良債権はナッツには十分重い)。ようやく今シーズンは契約最終年。少しは働いてってください。

 ロペスは3人の中で一番若くまだまだ伸びると期待されます。数少ない足の使える選手で、05年、06年は.350台の出塁率を記録したこともあるので、リードオフとして使いたいところですが、昨季の出塁率はひどすぎました。守備は上手いとはいえない。ただ、今シーズンオフに初のFA権を取得予定の28歳なので、ブレイクする可能性はあります。グズマンを降して1番ショートで開幕を迎えられるのが、チームにとってもベスト・シナリオでしょう。

 外野も守れるウィリー・ハリス(Willie Harris)とも契約していますが、ロースターに残れるかどうかといったところです。

2008年2月10日日曜日

Spring Training Outlook 4 (1B)

 続いて、野手陣に移ります。まずは内野、1塁手から。

 06年シーズン。開幕前に3年契約を結んだニック・ジョンソン(Nick Johnson)は、キャリアハイのシーズンを送っていましたが、9月も後半という時期にライトのカーンズとフライを追って衝突し大腿骨を骨折。手術を受けたものの07年は全休してしまいました。

 しかし不思議なもので、スプリングトレーニングにマイナー契約で招待されたドミトリー・ヤング(Dmitri Young)が07年のレギュラーの座をつかみ、136試合で打率.320を記録。Comeback Player of the Yearを獲得する予想外の大活躍をしました。

 迎えて08年。ジョンソンもどうやらプレーできる状態でスプリングトレーニングに入るようですから、両者の争いは熾烈になりそうです。2人とも他のポジションは守れないので、一方は控えにならざるを得ません。果たしてジョンソンはどこまで元に戻っているのでしょうか。戻っていれば、ヤンキース時代から高い出塁率で有名な選手なので2番か3番に置くことになるでしょう。

 ジョンソンが使えるとなった場合には、スプリングトレーニング中にどちらかがトレードされるかもしれません。チームでも最高年俸に近い2人のどちらかをベンチに座らせておくわけにもいかないでしょうから。トレードされるとすれば、ジョンソンでしょうか。ヤングには精神的に未熟な問題児とみなされているイライジャ・デュークス(Elijah Dukes)を導くメンターとしての役割が期待されていることもありますし、年齢が若いジョンソンのほうがトレードバリューは高そうです。

 トレードがあった場合、あるいは仮にどちらかがDL入りなんてことになる場合は、昨季マーリンズで守った経験のあるアーロン・ブーン(Aaron Boone)が控えか。昨季AAでキャリアハイの成績を残して40人ロースターに名を連ねたジョシュ・ホワイトセル(Josh Whitesell)や、ルール5ドラフトでピックしたマシュー・ホイットニー(Matthew Whitney)がスプリングトレーニングで爆発的な活躍を見せれば、代打要員でしょうが、開幕ロースターのチャンスを得るかもしれません。どちらもAAAの経験さえありませんが、マイナーではパワーのあるところを見せています。

2008年2月9日土曜日

Spring Training Outlook 3 (Relief Pitchers)

 悲惨だった先発投手陣に対し、07年のブルペンは頑張りました。クローザーのチャド・コルデロ(Chad Cordero)をはじめ、ジョン・ラウチ(Jon Rauch)サウル・リベラ(Saul Rivera)ヘスス・コローメ(Jesus Colome)といった中継ぎ陣が活躍し、ブルペンのチーム防御率3.81はナ・リーグ4位と大健闘しました。
 
 コルデロは、チームの完全なクローザーとなって4年目を迎えます。昨シーズンはやや成績を落としましたが、それでも十分な迫力。トレードバリューが高いので放出の噂が時々出ますが、チームの顔として今後も活躍を期待したいところ。ちなみに、あと24セーブで球団記録152セーブに並びます。
 
 中継ぎ陣は本当によく働きました。メジャー最多の88試合登板のラウチを筆頭に、リベラが85試合、コロームが61試合を投げ、3人とも3点台の防御率を保ちました。さらに、ケガのため出遅れたクリス・シュローダー(Chris Schroder)ルイス・アヤラ(Luis Ayala)にいたっては、夏から秋にかけて防御率3点台前半の好投を見せました。
 07年に働けなかったライアン・ワグナー(Ryan Wagner)。もともとは2003年のドラフト1順目で指名されたレッズのトップ・プロスペクトでした。05年オフにトレードされてからは、故障に悩まされ、実力を十分に発揮できていません。07年も5月にDLに入り、6月に右肩を手術してそのままシーズンを終えています。スプリングトレーニングには投げられる状態で戻ってこられるようですが不安は残ります。 
 今シーズンも、ここまで紹介したメンバーが残っていますので、安心して見ていられそうです。難があるとすれば、全員が右投手であること。マイナー契約の招待選手の中にいる左投手、レイ・キング(Ray King)マイク・バクシック(Mike Bacsik)といったベテラン、あるいは前川勝彦あたりを1枚ロースターに入れる可能性が高いでしょう。もちろん、若手がその座を奪う可能性もあるでしょうが。

2008年2月7日木曜日

Spring Training Outlook 2 (Starting Pitchers)

 バッテリーのスプリングトレーニング開始まで1週間を切りましたので、投手陣を先に見ておきます。今日は、先発。

 先発ローテーションの崩壊が、昨年のナショナルズの最大の敗因でした。ざっとデータを見ると、先発投手のチーム防御率5.11はナ・リーグ15位、WHIP は14位、奪三振数は最下位。投球回数も最下位で、1試合あたり5回1死を取れずに降板。当然ながらQSも伸びず、これも15位。

 つまり、先発投手が全く役目を果たせなかったということです。これが、投手有利と言われていた広いRFKスタジアムを本拠としたチームの成績です…。チーム最多勝は中継ぎのジョン・ラウチ(8勝)に奪われ、先発に限ればマット・チコ(Matt Chico)の7勝が最多でした。

 こんな成績になった大きな原因は故障(せめて故障のせいにしたい)。開幕投手ジョン・パターソン(John Patterson)、2番手のショーン・ヒル(Shawn Hill)がともに5月上旬にDL入り。パターソンはそのまま手術を受けてシーズン終了。他にもけが人が続出し、シーズンを通してローテーションを守ったのはチコただ1人でした(夏場に調子を落とし、2試合だけAAAで調整しましたが)。

 そして迎えた今オフでしたが、フロントはたいした動きもせず、ヤンキースとのトレードでタイラー・クリッパード(Tyler Clippard)を獲得した程度。放出した投手もほとんどいません。したがって、今季の先発投手陣を占うポイントは、いかに健康でいられるか、若手中心の現有戦力がどれだけ成長できるかです。

 まず昨シーズン故障に苦しんだ1、2番手の調子が気になります。パターソンは05年に185三振を奪ったようにゲームを支配するだけの能力を持っており、本来ならエースとして引っ張っていくべき投手です。ヒルも16試合の先発に限られたものの、防御率3.42、WHIP1.14とチームでは抜群の安定感を示していました。スプリングトレーニングを前に聞こえてくるところでは、「体も腕も心も全てに手応えを感じている。集中できているし、この4、5年で一番手応えを感じている」(パターソン)、「100%で行ける状態」(ヒル)とのこと。順調なら、この2人が先発の柱になるでしょう。というか、なってもらわないと困ります。

 3番手以降は、若手の成長に期待したいところです。熾烈な競争が予想されますが、チコ(24)、ジェイソン・バーグマン(26)、ジョエル・ハンラハン(26)、クリッパード(24)、ジョン・ラナン(24)、コリン・ベイルスター(22)といったところが候補です(ちなみにヒルも26歳)。

 昨シーズン孤軍奮闘した左腕のチコ。06年のシーズン中にリバン・ヘルナンデスとのトレードで、やはりプロスペクトのギャレット・モックとともにDバックスから移ってきました。07年は、4月にメジャー初登板を果たし、そのまま1年間頑張りましたが、四球が多いなど安定感に欠け、まだまだ伸びる余地はありそうです。経験を生かして飛躍できるでしょうか。

 ジェイソン・バーグマン(Jason Bergmann)は順調に育ってきた生え抜きで、昨シーズンから先発に定着しました。DL入りも経験しましたが、十分にメジャーで通用することを証明しました。特に9月は好投し、5試合に先発して4勝0敗、防御率3.73という安定した投球を見せました。今年はシーズンを通じての活躍を期待したいところです。

 ジョエル・ハンラハン(Joel Hanrahan)は06年オフにドジャーズから解雇されナショナルズと契約。07年はAAAでまずまずの成績を残し、7月末にメジャーデビューを果たしました。イニング数に近い数の三振が取れる投手です。今シーズンはブルペンか、という話も聞こえています。

 クリッパードは昨年ヤンキースでメジャーデビューしましたが、ちょっと早かったという声も聞かれます。打ち込まれて早々にマイナーに落とされてしまいました。被本塁打が多いのが気になります。

 ジョン・ラナン(John Lannan)はマイナーで好投し7月にメジャーに昇格したものの定着できませんでした。しかし、07年のチームのMinor League Pitcher of the Yearに選ばれたように潜在能力は高く評価されており、左腕ということもあってローテーション入りへの期待は大きいです。

 AAAまで順調に育ってきたコリン・バレスター(Collin Balester)にも、スプリングトレーニング次第では開幕メジャーの可能性があるでしょう。

 他の候補としては、昨季マイナー契約からスタートしながらもローテーション入りを果たしたベテラン(といっても30歳ですが)のティム・レディング(Tim Redding)。ウィンターリーグで好投しマイナー契約を結んだ元オリックスの前川勝彦。 再建中のチームはどうしても若手にチャンスを与えようとするでしょうから、ロースターに残っていくにはしっかりした結果が求められるでしょう。

 スプリングトレーニングには、他にも07年ドラフト1順目(全体6位)のロス・デトワイラー(Ross Detwiler)、同じく07年のサンドイッチピック(1順目と2順目の間)のジョシュ・スモーカー(Josh Smoker)、パワーピッチャーのギャレット・モック(Garret Mock)といった有望プロスペクトが参加します。おそらく早い段階でカットされて開幕はマイナーで迎えることになるでしょうが、デトワイラーは、既に昨年9月に1イニングだけとはいえメジャーデビューも果たしており、今シーズンのどこかのタイミングでメジャーに昇格する可能性も十分にあるでしょう。
 パターソン、ヒル、バーグマン、チコ、ラナンというローテーションのイメージでスプリング・トレーニングに入るようですが、怪我なく、激しい競争を展開した末に、この形で開幕を迎えることが、ベストシナリオです。全体に層は厚くなっており、昨シーズンの二の舞は避けられると確信しています。

前川勝彦とマイナー契約

 (あえて書きますが)無免許運転+ひき逃げで懲役2年執行猶予4年の判決を受けている元オリックス・バファローズの前川勝彦とマイナー契約を結びました。カージナルスとも契約寸前までいったそうですが、事件の影響で流れていました。

 ドミニカのウィンターリーグでは7試合に先発登板し、29.2回を投げて2勝1敗、防御率1.82と好成績だったので、まだ野球の力はあるということを示しました。招待選手の投手だけでも18人。スプリングトレーニングでも結果を求められますが、層が薄い先発ローテーション、左が手薄なブルペンなので、メジャーで開幕を迎える可能性もあると思います。

 所属の日本人選手がいなくて知名度が高くない球団だからとナショナルズを選んでブログを立ち上げた身としては、この期に及んで前川との契約というのは複雑な心境ですが、これも何かの縁ということで、他の選手とともに応援していきます。 ポイントは人間的にどれだけ成長しているかです。本人の言動を待ちたいと思います。

2008年2月5日火曜日

Spring Training Outlook 1 (C)

 スプリングトレーニングが始まるまでの間に、ポジションごとに、オフの動きと今シーズンの展望をざっと見ておきます。

 まずは、キャッチャーから。

 昨季までの正捕手ブライアン・シュナイダー(Brian Schneider)をライアン・チャーチ(Ryan Church)と共にラスティング・ミレッジ(Lastings Milledge)とのトレードでメッツへ放出。1年間シュナイダーの控えをやっていた
ヘスス・フローレス(Jesus Flores)が将来の正捕手と期待されていますが、まだ少し早い。

 つなぎとして、ポール・ロデューカ(Paul Lo Duca)と契約しました(1年500万ドル)。その後膝の手術となりヒヤっとさせられましたが、開幕には十分間に合う予定。ロデューカの手術直後にジョニー・エストラーダ(Johnny Estrada)とも契約(1年125万ドル)。控えになるか、併用体制となるかは今のところ分かりません。スプリングトレーニングで競わせる方針のようです。

 2人とも似たタイプの攻撃的捕手で、.280程度の打率が期待でき、コンタクトも上手く三振が少ない。エストラーダは特に左打席で好成績を残していますので、そういった使い分けもあるかもしれません。2人とも守備はそこそこといったところでしょうか。若い投手陣を育てる役目も期待したいです。

 フローレスは、06年秋のルール5ドラフトで(メッツから)指名したため1シーズンずっとメジャーに置いておかなければならなかったのですが、晴れて保有権を確定。今年はマイナーに送ることができます。07年は控えで頑張りましたが、A+からのジャンプアップでかなり無理を強いていた感がありました。まだ23歳。エストラーダを取ったことで、メジャーで控えを続けるよりマイナーで経験を積む可能性が高いでしょう。大型攻撃型捕手に成長してくれることを期待します。  

2008年2月4日月曜日

このブログを立ち上げた訳

 ラウチとの契約合意のニュースで飛ばした記事です。 
 
 この地味で弱いナッツを何が楽しくて応援しようなんて思ったのかを説明しておきます。

 今回ブログの対象として選ぶまで、ナショナルズ(エキスポス)のファンというわけではありませんでした。モントリオールのオリンピック・スタジアムで試合を見たことはありますが、あまりに観客が少なくガラーんとした球場の寒々しさだけが印象に残っています。

 MLB観戦歴は野茂投手の渡米から。その後アメリカ在住を経てすっかりMLBにはまりました。Fantasyも2001年以来参加を続けています。そんなふうに楽しんできたのですが、08年シーズンの開幕に向けて、更なるMLBの楽しみ方はないかと考え、ブログ立ち上げてどこかのチームをしっかり追いかけてみることにしました。

 では、どのチームにするか。長く某球団のファンなのですが、そこは日本でもある程度の知名度があり、ブログなどで紹介されていたりもするので、いまさら私の出る幕もないでしょう。あまり知名度がなく応援し甲斐のあるチームはないかと探している中で、1つの記事に目が留まりました。

 それは、MLBのプロスペクト分析で定評のあるBaseball Americaがもうすぐ公表する予定の08年版のProspect Handbookにおいて、ナショナルズのマイナー組織が9位に評価されたという記事でした。近年はかなり低い評価を受け続け、07年版では30位つまり最下位でしたが、近年のトレードや07年のドラフトが高評価されたことで、ジャンプアップしています。確かに今は弱い。スターもほとんどいません。そんなナッツですが、潜在能力の高い若い選手たちが育ち、いつかナッツの時代が来ることを信じて、球団史上初のワールドシリーズを制覇する日を夢見て、応援してみるのも面白いのではないかと思っています。ブログ立ち上げに向けてここしばらくナッツの関連情報を漁っているうちに、すっかりファンになりました。

 そんなわけなので、ナショナルズだけではなく、プロスペクトたちが活躍するマイナー・リーグもフォローしたいと思います。(情報がなかなか取れないのが悩みです。マイナーリーグの映像を見る方法があれば、どなたか教えてください) 

 もともとファンである某球団のことは、このブログでは当面あえて意識しないようにします。プレーオフでナショナルズと対戦するときがくれば明らかにすることにしようかなと。そんな日が来ることを夢見て応援していきます。

 順序が逆になりましたが、今後とも、よろしくお願いします。

2008年2月3日日曜日

Jon Rauchと2年契約


 この弱いナッツを応援しようと思ったのは何故か、を今日は記事にしようと思っていました。 でも、ニュースが入ってきたので、予定を変更。

 調停申請を行っていた
ジョン・ラウチ(Jon Rauch)投手と契約を結びました。08年120万ドル、09年200万ドル。2010年については、球団側がオプションを持ちます。

 単年であればもう少し安かったであろう選手と複数年契約を結んだということは、これからのチームの核となる戦力とみなしているということです。07年は中継ぎとして、チーム最多(MLB最多)となる88試合に登板し、防御率3.61、(この前書いたとおり)チーム最多の8勝を上げました。この前の記事ではやや揶揄したような表現をしてしまいましたが、07年に最もチームに貢献した投手であることは衆目一致しています。

 06年もほぼ同じ成績を残しているだけに、安定してこのくらいは残せるだろうとの期待からの契約でしょう。中継ぎFA投手の年俸が高騰しているこのオフの様子を見ていると、しっかりしたいい契約だと思います。

 そのRauchですが、長身で有名です。公表されているところでは、6フィート11インチ(2メートル11センチ!!)と、あのランディ・ジョンソンよりも高く、MLB史上最高です。当然ながら長身を活かした投球は迫力十分。もともと(01年頃)はホワイトソックスのトップ・プロスペクトでした。やや伸び悩みましたが、04年途中にカール・エベレットのトレードで移ってきてブルペンに入ってからは安定した成績を残しています。

 登板過多からの故障だけが心配です。

(2007年成績)

右 Jon Rauch (25)  88G 87.1IP 8W 4L 4S 71K ERA3.61 WHIP1.10        

2008年2月2日土曜日

弱小ナショナルズ

 いきなりですが、ワシントン・ナショナルズは、現在のMLBで五指に入る弱小球団です。

 モントリオールからワシントンD.C.に本拠地を移して3シーズンが終わりました。2年連続地区最下位に沈んだ後、07年はなんとかブービーに上がったという感じです。 しかも内容がひどい。昨季までの本拠地がかなり広いことで有名なRFKスタジアムだったおかげでチーム総失 点は18位(防御率は19位)でしたが、チーム総得点はMLB最下位(本塁打数でも28位)と散々でした。

 攻撃陣は、Comeback Player of the Yearに選ばれたファーストのドミトリー・ヤング(Dmitri Young)、そして名実ともにチームの顔というべきサードのライアン・ジマーマン(Ryan Zimmerman)、それにライトのオースティン・カーンズ(Austin Kearns)、レフトのライアン・チャーチ(Ryan Church)あたりが主力でした。とはいえ、ヤング(ナ・リーグ9位の.320)以外の打率は.270前後、本塁打、打点はジマーマンの24本、91打点が最高では・・・・。昨オフに3年契約をしたニック・ジョンソン(Nick Johnson)がいきなりケガで全休したのが痛かったですね。

 でも、それでもまだ攻撃は見ていられました。投手陣は更に深刻でもはや目も当てられません。こちらもエース格のジョン・パターソン(John Patterson)が5月頭に離脱したのが痛かった。最終的にチームの勝ち頭でわずか8勝。しかも、それが88試合に登板した中継ぎのジョン・ラウチ(Jon Rauch)!先発投手に限れば、マット・チコ(Matt Chico)の7勝(9敗)が最高でした。あんまりです。

 移ってきた初年度こそお客さんも入ってくれましたが、そんな成績では観客を集められないのも当然で、2年目からは観客動員でも最下位争いを展開しています。当然ペイロールも増えず、07年は3734万ドルあまりで28位。1位のヤンキースの1/5以下です。最高が全休したジョンソンの550万ドルでした。今季も”調停回避”で単年契約したクローザーのチャド・コルデロ(Chad Cordero)の620万ドルが最高額になる見通しです・・・・。

 弱いわけだ。