2008年11月27日木曜日

08 Dominican Summer League

 あまりにもストーブリーグが静かなので、全く新しい話ではありませんが、ドミニカリーグのことなど。

 当ブログではあまり扱っていませんが、ドミニカ共和国にもナショナルズの傘下球団があります(他球団にはベネズエラに持っているところも)。夏の短いシーズンに、中南米地域で契約した若い(16歳~21歳くらい)選手達がプレーし、米本土を目指します。

 今季の成績などから、将来に期待できそうなプロスペクト10人(+プロスペクト呼ぶにはやや年齢高い1人)を選んでみました。実際のところDSL出身でメジャーまで上がって来る選手はそう多くはいませんから(期待度の高い選手であれば最初からGCLやショートシーズンでキャリアをスタートする)、この中から1人でも2人でもフロリダに上陸してきてくれればいいな、と思う程度の期待度です。

【野手】
Hendry Jimenez (18, 2B) .300/.404/.417 3HR 24SB
Alex Romero (18, 3B) .247/.410/.407 6HR
Eury Perez (18, OF) .324/.428/.441 28SB
Ricardo Martinez (19, C) .265/.383/.538 7HR
Eduardo Urbino (20, 1B) .260/.359/.347 [DSL, Rk]
Earving Fernandez (20, 3B) .291/.367/.399
Adrian Sanchez (17, 2B) .282/.340/.388 21SB

【投手】
Luis Ortega (20, RHP) 75IP 13BB 84K 2.04/0.93
Juan Martinez (22, RHP) 80.1IP 22BB 76K 1.90/1.02
Francisco Mojica (21, RHP) 45.2IP 12BB 52K 2.36/1.07
Osvaldo Rodriguez (24, RHP) 91IP 33BB 125K 0.99/1.03 [DSL, Rk, AA]

→Luis Ortegaは、12/11のルール5ドラフトで、ロイヤルズに指名されてしまいました。

2008年11月26日水曜日

Ryan Wagnerとマイナー契約

 細かいネタです。こちらの記事で退団と報じたRyan Wagnerが、マイナー契約で再契約しました。

Ryan Wagner (2008 season)
16G 19.0IP 12BB 14K 5.68/2.00 [AAA]
7G 7.1IP5BB 6K 1.23/1.36 [A+]

 03年のドラフト1順目(レッズ入団)。かつてはクローザー候補のプロスペクトでしたが、TJもあり、すっかり落ちぶれました。今季は再起をかけたはずでしたが、AAAでも打たれました。来季もAAAからスタートが見込まれます。ちなみに、ルール5ドラフト対象選手です。

2008年11月24日月曜日

40人ロースター

 ルール5ドラフトに向けて整備が行われてきた40人ロースターですが、以前に記事にした後、11月4日にDmitri YoungをAAAに送り(むろんサラリーは$5Mのまま)、10日にLuis AtilanoIan DesmondLeonard Davisの3人を追加。さらに、Scott OlsenとJosh Willinghamを獲得するトレードがありました。

 結果、最終的な40人ロースター(ルール5ドラフト向けプロテクト選手)は以下の通り。計39人。あと1人は、ルール5ドラフトやトレードで選手を獲得するための枠です。

PITCHERS (19): Luis Atilano, Collin Balester, Jason Bergmann, Matt Chico, Tyler Clippard, Jesus Colome, Ross Detwiler, Marco Estrada, Joel Hanrahan, Shawn Hill, Mike Hinckley, John Lannan, Shairon Martis, Garrett Mock, Mike O'Connor, Scott Olsen, Tim Redding, Saul Rivera, Steven Shell

CATCHERS (3): Jesus Flores, Luke Montz, Wil Nieves

INFIELDERS (8): Ronnie Belliard, Kory Casto, Ian Desmond, Alberto Gonzalez, Cristian Guzman, Anderson Hernandez, Nick Johnson, Ryan Zimmerman

OUTFIELDERS (9): Roger Bernadina, Leonard Davis, Elijah Dukes, Willie Harris, Austin Kearns, Justin Maxwell, Lastings Milledge, Wily Mo Pena, Josh Willingham

 故障で来年の開幕にも間に合いそうもないMatt Chicoと、WMPは、置いておく価値はないと思うんですけどね・・。

 プロテクトから漏れた選手としては、Mike Daniel(OF, 05年7順目)がCraig Stammen(RHP, 05年12順目) Marvin Lowrance(OF, 04年7順目)、Dee Brown(OF, 05年10順目)くらいが目立ちます。取られないといいんだけどなあ。

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11/25 追加

 04年、05年にドラフトされた選手ばかり見ていましたが、他にもBobby Brownlie(RHP)、 Yunior Novoa(LHP)、Ryan Langerhans (OF)、Pete Orr(IF)などが対象とのことです。あ、Dmitri Youngも(笑)。

2008年11月21日金曜日

John Lannan: Topps Major League Rookie All-Star

 ベースボールカードの製造元であるToppsが選ぶ Major League Rookie All-Starの左投手の部で、John Lannanが選ばれました。



 公式の各賞では一票も入らず寂しい思いをしてきたので、素直に嬉しい・・・。

 ちなみに、他の顔ぶれは以下の通り(さらにちなみに、昨年の同部門の受賞者は岡島秀樹)。

C Geovany Soto (CHC)
1B Joey Votto (CIN)
2B Alexei Ramirez (CHW)
SS Mike Aviles (KC)
3B Evan Longoeia (TB)
OF Jay Bruce (CIN)
OF Denard Span (MIN)
OF David Murphy (TEX)
RHP Brad Ziegler (OAK)

 なお、あくまで、左投手の部です。MLBのROYで票が入った7投手(Zieglerを含む)は全て右投手。左投手に限定するとライバルはうんと減ってしまい、同水準の数字を残した選手と言えば(いくらか基準を甘くしても)、Matt Harrison(TEX)、Jesse Carlson(TOR)、Manny Parra(MIL)くらいしか見当たりません。期待していたClayton Kershaw(LAD)は5勝止まりでした。

 そういう意味では、順当といえば順当な受賞ですが、それでもなんでも、Lannanの受賞は嬉しい!

AFL (シーズン終了)

 それなりに毎日楽しませてもらってきたAFLも終了しました。

 総じて、よく打たれちゃったな、という印象です。一番ひどく打たれた印象があるのはVanAllen。ただ、最後の登板で5回を6奪三振の無失点と好投し、一時は2桁に乗ってしまっていた防御率を見ることのできる成績まで戻しました。イニングをはるかに上回る奪三振を記録したこととともに、来季に向けて希望の持てる終わり方です。Detwilerは、2試合でめった打ちにあったためこの数字ですが、失点したのは9試合中この2試合のみ、ヒットは打たれながらも課題の制球を重視した投球で、まずまずといったところ。リリーフの2人は前半戦はかなり良かったのですが、リーグ戦が進むに連れて打たれてしまいました。CarrのWHIPは評価してもいいと思います。

LHSP Ross Detwiler
 9G 11.2IP 4.63ERA 1.72WHIP 4BB 7K
LHSP Cory VanAllen
 8G 24.2IP 5.84ERA 1.62WHIP 6BB 30K
RHRP Zech Zinicola
 14G 15.2IP 6.89ERA 1.60WHIP 4BB 11K
RHRP Adam Carr
 12G 12.1IP 3.65ERA 1.14WHIP 3BB 8K

 最後の一週間も打撃陣は好調で、それぞれ1本ずつホームランを放って、気分良くシーズン終了。Desmondはすっかり上位打線に定着し、最終戦のホームランで有終の美を飾りました。三振の多さは気になりますが、死球もしっかり選べて、出塁率が打率を1割上回りました。DavisとRhinehartは今季のマイナーでの成績がフロックでないことを証明するのみならず、ますます評価を上げました。特にRhinehartは、前半戦の低迷(11/3時点では208/300/396)で心配させましたが、後半戦は怒涛の追い上げを見せ、最終週に出場した3試合でも13打数7安打と大当たりで、各試合2点ずつで計6点上積みした打点はリーグ4位まで上がりました。

SS Ian Desmond
 101AB 22R 4HR 17RBI 17BB 25K 267/364/525 4SB
1B Bill Rhinehart
 92AB 19R 4HR 28RBI 9BB 17K 326/392/598 0SB
OF Leonard Davis
 80AB 21R 4HR 15RBI 11BB 16K 325/415/600 2SB

 まずはしっかり休んで。来季の飛躍を期待しています!!!

2008年11月20日木曜日

08 Season Review (おまけ) ex-Natsのその後

 開幕直前、衝撃の解雇となったJohn Patterson。レンジャーズとマイナー契約を結びましたが、右腕の故障は癒えず、投球を再び開始することなく、5月末に再び解雇。その後の消息は不明です。誰かご存知なら教えてください。

 A week before the Opening Night, John Patterson (RHP) was suddenly released by the Nationals. He agreed a minor league contract with the Texas Ragers right after the release and joined the extended spring training for further rehabiliation. But right elbow injury continued and prevented him from throwing session in the bullben. Then, finally, he was released at the end of May 2008. How is Patterson doing? Any information? please!

 その他、シーズン開幕前、そしてシーズン中にナショナルズを去った主な選手たちのその後を振り返ります。意外な活躍を見せた選手が多く、歯がゆい思いが強いです。そんなにナショナルズでは力を発揮できないのか・・・。

Josh Whitesell
7AB 1R 1HR 1RBI 286/444/714 [D-Backs]
475AB 86R 26HR 110RBI 328/425/568 [AAA]

 開幕前のロースター整理中にウェイバーでDバックスに奪われました。見てのとおりの大ブレーク。マイナーでの26本塁打、110打点はナショナルズのマイナー選手の誰よりもいい数字。ナショナルズに残っていれば、文句なしにMinor League Hitter of the Yearを贈呈しなければならないところでした。9月にはメジャー昇格を果たし、初本塁打まで打ちました。先日発表された、John Sickelさんのプロスペクトランキングでは堂々20位にランクイン。来シーズンは当然開幕ロースター争いをしそうです。ナショナルズに残していれば・・・。批判が高まってきているボーデンGMですが、これも(あまり話題には上がりませんが)大きな失敗の1つでした。

Jon Rauch
26G 23.1IP 0W6L1SV 22K 6.56ERA 1.54WHIP [D-Backs]
 前半戦は故障離脱のChad Corderoに代わり、我がナショナルズのクローザーとして安定した仕事をしてくれました。その活躍を評価され、Emilio BonifacioとのトレードでDバックスに移籍。しかし、(Dバックスにすれば)期待はずれに終わりました。しばらくは良かったものの、勝負どころの8月後半から6試合連続失点するなど、地区優勝を争っていたチームの失速に一役買ってしまいました。シーズン終盤、Brandon Lyonがクローザー失格となったときも候補として名前が挙がることはありませんでした。ナショナルズが今季開幕前に結んだ契約があり、来季も(オプションが行使されたので10年まで)Dバックスに所属します。復活して欲しいな。

Felipe Lopez
156AB 30R 4HR 21RBI 385/426/538 4SB [Cardinals]
 ナッツファンにとって最もショッキングなシーズン後半を送ったのがLopez。ナショナルズでは100試合に出場しましたが、シーズンが進むにつれ成績を落とし、ついに7月の打率は.203と不振を極め、8月に入り戦力外とされました。ところが、すぐにカージナルスに合流すると突然の復活。最初は併用でしたが、3割を優に超える打率を残して次第に出場機会を増やし、セカンドのレギュラーの座を確保。9月は打率4割を超えました。FAとなりましたが、カージナルスは再契約を考えているようです。なんで、ナショナルズでその打棒を見せてくれなかったんだよぉ・・・。

Paul Lo Duca
34AB 3R 0HR 0RBI 294/400/353 [Marlins]
 開幕から故障と不振で8月頭にLopezとともに戦力外とされました。そして、Lopezほどではないにせよ、新しいチームでそこそこ活躍しました。マーリンズと最初はマイナー契約を結びましたが、8月半ばに昇格。基本的に代打要員としての出場でしたが、意外にも3割近く打ちました。四球も多く選び、出塁率4割ってどういうこと!?ナショナルズでは打率.231、出塁率.301だったのに!FAとなりましたが、どういう契約を得るでしょうか。

Luis Ayala
18G 19.0IP 1W2L9SV 14K 5.50ERA 1.39WHIP [Mets]
 ナショナルズでは主にセットアッパーとして62試合に登板し、大いに頑張ってくれていましたが、本来クローザーをやりたいという希望を持っていたため、モチベーションを低下させ、それにともないパフォーマンスも低下していきました。8月半ば、Billy Wagnerの故障でブルペンの補強を急いだメッツへ、Anderson Hernandezとのトレードで移籍し、3試合目に初セーブを記録すると、念願のクローザーの座を確保しました。しかし、結局好不調の波の大きさは変わらず、終わってみればナショナルズでの数字とほぼ同じ防御率5点台に終わりました。Type BのFA。どういう契約を得るでしょうか。

2008年11月19日水曜日

MVP

 ナ・リーグはAlbert Pujols(STL)。本塁打、打点の2冠王で、チームがWSを制した(プレーオフ前に投票が締め切られているので関係ないですが)Ryan Howard(PHI)を抑えての受賞となりましたが、順当なところだと思います。今更言うまでもないことですが、Natsの選手には一票も入りませんでした。

 ア・リーグはDustin Pedroia(BOS)。従来、MVPは打点・長打重視の印象が強かったのですが、そのタイプとは全くかけ離れたPedroiaがこの大差で受賞というのは、ちょっとした驚きです。守備、走塁も合わせての総合評価なんでしょう。昨季は新人王、WSも制覇。今季はオールスター出場、ゴールドグラブ、シルバースラッガー、そしてMVP。いやはや、どんな選手になるのでしょうか。3位にもKevin Youkilisが入りましたし、レッドソックスは本当にチームとしていい時期を迎えていますね。

 ちなみに、うちの息子(3歳)のクリスマスプレゼントの1つは、15 PEDROIAのTシャツです。MVPになりそうだからではなく、あんな選手になって欲しいという願いから決めました(まだプラスチックバットでゴムボールを打っているだけですが・・・)。もう手元に届いていますが、あと1か月以上隠しておかねば・・・。


2008年11月18日火曜日

08 Season Review 14 (完) & Off Season Outlook: Bullpen/Closer

 長々と書いてきましたが、これでとりあえず最終回です。

 主な投手成績についてはこちらをご覧下さい。

 03年夏のドラフト1順目(全体20位)で8月には早速メジャーデビュー。04年にはクローザーの地位を不動のものとし、05年にはオールスターにも出場してセーブ王を獲得。通算128セーブを記録し、Zimmermanとならぶチームの顔となっていたChad Cordero。今季も当然クローザーとして計算していましたが、開幕戦、1点リードの9回表のマウンドに上がったのはJon Rauchでした。調整不足ということで、4月も半ばになってようやく登板しましたが、ストレートでも90マイルに達しませんでした。運と名前で(?)計4回1/3をなんとか1失点で済みましたが、まともに投げられる状態でないことは、テレビでも分かるほどでした。右肩の痛みで4月末を持ってDL入りし、結局手術でシーズンアウトとなりました。

 シーズン終了後、Corderoは、まだFA前だったのですが、年俸が高すぎる(今季6M)ために、年俸調停に行く前にDFAすることになりました。スプリングトレーニングには間に合うと、本人が言っているため、クローザーとして使えるかどうかギャンブルしてもいいと思っている数球団が獲得に乗り出しているようです。ナショナルズはさすがに音無し。07年夏などトレードバイトとして有用な時期に出していれば、と悔やまれます。GMの大きなミスでした。

 で、クローザーの座は、前半戦はJon Rauchが引き継ぎ、よく働きました。フラッグディールでRauchが移籍すると、次はJoel Hanrahan(写真)が務めました。今季からブルペンに回りましたが、制球に難があるものの、短いイニングであれば球威で三振が取れるので、これはいい転向でした。開幕当初のモップアップからセットアッパーを経てクローザーへ、今季一番出世した選手かもしれません。

 セットアップは、前半はLuis Ayalaが主に務めましたが不安定で、最後はメッツにトレードされました。終盤になって目立った活躍をしたのが、Steven ShellとセプテンバーコールアップのMike Hinckley。2人とも25歳とやや遅れてきたルーキーですが、今季はチャンスをつかみました。

 優勝を狙うチームではないので、基本的にブルペンの補強は不要。マイナーから上げてきた選手でまかなえば十分でしょう。クローザーは球威からいってもJoel Hanrahanでいいです。セットアップはShellに任せたい。勝ち試合のリリーフは、左はHinckley、右は今季チーム最多となった76試合に投げてくれたSaul Rivera(年俸調停初年度)といったところでしょうか。今季1.2Mで、年俸調停最終年となるJesus Colomeはどうするかな。年俸調停を申し入れないで、若手に任せてしまってもいいような気もしますね。

2009開幕予想:
 Closer: Joel Hanrahan
 Set-Up: Steven Shell
 (back-up Saul Rivera)

08 Season Review 13 & Off Season Outlook : Starting Rotation

 主な投手成績についてはこちらをご覧下さい。

 年間通してほぼローテーションを守ってくれたのが、Tim Redding(33GS)、John Lannan(31)それにOdalis Perez(30)でした。前半はこれにJay Bergmann(22)とShawn Hill(12)で戦いましたが、Bergmannは不振で、Hillは謎の右ひじ痛でそれぞれ離脱。終盤は、プロスペクトのCollin Balester(15)、Shairon Martis(4)がローテーションに加わりました。

 このうち、PerezはFAで退団。キャンプ直前のマイナー契約からスタートしながら、開幕投手を務め、1年間よく投げてくれたことに感謝しています。ただ、(Perez側、球団側ともが、再契約の意向を持っているといった報道もありましたが)、来季も見たいかと聞かれれば、No thanks。若い投手陣にいい影響を与えられるような投手だったという記事はついぞ読みませんでした。単なるイニングイーターであれば、要りません。

 他のメンバーのうち、Reddingが調停申請権を持っていますが、その他の選手はまだ3年以内(のはず)。このままチームに残ります。そして、先日のトレードでマーリンズからScott Olsenを獲得(関連記事はこちら)。

 来季のローテーションが確定しているのは、Lannan、Redding、Olsenまででしょう。4番手はBalesterが一歩先行しているとは思いますが(最終登板の2回途中7失点という暴発がなければ当確だったのに・・・)、5番手の座を争うのは、健康ならHill、再挑戦が許されればBergmann、今季メジャーデビューを果たした(→訂正:昨季、ヤンキースでメジャーデビューしてましたね。)Tyler Clippard、そしてMartis。Balesterも含めたところで、スプリングトレーニングで争うことになると思われます。また、今季A+とAAで好投し一気に評価を上げたJordan Zimmermannも、メジャーのスプリングトレーニングに招待されるとGMが明言していました。
 
 私としては、Martis(21歳)とZimmermann(22歳)の2人はまだ若いので、AAAでスタートさせて、夏以降の昇格で十分。それよりは、Clippard、Bergmannは、ともにかなり良い球を投げることは確かなので、もう少しチャンスを与えてあげたいなと思っています。FA選手の補強は必要ないでしょう。

2009開幕予想:John Lannan, Collin Balester, Scott Olsen, Tim Redding, Shawn Hill  
(Runner-up Tyler Clippard)

2008年11月17日月曜日

Caribbean Baseball 08/09 参加選手

 Caribean Baseballも順次開幕しています。各チーム参加選手が出そろいましたので、ナショナルズ所属選手達を拾ってみました(漏れがあれば教えて頂ければ幸いです)。
 
 ざっと見て目立つのは、105打席で410/438/619という凄まじい成績を残しているAnderson Hernandez。ちなみに、トレードされたEmilio Bonifacioも同じチームで打率3割以上です。

Dominican Republic
RHP Osvaldo Rodriguez (Cibao)
SS Anderson Hernandez (Licey)
2B Ronnie Belliard (Licey)

Venezela
2B Alberto Gonzalez (Margarita)
OF Roger Bernadina (Margarita)
OF Francisco Plasencia (Zulia)
CA Jesus Flores (Magallanes)

Puerto Rico
RHP Saul Rivera (Caguas)
OF Justin Maxwell (Caguas)
RHP Luis Atilano (Carolina)
OF Edgardo Baez (Carolina)
CA Wil Nieves (Mayaguez)
RHP Chris Lugo (Ponce)

Mexico: None

**********
11/18追記:
 Roger Bernadinaがふくらはぎを痛め、11試合に出場しただけでシーズン終了の報。手術が必要なほどではなく、スプリングトレーニングまで休養するとのこと。ウィンターリーグは、これが心配なんですよね・・・。大事に至らなくて良かった。

AFL (11/16まで)

 AFLも残すところ1週間となりました。投手陣は気合いを入れ直して、打者陣はこの調子で、気分良く終わって下さい。

 投手陣にとっては悪夢のような2週間でした。それまで無失点登板を続けていたDetwilerが5日の登板で2ランを打たれて失点したのを皮切りに、8日の試合では、先発のVan Allenが3回までに8安打5失点(自責点3)の後、Detwilerも1回もたず4失点、そして9回には(8回から登板して無失点に抑えていたのに)どういうわけか2イニング目を任されたCarrが1死も取れず3失点。ナショナルズ投手陣には悪夢のような試合となりました。この試合で投げなかったZinicolaはといえば、13日の試合でわずか1死をとっただけで5失点という大暴発を見せ、この通り、そろいもそろってひどい成績となってしまいました。

LHSP Ross Detwiler
 8G 10.2IP 5.06ERA 1.69WHIP 4BB 7K
LHSP Cory VanAllen
 7G 19.2IP 7.32ERA 1.93WHIP 6BB 24K
RHRP Zech Zinicola
 12G 13.2IP 7.24ERA 1.46WHIP 3BB 9K
RHRP Adam Carr
 12G 12.1IP 3.65ERA 1.14WHIP 3BB 8K

 打撃陣は好調です。Rhinehartは3試合連続3安打の固め打ちなどもあり、この2週間で打率を80ポイント以上(OPSだと200ポイント以上!)上げました。なにより、打点を荒稼ぎしており、チームトップタイと期待通りの数字を残しています。Desmondも(金、土と2試合続けてノーヒットに終わったため打率こそ落としましたが)好調を維持しており、打順も上位に上がってきました。また、2週間前は出場が少なくて心配していたDavisでしたが、順調に出場を続け、BA/OBS/SLGはかなり高い水準を維持しています。

SS Ian Desmond
 87AB 18R 3HR 16RBI 15BB 22K 253/352/471 3SB
1B Bill Rhinehart
 79AB 17R 3HR 22RBI 9BB 16K 291/371/532 0SB
OF Leonard Davis
 65AB 16R 3HR 13RBI 8BB 11K 338/421/585 2SB

2008年11月16日日曜日

08 Season Review 12 & Off Season Outlook : Right Fielder

(2008 Season for Nationals:GSは右翼手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Austin Kearns 83 313

40

7

32

.217 .311 .316 2
Elijah Dukes 66 195 48 13 44 .264

.386

.478 13

 未完の大器と言われて久しいAustin Kearnsですが、今季は更に失望のシーズンとなりました。開幕から5試合だけ好調で、その後はもう全然ダメ。故障で(というか不振を故障のせいにするという大相撲でありそうな話で)何度も離脱を繰り返した挙句、8月24日にシーズンを終了してしまいました。空いたスポットを埋めたのがElijah Dukes(偶然にも、両者の離脱のタイミングが上手くずれていました)。出場した試合では素晴らしい活躍を見せ、来季への期待が高まりました。ただし、Dukesのライト守備は(強肩を除き)いま一つでした。

 契約が残っている(レッズからトレード獲得した翌年07年に3年契約+1年オプションを結んでいる)ことから、来季もKearnsが先発するしかなく、復活を神様に祈るしかないのか、と思っていたところに入ってきたのがトレードでのJosh Willinghamの(Bowden GM曰く外野手として)獲得の報。

 センターの記事で書いたとおり、Lastings Milledgeを両翼にコンバートする案が浮上しており、かつレフトのレギュラーと目されるWillinghamを獲得した以上、来季のライトはMilledgeが軸になると思われます。Milledgeは何げにチーム本塁打王、打点王、盗塁王でした。健康に1年を過ごした数少ない選手だから、ということで片づけられるかもしれませんが、実は後半戦の成績が299/355/448と、前半の245/312/368から大きく成長したと見ることもできます(ナッツファンとしては、1年我慢して使い続けてきた成長の証と信じたい)。今季は実は4番に入ったときの成績が一番良かった(打率3割超)のですが、チャンスでは打てず(得点圏の成績241/316/316)、パワーもなく、大振りして調子を崩す傾向があるため、現状では6番くらいで打たせたいところです。

 このまま、年俸8M(このままならGuzmanとならんでチーム最高給)のKearnsをベンチに置くなんてばかばかしいし、Bernadinaの出番を奪ってしまうので、なんとかトレードをまとめてきてください。お願いです。

2009開幕予想: Lastings Milledge
(back-up Roger Bernadina)

Pete Orr、Matt Whitneyとマイナー契約

 どうでもいいようなニュースですが、Pete OrrMatt Whitneyの両内野手とマイナー契約。

Pete Orr (2008 season)
75AB 10R 0HR 7RBI 253/282/307 1SB [MLB:WAS]
284AB 46R 2HR 33RBI 275/331/430 19SB [AAA]
 29歳の内野手。契約内容は、マイナー契約(スプリングトレーニング招待)ながら、メジャーロースター入りをした場合に$0.6Mということで、妥当なところです。05年にブレーブスでメジャーデビューし、いい活躍を見せましたが、その後伸び悩み、年俸調停資格を得たところでNon-tenderとされ、FAとしてナショナルズとマイナー契約。スプリングトレーニングで.395という打率を残したもののAAAスタートとなり、メジャーとマイナーを行ったり来たりのシーズンを送りましたが、どちらでも地味な成績しか残せず、先日DFAとされ、一度は退団しました。

Matt Whitney (2008 season)
463AB 57R 10HR 58RBI 268/356/404 0SB [AA:CLE]
 25歳の一塁手。聞いたことのある名前だなと思ったら昨年のルール5ドラフトで指名し、ナッツのスプリングトレーニングに参加していた選手でした。ただ、さっぱり成績を残せず、あっさり3月中にインディアンズに返却され、さらに今季はAAでも微妙な成績に終わり、先日マイナーリーグFAとなっていました。(Aで32HRの07年シーズンはまぐれだったんでしょうね。)一塁手にはBill Rhinehart、Chris Marreroとプロスペクトがそろってしまっているので、25歳になるWhitneyはマイナーのデプスとしか言いようがないです。

2008年11月15日土曜日

08 Season Review 11 & Off Season Outlook : Center Fielder

(2008 Season for Nationals:GSは中堅手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Lastings Milledge 134 523 65 14 61 .268 .330 .402 24
Willie Harris 14 367 58 13 43 .251

.344

.417 13
Roger Bernadina 12 76 10 0 2 .211

.244

.250 4

 全ポジションの中で最も同一選手の先発出場が多かったのが、センターのLastings Milledgeでした。打撃の波もさることながら、不安定な守備を続け(特に打球への初動、判断への評価が低かった)、何度もポジション変更の噂が立ちましたが、アクタ監督は頑なに使い続けました。Milledgeへの信頼というよりも、選手全体へのアクタ監督のメッセージだったように思え、好印象を受けています。ほんのわずかの期間でしたがMilledgeが離脱した間はWillie HarrisRoger Bernadinaが務めました。

 アクタ監督としては公約を実現して1年間Milledgeを使ったわけですが、やはり守備面での不安が大きいと判断されたようで、両翼へのコンバートが示唆されています。必ずしも強肩というわけでもないのに、後方への打球判断に自信がないためやたらと守備位置が深く(補殺わずかに1)、それでも打球が行くとひやひやしましたから、このコンバート案には全面的に賛成です。本人も、(はっきりとではありませんが)ネガティブなコメントは出していません。
 
 で、空くことになる来季のセンターですが、どうやらElijah Dukesという方向のようです。今季は主にライトを守り、センターでの出場はわずか1試合でしたが、前年はレイズで38試合に出場しノーエラー、3補殺を記録しています。打球に対するセンスはよく、守備面だけでも十分アップグレードになるでしょう。そして打撃は・・・もちろんアップグレードになります。今季1号を放った6月5日のダブルヘッダー第2戦からシーズン終了までに出場した58試合の成績は218AB 41R 13HR 42RBI 294/410/555 10SB。健康にそしてトラブルなく1年を過ごしてくれればどんな数字を残してくれるか。.280、30HR、100RBIなんて期待してはいけませんか?

 控えは、Bernadinaに期待したいところです。6月末にメジャーデビューしたときは散々でしたが、9月の再昇格後は、36打数で306/444/389、4盗塁と、セカンドチャンスを見事に活かしました。俊足で守備範囲はもちろん広く、その他の守備要素も平均以上といわれており、いいセンターになれる可能性もあります。ただ、Willinghamの補強によりそもそも25人ロースター枠に入れるかどうかが厳しくなってきました。Penaは論外としても、Willingham、Dukes、Milledge、Harris、Kearnsで既に5人です。何とかHarrisかKearnsをトレードで出して枠を作って欲しい、と切に願います(ま、今季のようにケガ人が出れば、AAAスタートでもすぐにチャンスが巡ってくるかもしれませんが)。Bernadinaのトレードも一部のファンの間でささやかれていますが、絶対出してほしくありません。

2009開幕予想: Elijah Dukes
(back-up Roger Bernadina)

2008年11月14日金曜日

08 Season Review 10 & Off Season Outlook : Left Fielder

(2008 Season for Nationals:GSは左翼手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Willie Harris 58 367 58 13 43 .251 .344 .417 13
Wily Mo Pena 51 195 10 2 10 .205

.243

.267 0

 開幕前は、Elijah DukesWily Mo Penaに多大な(今となっては過大な)期待がかけられていました。開幕スタメンはDukesでしたが、いきなり故障で戦列を離れ、復帰後は主にライトで使われることが多くなり、レフトでの先発出場は7試合にとどまりました。一方のPenaは深刻な不振で、もはやチーム構想から外れつつあります。人材不足は本当にひどく、一時は本職は内野のFelipe Lopezや捕手のPaul Lo Ducaまで使われる始末。

 そんな中でWillie Harrisが意外な活躍を見せ、後半戦は主にHarrisが先発することになりました。30歳のジャーニーマンHarrisの活躍は今シーズンのナショナルズの(良い意味で)1番のサプライズでした。昨季まで通算7本だった本塁打を13本も放つなど、キャリアベストのシーズンを送り、オールスター明けの週にはナ・リーグの週間MVPにも選ばれました(こちら)。

 来季は、マーリンズからトレードで獲得したJosh Willinghamがレギュラーと目されます(Willinghamについてはこちら)。他方、Lastings Milledgeを両翼に回す案がとりざたされており、順当であればライトに入るでしょうが、仮にWillinghamがファーストに回るということになれば、Kearnsをライト、Milledgeをレフトという布陣をとるかもしれません。
 
 Harrisの今季は出来過ぎ。やはり控えが精一杯だと思います。年俸調停権を有していますが、あまり高額にならずに再契約できるといいなあ・・・(こういう契約延長がどうもボーデンGMは苦手のように見えます)。

 フロントが一番頭を抱えているであろう問題はPenaの扱い。10月30日に、球団側は500万ドルのオプションを破棄しましたが、Pena側が200万ドルのオプションを行使。当然トレードを試みるでしょうが、現状では引き取り手が出てくるとは思えません。不良債権って奴ですね。とりあえず、マイナーに落ちてもらうしかありません。

2009開幕予想: Josh Willingham
(back-up Willie Harris)

Cy Young, Manager of the Year

 Cy Young Awardは、ア・リーグがCliff Lee(CLE)、ナ・リーグがTim Lincecum(SF)。両投手ともチームがプレーオフに進めない中で、素晴らしい個人成績を残しました。

 Leeの数字は今季のMLBの1番のサプライズでしょう。春先からいつ転ぶかいつ転ぶかと懐疑的に見ていましたが、とうとう最後まで走り抜けてしまいました(最後の3登板はいまいちでしたが)。ただ、これだけの投球をしても、来季のファンタジーのドラフトで上位指名すべきかどうか迷います・・・。

 メジャー5年目が終わったのでもしや09年終了後にFAか、と思い調べてみて、びっくり。06年8月に長期契約を結んでおり、09年はたった5.75Mで雇え、10年も球団オプションがついており9Mで雇えてしまいます(しかも08年か09年のCy Youngで8Mから増額するという条件が発動された結果・・・)。恐るべしMark Shapiro GM。

 ちなみに、松坂大輔は、Roy Halladay、K-Rodの後の4位でした。

 Lincecumはもはや伝説の域に達しそうな投手。hausさんのこちらの記事がお勧め。ただ、いつも見ていて、あのストライドの長い投球フォームで体を壊さないかと、そればかりが心配です。


 Manager of the Yearはア・リーグがJoe Maddon(TB)、ナ・リーグがLou Piniella(CHC)という順当な結果に終わりました。

2008年11月13日木曜日

08 Season Review ⑨ & Off Season Outlook : Short Stop

(2008 Season for Nationals:GSは遊撃手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Christian Guzman 132 579 77 9 55 .316 .345 .440 6
Albert Gonzalez 10 49 9 1 9 .347

.407

.531 0

 Christian Guzmanが素晴らしいシーズンを送ったことは、Hitter of the Yearの記事(こちら)で書いたとおり。当然、来季もレギュラーとしてフルシーズン活躍を期待しています。

 Guzmanが132試合に先発出場したため控えの出番はあまりなかったわけですが、終盤、出場機会を得たのがシーズン中にヤンキースからトレード獲得したAlbert Gonzalez。出場した試合では、そこそこしっかりした成績を残しました。Anderson Hernandezがショートの控えもできるので、基本的にGonzalezはAAAスタートだと思いますが、Emilio Bonifacioがトレードされたこともあり、さらにRonnie Belliardがトレードされたりするとあっさりチャンスが回ってくるかもしれません。
 
2009開幕予想: Christian Guzman
(back-up Anderson Hernandez)

Josh Smokerが左肩手術

 トッププロスペクトの1人、Josh Smokerが左肩の手術を受けました。
 
 07年の1順目と2順目の間のサンドイッチピックでドラフトされた評価の高い19歳の左腕投手。今季の成績はまずまずといったところ。

 トミー・ジョン(ヒジではないので当然ですが)のような重い手術ではなく、スプリングトレーニングには間に合うということなので一安心ですが、来季も期待して追っていきたい投手なので、ドキッとするニュースでした。
 

2008年11月12日水曜日

08 Season Review ⑧ & Off Season Outlook : Third Baseman

(2008 Season for Nationals:GSは三塁手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Ryan Zimmerman 104 428 51 14 51 .283 .333 .442 1
Ronnie Belliard 25 296 37 11 46 .287

.372

.473 3
Kory Casto 11 163 15 2 16 .215

.297

.313 1

 レギュラーはいわずと知れたRyan Zimmermanですが、今季はファンの期待に全く応えられませんでした。スプリングトレーニングでよく打ち、開幕戦ではサヨナラ本塁打。この上ないスタートを切りましたが、その後4月は低空飛行。5月になって調子を上げたかと思いきや、5月末にスライディングで肩を痛めてDL入り。2か月ほど休むことになりました。復帰後もなかなか本調子には戻らず、最後の1か月ほどで帳尻を合わせてきましたが、結局本塁打(それでもチーム最多タイですが)、打点は過去3年で最低の成績。守備ではさすが、というところも見せましたが、それではファンは納得しません。なんだかんだ言っても現有戦力では最も期待が持てる選手。来季は健康にフル出場して、100打点を目指してほしいところです。

 フルシーズン3年目を終了。調停申請権を取得しました。注目は、当然出てくるであろう契約延長の話。ただ、見通しは明るくないと思います。昨オフ、Zimmerman側はDavid Wrightと同じ規模の契約を要求していたとのことですが、今季302/390/534、33本塁打、124打点、さらに2年連続となるGold Glove賞を獲得したWrightと現時点のZimmermanを同列に論じることはさすがにできないでしょう。一方で、球団側がこの水準でならとしていたTroy Tulowitzkiは263/332/401、8本塁打、46打点という散々な成績に終わりました。こうした点も考慮すると、球団側としては、Zimmermanのプライドを保ちつつ、さりとてWrightよりは安く契約を結ぶチャンスと考えるでしょうが、Zimemrman側とすれば、09年にしっかり好成績を残してそれを材料に長期契約について交渉したいと考えるでしょう。これまでのZimmermanの発言振りからすると、上手くまとめるのは相当に難しいと思います。そこをどうテーブルにつかせるか、こそがGMの腕の見せ所ですが、さてさて。ファンとしては、「WrightとTuloの間であればいいじゃないか、今すぐ合意してくれ」と思いいますが、A***n C**wの件でも明らかなように、オーナーの財布のヒモはかなり固いようです・・・。仮に長期契約できないとするとFAまであと3年か・・・。

 Zimmermanが離脱していた間は、Ronnie BelliardAaron BooneKory Castoが代役を務めました。Belliardは二塁手としてトレードに出すべき。BooneはFA。Castoはいかんせんメジャーでは打てないので、もうあきらめる時期ではないかと思います。AAAでは3割を超えていたのに残念ですが、今シーズンあんなにチャンスを与えられたのに生かせなかったのですから。まあ、Zimmermanさえ健康であればベンチに控えはいらないので、いざという時は他のポジションも守れるユーティリティ(Willie Harris?)で十分ではないかと思います。

 仮にZimmermanが長期離脱することになった場合には、今季突然成長を見せ、球団の正式なMinor League of the Yearに選ばれ、Arizona Fall Leagueでもなかなかの活躍を続けているLeonard Davisを(きっと来季開幕を迎えるであろう)AAAから昇格させることにしましょう。決して守備の評価は高くありませんが、本職はサードということになっていますので。

2009開幕予想: Ryan Zimmerman
(back-up Leonard Davis (Zimmerman故障離脱時))

08 Season Review ⑦ & Off Season Outlook : Second Baseman

(2008 Season for Nationals:GSは二塁手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Felipe Lopez 69 325 34 2 25 .234 .305 .314 4
Emilio Bonifacio 37 157 26 0 12 .248

.305

.344 6
Ronnie Belliard 27 296 37 11 46 .287 .372 .473 3
Anderson Hernandez 15 81 11 0 17 .333

.407

.383 0

 シーズンを通じて最多出場したのはFelipe Lopezでしたが、開幕からしばらくはリードオフも任されましたが、シーズンが進むに連れて成績を落とし、ついに8月になると解雇されました(その後カージナルスで別人のように活躍しました・・・なんでやねん!)。8月以降は、Emilio Bonifacioが基本的にレギュラーとして出場しましたが、なかなか打席で思うような結果を残せず、終盤にはやはりトレードでメッツからやってきたAnderson Hernandezにも先発機会が与えられました。

 昨シーズン後半にこの2人をトレードで獲得していますので、オフに新戦力を獲得することはないと思います。来シーズンのレギュラーは24歳になるBonifacio(右は、ウィンターリーグ、Tigers del Licey@ Dominica Rep.で活躍中の最近の写真)に期待したいと思います(フロントもそう発言してきました)。パワーは全くありませんが、ギャップを抜いた打球を三塁打にできる足があり、またマイナーではしっかり打率を残してきたので、セカンドであればレギュラーとして活躍できるはず。また、守備(特に範囲)は平均以上と見られます。足があるのでリードオフを任せたいところですが、それには三振を減らし、四球を増やしてくれないと。出塁率をマイナーでの通算成績である.340くらいまで上げてくれないことには、今季終盤のように7,8番がせいぜいです。

 バックアップは、26歳になるAnderson Hernandez。今季のナッツでの成績はさすがに出来過ぎでしょうが、かつてメッツで高く評価された選手、バックアップとしては十分だと思います。さらに、2人ともスイッチヒッターなのですが、Bonifacioが左打席でのOPS.690に対して右打席では.457と全く打てない一方、Hernandezは左打席.716、右打席.861なので、プラトーンとして使われるかもしれません。

 Ronnie Belliardは控え内野手としていい活躍をしてくれました。セカンドのみならず、故障まみれのチーム事情からファースト、サードまで守りました。セカンドも含めて守備はそこまでいいとは思えませんでしたが、打撃は96試合の出場ながらキャリアハイのOPS.845を記録。なにげにBrian Roberts(BAL)、Brandon Phillips(CIN)なんかを上回る数字でした。この数字から言えばBelliardがレギュラー候補ですが、34歳になる年齢を考えると再建中のチームにはフィットしません。市場価値が高いオフのうちに(7月では出番不足で価値が落ちている可能性が高い)、攻撃力のある二塁手を求めるチームへトレードするのがベストシナリオかと思います。2年契約の2年目1.9Mという比較的安いサラリー、Mark EllisがA’sと再契約し、Orlando Hudson以外に目玉がいないFA市場に鑑みると、欲しがるチームはいくつもあるのではないでしょうか。ここもGMの腕の見せ所です。

2009開幕予想: Elimio Bonifacio
(back-up Anderson Hernandez)

以上 11月9日 オリジナル
**********

11月12日 追記
 Emilio Bonifacioのマーリンズへの電撃的なトレードが決まりました。これで09年のレギュラー候補にはAnderson Hernandezが昇格。この2人は、ドミニカのウィンターリーグLicey Tigersでチームメイトなのですが、どんな会話を交わしたんでしょうか。

 控えは、このままならRonnie Belliard。個人的には今でもBelliardはトレードで出してもいいと思っていますが・・・。仮に残すのであれば、いっそ夏まではレギュラーとして使って市場価値を上げて欲しいと思います。

2008年11月11日火曜日

Trade: Olsen, Willingham→Nats、Bonifacio, Dean, Smolinski→FLA

 マーリンズとの2対3のトレードに合意との報道。

 Emilio Bonifacio内野手と、マイナーのP.J. Dean投手Jake Smolinski内野手の計3人の若い選手を手放し、いずれもメジャーで3年程度の実績があるJosh Willingham外野手とScott Olsen投手を獲得します。

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【Washington → Florida】

 Emilio Bonifacio二塁手(24歳)は、つい先日記事を書いたばかりでしたが、Jon Rauchとのトレードで今季半ばにDバックスから移籍し、将来の二塁手として期待されていたはずでしたが、シーズン終盤のAnderson Hernandezの活躍であっさり見切られた形になりました。個人的には、Hernandez以上の将来性を感じていたのですが・・・。マーリンズでも(Dan Ugglaはいるもののトレードかポジション変更が予定されており)レギュラーとして出場するでしょうから、ここは来季はっきり明暗が分かれそうです。

 P.J. Dean投手(20歳)は今季ぐいっと評価を上げた2年目(07年ドラフト7順目)の右腕。ショートシーズンのVelmontで10試合に先発し4勝1敗。1.57ERA、0.91WHIPと内容も充実し、オールスターにも選ばれました。BAでは将来先発3番手くらいには成長できる可能性があるとされていた選手らしいので惜しい気もしますが、一番の売り時だったのかも知れません。

 そして、Jake Smolinski内野手(19歳)。07年のドラフト2順目、今季前のプロスペクトランキングではBAで11位、BPで9位と高評価を得ていました。今シーズンはずっとフォローしてきました(シーズンレビューはこちら)が、Aで打撃に苦しみ、少し評価を下げ、現状ではメジャーのレギュラーが取れるかどうか微妙な選手くらいに言われていました。

 3人とも、新天地で活躍してくれることを願っています。

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【Florida → Washington】

Scott Olsen (2008 season for FLA)
33G(=GS) 201.2IP 8W 11L 113K 69BB 4.20ERA 1.31WHIP

 24歳の左腕投手。3年連続30先発以上を記録し、マーリンズのローテーションの柱として活躍。2年連続2桁勝利を上げた後、今季は8勝止まりとなりました。もともとは速球派でしたが、現在は90マイルが精一杯で、むしろコントロールとスライダーで勝負するスタイルになっています。今季の成績低下の要因はいろいろと考えられますが、奪三振率の低下(K/9IP:06年8.3→07年6.8→08年5.0)はかなり顕著で、懸念材料。当然チームとしては、先発ローテーションの柱として大きく花開いてくれることを期待しているでしょうが、さてどうでしょうか。登板過多の気配がありますので、メディカルチェックはちゃんとやって下さいね。

 それから、またしても、こういう選手を集めるのね・・・という感じですが、素行の悪さでも有名です。グラウンドでの乱闘騒ぎは数知れず。高速道路でスピード違反で捕まりそうになったところを逃走ということもやらかしています(もちろん後でしっかり捕まる)。

Josh Willingham (2008 season for FLA)
102G 351AB 54R 15HR 51RBI .254/.364/.470 3SB

 29歳の外野手。右打ち。こちらはマーリンズファンからHammerというニックネームで人気を集めていた選手で、素行面をとやかく言われることはありません。27歳だった06年に打撃を活かすために捕手から外野手に転向して29本塁打を放ち、遅咲きながら長打を打てる選手として開花しました。ナショナルズに欠けていたパワーバットであり、今季は背中の故障でシーズンのうち2か月ほどを欠場しましたが、それでも15本塁打とナショナルズの誰よりも多い数字でした。問題は、この成績低下が故障のためか衰えのためか、という点。フロントはケガのためと判断したのでしょうが、不安です。

 Elijah Dukes、Lastings Milledge、Austin Kearnsに加え、またも右打者です。控えもWillie Harris、Roger Bernadinaなどで駒はそろっている状況なので、そういう意味ではチームにフィットしません。どうするのかな。更なるトレードを考えているかもしれません。ベストはKearnsを出すことでしょうが難しいんでしょう。あるいは、これがNick Johnsonの故障への備えと言うことでしょうか。元捕手ということで捕球術はそれなりに優れており、一塁手としても練習すれば使えるようになると言われています。

 獲得した両選手の契約状況ですが、いずれこのオフに初の調停申請権を取得したばかりです。つまり、あと3年、2011年シーズンまで雇えます。

*************

【Evaluation】
 09年だけで見れば、ナショナルズのほうに軍配が上がるのは間違いないところ。今シーズンあまりパッとしなかった実績ある選手たちを、経費節減に追われるマーリンズの懐事情も考慮して底値買いしたというのが基本構図でしょう。対価は、メジャーの準備は(おそらく)できているものの足と守備はあるがパワーのない二塁手とまだシングルAの若手2枚(どちらも主力選手になれるとまでは見られていない)。普通に来シーズンの優勝を目指すチームであれば、うまくやった、と評価することができるトレードでしょう。

 ただし、まだまだ再建途上にあるナショナルズにとっては、もう少し長い目で検討する必要があります。OlsenとWillinghamが、このまま衰えてしまえばもちろん失敗トレードですが、仮に復活してくれたとしても、上で見たようにポジションが結構埋まっているためマイナーで育ってきている若手(直近で言えば、Jordan ZimmermannやBernadina)の機会を奪ってしまうという側面があります。他方で、財政的な観点からは、少なくとも、両選手ともFA前ということで、そこまで重い年俸負担にコミットしてしまわないので、今後の動きやすさは確保される。これは良い材料。見極めは難しいけれど、契約延長という方法もあります。

 シングルAの選手を2人も含むトレードのため、彼らがどれくらい育つか(育ってほしい気持ちもあるけど)予想することは困難で、現時点での評価はなかなか難しいわけですが、個人的にはこのトレードにいい印象を持っています。Willinghamはナイスガイだし、Olsenも環境を変えて再起してくれることを期待しています。

 Matt HolidayがHuston Street等とのトレードでA'sへ、といった報道が出るなど、いろいろと騒がしくなってきたストーブリーグですが、ナショナルズも思い切って動きました。これはもしかするとMark TeixeiraかAdam Dunnの獲得も本気かも知れませんね。(もちろん、だぶつく野手をどう処理するかという問題も生じるわけですが。)

ROY:Lannanには一票も入らず・・・

 ナ・リーグの投票結果は下記のとおり。Geovany Soto(CHC)が満票に1票足りないだけで圧勝しました。レッズから3人というのが光っていますね。強くなるのかな。我らがナショナルズで唯一各賞レースに名前が挙がるかと期待していたJohn Lannanでしたが、一票も入りませんでした。悲しいです。

2008 NL Rookie of the Year Voting

1st

2nd

3rd

points

Geovany Soto (CHC)

31

1

0

158

Joey Votto (CIN)

1

21

8

76

Jair Jurrjens (ATL)

0

6

16

34

Edinson Volquez (CIN)

0

3

0

9

Jay Bruce (CIN)

0

0

7

7

Kosuke Fukudome (CHC)

0

1

1

4


 ア・リーグはEvan Longoria(TB)が満票。まあ順当でしたね。プレーオフでの活躍もあり、スターダムへ一直線!

2008年11月10日月曜日

Minor League Free Agents

 マイナーリーグのフリーエージェントになった選手達がBAにまとめてありました(他球団はこちらでご覧)。

RHP: Chris Booker (AAA), Bobby Brownlie (AA), Tristan Crawford (AA), Dan Leatherman (Hi A), Joe Norrito (Hi A), Beltran Perez (AA), Carmelo Reyes (DSL), Chris Schroder (AAA), Dennis Tankersley (AAA), Jim Ed Warden (AAA)
LHP: Mike Bacsik (AAA), Arnie Munoz (AAA), Jose Santana (DSL)
C: David Wallace (AAA)
1B: Larry Broadway (AAA), Luis Jimenez (AAA)
2B: William Bergolla (AAA), Bret Boone (AAA), Darryl Lawhorn (Hi A), Trevor Lawhorn (Hi A), Pokey Reese (AAA), Jemel Spearman (AA)
3B: Yurendell De Caster (AAA)
SS: Ray Olmedo (AAA), Ed Rogers (AAA)
OF: Frank Diaz (AAA), Garrett Guzman (AA), Greg Porter (AAA)

 多くの選手は芽が出なかった選手たち。今季メジャーで出場したのはChris Schroderのみ。Luis Jimenez、Garret Guzman、Larry Broadwayなんかはスプリングトレーニングではチャンスを与えられましたが生かしきれませんでした。一部若い選手が混じっている事情は分かりません。
 
 それにしてもBret Boone!!!こんなところに名前があるとは・・・。自分でFA宣言した選手のリストなので、まだ現役続行の意思はあるということでしょうか。あとPokey Reeseも懐かしい・・・。

 他球団も含めて見ると、Brian Lawrence(ATL)、Jason Lane(BOS)、大家友和(CHW)、Hector Carrasco、Franklyn German、Jeff DaVanon(以上CHC)、Rob Mackowiak(CIN)、John Halama、Jeff Weaver、Tony Graffanino、Morgan Ensberg(以上CLE)、Humberto Cota、Oscar Villarreal(以上COL)、Damon Hollins、 Jose Capellan(以上KC) 、Jerome Williams(LAD) 、Jay Gibbons(MIL)、Danny Graves(MIN)、 Victor Zambrano、Ben Broussard、Nick Green(以上NYY)、 Ryan Drese (PIT)、D'Angelo Jimenez(STL)、Julio Mateo(SF)、Craig Wilson(SEA) 、Kiko Calero(TEX)と、悲哀を感じるリストだったりします。そして、多くの選手がCaribbean Winter Leaguesで頑張っていることにも気付きます。

2008年11月7日金曜日

Gold Glove Award

 各賞の発表が始まりました。さすがに今季のナショナルズから誰かが何かに選ばれるとは正直思っていませんが、新人王投票でLannanには少しくらい票が入ることを願っています。

 さて、早速ですが、Gold Glove賞の発表がありました。

[National League]
P
Greg Maddux(LAD) 5年連続18度目
C
Yadier Molina(STL) 初
1B
Adrian Gonzalez(SD) 初
2B
Brandon Phillips(CIN) 初
3B
David Wright(NYM) 2年連続2度目
SS
Jimmy Rollins(PHI) 2年連続2度目
OF
Carlos Beltran(NYM) 3年連続3度目
OF
Nate McLouth(PIT) 初
OF
Shane Victorino(PHI) 初

[American League]
P
Mike Mussina(NYY) 5年ぶり7度目
C
Joe Mauer(MIN) 初
1B
Carlos Pena(TB) 初
2B
Dustin Pedroia(BOS) 初
3B
Adrian Beltre(SEA) 2年連続2度目
SS
Michael Young(TEX) 初
OF
Torii Hunter(LAA) 8年連続8度目
OF
Grady Sizemore(CLE) 2年連続2度目
OF
Ichiro Suzuki(SEA) 8年連続8度目

 守備に関してはなかなか(数字による)客観的な評価が難しいため、印象論というか惰性で選ばれているのではないかと疑いたくなることも多いこの賞ですが、今回は全体にフレッシュな顔ぶれです。

 そんな中で、もはや自動的って感じで選ばれているイチローとHunter、そして信じがたい数字である18度目の受賞となったMadduxには改めて拍手を送りたいと思います。Madduxは引退表明という報道がありましたが、本当かな。まだ先発5番手でなら十分投げられると思うし、「コーチ兼任」とかでナショナルズに来てくれないかしら。あと、ムースはどうするのかな。通算270勝。シーズン前は今季で引退かと言われていましたが、20勝挙げてますから引退はないでしょう。ヤンキースがCCやBurnettの獲得に成功するかどうかを見極めてからかな(ナショナルズには来てくれないよね・・・)。

 ナショナルズにとってのポイントはナ・リーグの三塁手。我らがRyan Zimmermanも守備は高く評価されてきましたが、2年連続となるとWrightには(打、走はもとより、ここでも)差を付けられた感じです。契約延長交渉に影響を及ぼすことは必至でしょう。

2008年11月6日木曜日

08 Season Review ⑥ & Off Season Outlook : First Baseman

(2008 Season for Nationals:GSは一塁手としての先発数。その他の成績は全成績)

GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Aaron Boone 35 232 23 6 28 .241 .299 .384 0
Dmitri Young 37 150 15 4 10 .280

.394

.400 0
Nick Johnson 34 109 15 5 20 .220 .415 .431 0
Kory Casto 20 163 15 2 16 .215 .297 .313 1

 08年のスプリングトレーニング前の時点のロースターで先発が予想されていたのは、Nick JohnsonDmitri Youngの2人。健康が懸念されたとはいえ、2人いればどちらかは働いてくれるだろうと思っていましたが、予想以上に悪く事態は進展し、2人合わせてファーストでの先発出場は71試合にとどまりました(オールスター以降の出場は2人ともなし)。いつどう離脱したかとか、どこが悪かったかとか、今更詳しく書く気になれません。

 結果を見れば、ファーストでの出場は、先発試合数こそYoungが辛うじて最多ですが、途中出場も含めた全試合数、出場イニング数ではなんとAaron Booneが最多という結果になりました。

 JohnsonとYoungの2人は複数年契約を結んでおり、それぞれ5.5M、5Mの年俸で来季もチームに残ります(Youngは10年もオプションあり)。Johnsonについては、つい先日、ようやくリハビリを開始したというニュースがありました。5月に離脱して、ようやく練習開始とは、やはりケガの直りが遅い選手なんですね。開幕には間に合う予定ということですが、間に合ったからって、年間通じて働いてくれると期待するほど楽観主義者ではありません。Youngに至っては糖尿病で選手生命さえ危ぶまれている状況で、11月4日にAAAへDFAされてしまいました(ウェイバーで獲得する球団さえ現れず)。

 トレードやFAで新たな1塁手を探すべきではないかという議論がファンフォーラムでわき起こっています。カリフォルニアで開かれているGMミーティングではMark TeixeiraPrince FielderAdam Dunnあたりにナショナルズが興味を持っているという噂があり、出席しているボーデンGMも否定していないようです。

 計10M以上のJohnsonとYoungの年俸負担を抱えて、更に高額の一塁手を獲りに行くというのが、チーム経営として正しいのかという問題はあります。しかし、まだ若いRyan Zimmermanにチームの顔を一人で引き受けさせるのはさすがに厳しいというのも、今シーズンを見ていて感じたことの1つであり、再建の鍵となる主軸打者が欲しいというのが正直なファンの気持ちです。マイナーには今季はケガで途中休場となったものの期待値の高いChris Marreroがいますが、来季ようやく20歳で、まだシングルA。あと2年はかかるでしょうから、JohnsonとYoungで戦えないとなれば躊躇なく補強すべきでしょう。FA選手を獲っても失うのはドラフト2順目ですし、1順目が(全体ドラ1を含め)2人もいるので資金的に言えばむしろ助かるくらいかもしれない。

 そうはいっても、まずTeixeiraは資金的に勝てっこないんだろうな・・・。Fielderは交換要員を考えるとかなり辛い。そうすると現実的なターゲットはDunn。

 Adam Dunn(写真)。来季29歳とFA選手の中ではまだ若い。三振王でもありますが、出塁率は高いし、なにより5年連続40本塁打以上を続けているそのパワー(パークファクターはあるにせよ)は、今季のナショナルズに全く欠けていたものです。そして、健康面。この5年間は毎年150試合以上の出場を続けています。守備は目をつむるしかありません。今季からファーストも守りましたが、(もともとのレフトも含め)評価はかなり低いです。個人的には、5,6年前にSIの記事を読んで以来、その純粋なバッターぶりに惹かれています(つまり、ファンタジーでドラフトできたら気分が盛り上がる選手の1人です)。

 ボーデンGMとはレッズのGMとして98年のドラフト2巡目でDunnを指名したという縁もあります。そもそもボーデンGMに対しては元レッズの選手を集め過ぎという批判もあるくらいですが、今度ばかりはその批判を気にせず、是非Dunnを口説き落としちゃって下さい!

 Dunnを獲得しない場合は、来季の開幕スターターはJohnsonに期待するしかありません。健康不安への対応として、FAとなったBooneのようなサードも守れるベテランを1枚獲得すべきでしょう。具体的には、Booneと再契約するか、Eric HinskeRich Auriliaが候補か。Johnsonの控えなら純粋な控えというわけではなく、ある程度出場機会は得られるででしょうから、これくらいの選手は契約に乗ってくれるのではないかと見ています。

2009開幕予想: Adam Dunn
(back-up Nick Johnson)

2008年11月5日水曜日

08 Season Review ⑤ & Off Season Outlook : Catcher

(2008 Season for Nationals:GSは捕手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Jesus Flores 78 301 23 8 59 .256 .296 .402 0
Wil Nieves 46 176 15 1 20 .261

.309

.341 0
Paul Lo Duca 19 139 13 0 12 .230 .301 .281 1
Luke Montz 6 21 2 1 3 .143 .308 .286 0

 Jesus Flores(写真)が予想以上にいい働きをしました。チームの育成方針により今シーズンはAAAで過ごすはずが、Paul Lo Duca、Jhonney Estradaの相次ぐ故障により、レギュラーの座を確保。打席では驚くほど勝負強く、打点を稼いでいきました。9月2日のフィリーズ戦でChase Uttleyにタックルを受けて最後の1か月を棒に振っていなければ、チーム打点王は間違いなかったでしょう。打率も、対戦相手に研究されたのか、レギュラーとしてはじめてフルシーズンを過ごしてきたためか、8月に入り少し落としましたが、それまでは.280前後を打っていました。課題は選球眼。後半戦になって三振が増え、四球が減り、かなり懸念すべき数字に落ち込みました。課題といわれていた守備、リード面については、経験を積む中で向上しているようですが、まだまだ平均以下という感じを受けます。 

 控え捕手のWil Nievesも期待以上の働きを見せました。ディフェンスがいいことは期待通りで、特にJohn Lannanの飛躍の影には彼の力が大きかったように思います。また、4月25日のカブス戦で自身メジャー初本塁打となるサヨナラツーランを放つなど、打席でも意外な活躍を見せてくれました。

 来シーズン24歳になるFloresのレギュラーは鉄板。控えはこのままNievesか、セプテンバーコールアップのLuke Montzか、あるいはFAでベテランを獲得するか。いずれにせよ、補強を急がなければならないポジションではありません。

2009開幕予想:Jesus Flores
(back-up Wil Nieves)

2008年11月4日火曜日

08 Season Review ④ Rookie of the Year

Rookie of the Year 2008 : John Lannan


 言うまでもないですね。いちおう、独断の月間ROYを確認しておきます。

4月 John Lannan 
5月 John Lannan
6月 John Lannan
7月 John Lannan
8月 Steven Shell
9月 Mike Hinckley

 この3人の他に、ルーキー資格を持っていた選手で、それなりの出場機会があったのは、打者(100打数以上)ではKory Casto、Emilio Bonifacio、投手(40イニング以上)ではCollin Balester、Garret Mock、Charlie Manningがいましたが、まあ、Lannanとでは勝負になりません。強いて次点をあげるとすれば、Shellでしょう。ただ、どの選手も来シーズンに向けていい経験は積んだと思いますので、それぞれ飛躍してくれることを期待します(Castoは微妙ですが・・)。

(追記)Charlie Manningはマイナーへ落とそうとウェイバーにかけたところ、カージナルスにさらわれました。

AFL (11/3まで)

 AFLの状況。

 投手陣では、Van Allenが厳しい数字です。この2週間の2登板のうち、1試合で3回途中7失点と激しく打ち込まれ、11月3日の試合では3回を1失点で乗り切り初勝利を記録。Zinicola、Carrはブルペンで良い仕事を続けています(Zinicolaは11月3日の試合で1回2失点と打たれましたが、それまでは防御率1点台でした)。Detwilerは調整登板モードのようで、1回限定での登板が続いています。

LHSP Ross Detwiler
 5G 8.0IP 0.00ERA 1.38WHIP 3BB 3K
LHSP Cory VanAllen
 5G 12.2IP 9.25ERA 1.89WHIP 2BB 13K
RHRP Zech Zinicola
 9G 11.1IP 3.18ERA 1.06WHIP 2BB 7K
RHRP Adam Carr
 9G 9.1IP 1.83ERA 1.07WHIP 1BB 6K

 10月25日の試合でDavisとRhinehartがともに2ランを放つなど、打撃陣も数字を伸ばしてきました。しかし、Davisは25日の試合を最後に出場がありませんが、理由は明らかにされていません。Rhinehartの打率、出塁率はなかなか上がってきませんが、打点を稼いでいるのはさすがと言うべき。下位打線ながらDesmondはショートのレギュラーとして出場しており、まずまずの成績を残しています。それにしてもDavisが心配です。故障でないといいのですが。

SS Ian Desmond
 55AB 14R 1HR 9RBI 11BB 14K 273/377/455 1SB
1B Bill Rhinehart
 53AB 8R 2HR 12RBI 6BB 10K 208/300/396 0SB
OF Leonard Davis
 43AB 14R 2HR 11RBI 2BB 7K 326/383/581 1SB

2008年11月2日日曜日

Chad Cordero, Ryan Wager, Pete Orr退団

 ワールドシリーズも終わっていよいよストーブリーグが始まりました。FA宣言やロースター整理に関連した動きなども出てきます。FAは、さっそくOdalis Perezが申請しましたが、まだ他にも出てくると思いますので、後日まとめて報告します。

 今日は、ロースター整理の動きでの3人の退団のニュースを。

 これもMLB特有の制度ですが、ルール5ドラフトという制度があります。詳細は面倒なので(すいません)書きませんが、一定期間マイナー(もちろんメジャーでもいい)で過ごした選手で40人ロースター(NPBで言う支配下登録選手に相当?)に登載していない選手は、他球団が指名して獲得できてしまうという制度です。趣旨は、マイナーでくすぶっている選手に移籍のチャンスを与えること(飼い殺し対策)。ただし、この制度を通じて獲得したチームはその選手を次の1シーズンを通じてメジャー25人枠(DLでもいい)に入れておかなければならないという条件があり、仮に外すのであれば原則として元の球団に返却しなければなりません。

 この制度を使った移籍が実現した選手としては、Johan Santana(99年オフにHOUからFLA経由でMINへ)が有名ですが、ナショナルズではJesus Flores(06年オフにNYMから獲得)がいます。

 このルール5ドラフト、今年は12月11日に予定されており、各チームはそれまでに40人ロースターを整理することになります(奪われたくない選手を登載し、まあいいやという選手を外していく)。この外していくプロセスは、designated for assignment(いわゆるDFA。outrightというのもありますが、どう違うのか正直理解できません・・・)などを経て、つまりはマイナーに落とすことになります。ただし、その際にはウェイバーにかける必要があり、さらに、ウェイバーを通ったとしても、一定のベテランは本人がマイナー行きを拒否することができることになっています(FAになる)。

 で、シーズン終了後、ナショナルズでも既にいろいろな動きがあります。

 まず、Charlie Manning、Ryan Langerhans、Lavel Speignerの3人が外されることになり、このうちCharlie Manningがカージナルスにウェイバーで奪われたのは既報の通りです(LangerhansとSpeignerはAAA Sylacuseへ)。

 そして今回、Chad CorderoRyan WagerPete Orrの3名に対して、マイナー行きの決定が行われましたが、3人ともこれを拒否。ナショナルズを退団してFAとなりました。

 Corderoは言わずと知れた元クローザー。本当にがっかりのシーズンでした。今季年俸が600万ドルで、調停申請権があるため、高すぎるという判断になったようです。本当は安く再契約したいところですが、そうもいかないんでしょうね。Wagnerは元ドラ1で、Felipe LopezやAustin Kearnsとともにレッズから移籍してきましたが、期待はずれで年々成績を落とし、今季はAAAでも打ち込まれていました。まだ25歳ですが、再起はあるでしょうか。来季には30歳になるOrrは、メジャーでもAAAでもパッとしない1年だったのでしかたないかな。

08 Season Review ③ Pitcher of the Year

Pitcher of the Year 2008 : John Lannan

G IP W L S K ERA WHIP
Tim Redding 33 182.0 10 11 0 120 4.95 1.43
John Lannan 31 182.0 9 15 0 117 3.91 1.34
Odalis Perez 30 159.2 7 12 0 119 4.34 1.48
Colin Balester 15 80.0 3 7 0 50 5.51 1.50
Jay Bergmann 30 139.2 2 11 0 96 5.09 1.43
John Rauch 48 48.1 4 2 17 44 2.98 1.01
Joel Hanrahan 69 84.1 6 3 9 93 3.95 1.36
Saul Rivera 76 84.0 5 6 0 65 3.96 1.49
Steven Shell 39 50.0 2 2 2 41 2.16 1.08
Garret Mock 26 41.0 1 3 0 46 4.17 1.46
Mike Hinckley 14 13.2 0 0 0 9 0.00 0.81

 全く迷う余地がありません。勝ち星、奪三振ではTim Reddingの後塵を拝しましたが、先発陣唯一人の防御率3点台。シーズン通じて安定した投球を続け、クオリティ・スタート(QS)は31先発のうち21試合(MLB全投手中の16位タイ)を数え、QS率68%は20先発以上の投手128人中の18位という堂々たる成績でした。勝ち負けは逆(15勝9敗)でも不思議ないのに、そうすれば当然新人王候補にもなったのに、と残念というよりLannanに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 
 ストライクゾーンを広く使って球を出し入れする投球術が素晴らしく、ほぼ完成された投手のようにも見えますが、体を更に作ればストレートの球威が増すのではないかといわれています。将来は、マイナーの選手が育ち、フリーエージェントでもしっかり補強するという前提で、2011年のNLDS第3戦に先発できる投手に育ってくれることを期待しています。まず来年は2桁勝たせてあげたい!

 ここでも月間MVPを振り返ります。(5月のバーグマンは一瞬の幻でした。)

4月 John Lannan 
5月 Jayson Bergmann
6月 John Lannan
7月 John Lannan
8月 Odalis Perez
9月 Mike Hinckley

 次に勝ちゲームのMVP POINT。ここでもLannanが6Wで独走。Odalis Perezが4Wで続きましたが、後は2W以下。いかにLannanが素晴らしいシーズンを送ったかは明らかです。

 次点らしい次点はいませんが、強いて挙げるならJon RauchとSteven Shell。RauchはフラッグディールトレードでDバックスに移籍していきましたが、それまではまさにブルペンのアンカーとして大いに活躍してくれました。Rauchの移籍と同じ頃に登場したのがShell。なかなか芽が出ない投手でしたが、チャンスをつかみました。後半戦はブルペンでもっとも頼りになる選手に成長し、メジャー初勝利も記録。今シーズン最も伸びた選手の一人です。

2008年11月1日土曜日

08 Season Review ② Hitter of the Year

Hitter of the Year 2008 : Christian Guzman

(2008 Season)
AB R HR RBI AVG OBP SLG SB
Jesus Flores 301 23 8 59 .256 .296 .402 0
Ryan Zimmerman 428 51 14 51 .283

.333

.442 1
Cristian Guzman 579 77 9 55 .316 .345 .440 6
Lastings Milledge 523 65 14 61 .268 .330 .402 24
Austin Kearns 313 40 7 32 .217 .311 .316 2
Elijah Dukes 276 48 13 44 .264 .386 .478 13
Felipe Lopez 325 34 2 25 .234 .305 .314 4
Ronnie Belliard 296 37 11 46 .287 .372 .473 3
Willie Harris 367 58 13 43 .251 .344 .417 13
Aaron Boone 232 23 6 28 .241 .299 .384 0

 チームとして全く打てなかったナショナルズでしたが、その中で唯一シーズン通じて高い水準の打席を続けてくれた打者が、Christian Guzmanでした。アクタ監督もシーズン終了直後に公言していますし、いろんな応援ブログもほぼ一致して、今シーズンのナショナルズのHitter of the Yearとしています。

 違う見方をすると意外な選手の名前も浮上するのですが、それは後で書くとして、まずはGuzmanの今季を振り返っておきます。
 
 4年契約の最終年。過去3年間、06年の全休を始めほとんど仕事ができずすっかり不良債権扱いされていましたが、復活しました。シーズン後半は時々お休みしながらも主に2番ショートとして138試合に出場。いずれもリーグ4位となる183安打、打率.316を記録しました。打撃の向上には視力矯正出術がポイントだったようですが、そもそも肩をはじめとするケガを再発させずグラウンドに立てたことだけでも、(他の選手が軒並みケガに見舞われたことを思うと)感謝したいくらいです。そんなGuzmanのハイライトは8月28日のサイクルヒット達成。ホームラン、シングル、ダブルと打った後、8回の最終打席のトリプルで見事に記録し、チームも大勝。そんな活躍で、オールスター明けの7月に2年1600万ドルの契約延長。再建中のチームには高いようにも思いますが、FA市場に出ればもう手が届かなかったかもしれません。健康、かつ成績を落とすことなくシーズンを終えたということを考えると、基本的にはいい契約だったと見ています。来年も上位打線を打つことになるでしょうが、2番ならもう少し出塁率を高くして欲しいところです。

 さて、GuzmanをMVPとするかどうかの前に、当ブログで独断で選んでいた月間MVPを振り返っておきます。

4月 Wil Nieves
5月 Cristian Guzman
6月 Elijah Dukes
7月 Willie Harris
8月 Lastings Milledge
9月 Elijah Dukes

 これを見ると、Guzmanが選ばれたのは5月だけですね。そうそう4月はNievesを選んだんだった。実働3か月のDukesが、そのうち2か月で月間MVPを獲得と、いかに素晴らしい才能の持ち主であるかが改めて確認されますね。Guzmanは1回。

 次に、チームの勝利毎に1人ずつ選んできたに貢献したMVP POINTを改めて振り返ってみます。これだと、Ryan Zimmermanが6Wで1位なんですね。さすが勝負強いところを見せたというべきでしょうか。続くのはDukesが5W、Milledge、Flores、Harrisが4W。Guzmanは、わずか3Wでした。

 こうしてみると、Guzmanで本当にいいのかな、という気もしてきます。確かに、こつこつときっちり成績を残してきたGuzmanではありますが、強い印象を残した試合は先のサイクルヒットの試合くらいでした。それに比べるとZimmerman、Dukesは、先日の独断で選ぶベスト5試合でも書いたとおりインパクト抜群(まあ、Zimmermanに関しては、出場している間だけ連敗し、欠場とともに連敗脱出ということもありましたが(笑))。記録に残る選手と記憶に残る選手。MVPをどちらが受賞すべきかというのは大いに論争のあるところです。でも、さすがにシーズンの半分くらいしか出場しなかった両選手と比べてはGuzmanが可哀想。ということで、私もGuzmanを選びました。

 ところで、上記では割愛していますが、スタッツを見ていてトリビア的な事実を発見。最多出場試合を記録したのは、なんとWillie Harrisでした(140試合)。途中出場も含め、セカンド(14)、サード(14)、ショート(3)、レフト(86)、センター(17)と見事なユーティリティーぶりでしたが、まさか最多試合出場とは・・・。