続いて投手編。Collin Balesterは、これをもってプロスペクト卒業です。
LHS Ross Detwiler (Age 22 ‘07#1)
[A+] 26G 124.0IP 8W8L 114K 57BB 4.86/1.59
いわずと知れた昨年のドラフト全体6位入団の左腕。今シーズンの開幕は、昨シーズンも5試合に登板していたA+ということで、順調ならシーズン中にステップアップしていくものと期待されていました。しかし、支配的な投球を見せるには至らず、結局、そのままフルシーズン過ごしてしまい、Potomacの一員としてリーグ優勝してしまいました(ポストシーズンでは2試合に登板して1勝0敗。10回1/3を13奪三振で4失点。)。
課題は制球力と決め球、特に後者と言われています。球の走りが良い日は空振り三振が増えるのですが、そうでない日に打者を打ちとる球がないために球数ばかりが増えていく・・・。そんなに失点しているわけではないのに球数がリミットに到達し5回もたずに降板という試合が何度もありました。一度などは投球数が40球に達したために、1失点ながら初回2死満塁の場面で降板させられるということもありました(打者1人当たり7球を要したという計算になりますね)。
それでも、シーズンが進むにつれ少しずつ防御率は良くなっていきました(月間防御率4.74→5.33→7.94→3.97→3.67)。チームとして優勝した(自身の最終登板も勝ち試合となった)こともあり、良い感じでシーズンを終えたのではないでしょうか。来シーズンの開幕は、もう一度A+か、AAに昇格か、悩ましいところです。来シーズン9月までには、メジャーに声がかかるくらいの活躍が欲しいところです。
RHS Collin Balester (Age 22 ‘04#4)
[MLB] 15G 80.0IP 3W 7L 50K 28BB 5.51/1.50
[AAA] 15G 78.2IP 9W 3L 64K 23BB 4.00/1.30
順調にステップアップしてきて迎えた、高卒入団で5年目。メジャーのスプリングトレーニングにも参加しました。開幕はAAA。4月、5月は防御率4点台と、ぴりっとしませんでしたが、次第に調子を上げ、6月は4戦全勝防御率2.82という好成績を残し、7月1日に故障離脱のShawn Hillに代わってメジャー昇格を勝ち取りました。
その初先発で5回1安打1失点の好投を見せ勝ち星をあげると、打順が2回り目に入る頃になると球が高めに上ずり出して打たれるという悪いパターンが見られる時もありましたが、そのまま3か月間、ローテーション投手として試合を作り続けました(勝ち星が伸びなかったのは攻撃力から言って仕方ない)。最終登板となった26日のフィリーズ戦でめった打ちされたのは、残念でした。
スプリングトレーニングしだいですが、来シーズンもローテーションの3,4番手として期待されるはず。更なる飛躍を!
RHS Jordan Zimmermann (Age 22 ‘07#2)
[AA] 20G 106.2IP 7W 2L 103K 39BB 3.21/1.20
[A+] 5G 27.1IP 3W1L 31K 8BB 1.65/0.84
2年目の今シーズン、もちろん期待はしていましたが、同期のDetwilerと一緒にA+で開幕を迎えることもあり、どうしても「2番手」という感じで見ていました。ところがシーズンが始まると、A+の打者を圧倒。4月末には週間MVPも獲得し、5月上旬にAAに昇格を果たしました。もはや、押しも押されもせぬ、プロスペクト「1番手」となりました。その後はAAでローテーションをしっかり守り、文句の付けようのない数字を残しました。奪三振数は、ナショナルズのマイナー全投手中で最多を記録。
9月の昇格候補にも名が挙がりましたが、投球回数が予定に達していたこと、ルール5のためにプロテクトする必要がないことなどから見送られました。来シーズンは、スプリングトレーニングでメジャーのローテーションを争わせることをボーデンGMが明言していましたので、楽しみにしたいとは思いますが、あまり急がず、しっかりAAAで投げさせたい投手です(開幕AAAで、夏頃昇格なら十分です)。
RHS Colton Willems (Age 20 ‘06#1)
[A] 20G 109.1IP 5W9L 60K 31BB 3.70/1.23
勝ち星こそ伸びませんでしたが、防御率が4点を上回ったのは5月だけ。安定した投球でAのローテーションを1年間守りました。奪三振率がやや低いのは気になりますが、90マイルを少し超えるストレート中心の組み立てでしっかり打ち取れたようです。
高卒3年目。ここまでは順調。来シーズンは、A+に昇格でしょう。期待しています。
LHS Jack McGeary (Age 19 ‘07#6)
[A] 1G 4.0IP 0W0L 5K 3BB 4.50/2.25
[Rk] 12G 59.2IP 2W2L 64K 13BB 3.07/1.24
進学希望が強かったためドラフト指名順位は下がりましたが、元々素材は高く評価されていた大型の左腕。実質プロ1年目の今年は、GCL(Rk)でシーズン通じてローテーションを守り、当初は不安定な投球もありましたが、次第に調子を上げてきました(8月の防御率は2.28)。また、イニング数を上回る三振を奪ってリーグの三振王になりました。ストレートの球速が昨シーズンよりも増した(90マイルを少し上回る)ことに加え、チェンジアップ、カーブの制球も良くなったようです。
早く昇格させたいところですが、上記の契約のため、やや不透明です。
LHS Josh Smoker (Age 19 ‘07#1s)
[A] 5G 18.0IP 0W4L 21K 9BB 11.50/2.22
[Rk] 6G 26.1IP 2W1L 16K 13BB 1.37/1.25
ジェットコースターのようなシーズンを過ごしました。4月の開幕はフロリダのチーム・サイトで迎え、そのままショートシーズン開幕まで待機かと言われていましたが、フロリダでの練習で高評価を得て、5月下旬にHagerstown(A)で実質プロ1年目をスタートしました。
ところが、結果は散々。三振数こそイニング数を上回りましたが、とにかくヒットを(本塁打も)打たれ、5試合に先発しながら1勝も挙げることができないまま、1か月であえなく降格となりました。
そして、約1か月の間、フロリダのチーム・サイトで実戦から離れた練習・調整に費やし、7月後半にGCL(Rk)に合流して6試合に先発し、別人のような支配的な投球を見せました。誰だか知りませんが、復活させた投手コーチ、偉い!!
来シーズンはAでリベンジを期待したいです。そして、ステップアップしていって欲しい。
Minor League Pitcher of the Year 2008 :
Jordan Zimmermann
同期のDetwilerよりも前に出ると期待していた人は少なかったはず。ストレートの球速は90マイル台前半ながら、堂々とした投球スタイルで打者を圧倒していたようです。成功するためには、こういった雰囲気・オーラのようなものが必要だということでしょうか(英語ではmake-upと表現されています)。これからが本当に楽しみな、本物のトッププロスペクトです。
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