2011年12月25日日曜日

2011シーズンレビュー3: 野手MVP Morse

続いて野手です。

【捕手】
開幕前の見立てでは、PudgeとRamosが併用され、次第にRamosのウェイトが増していくと思われていましたが、開幕からの打撃好調でRamosが早々にレギュラーの地位を確立。途中息切れしましたが、シーズン終盤はまたよく打って、結果的には15本塁打。ルーキーシーズンとしては文句なし。打てる捕手として大いに期待されます。盗塁阻止率もかなり高く、またリード面でも格段の進歩を見せました。Pudgeの指導もあったのではないかと思われます。

Pudgeは出場機会が激減しながらも決して腐った様子を見せず、さすがHall of Famer(当確)の品位を見せてくれました。盗塁阻止率5割と守備は今でも一流も、いかんせん打てず。そして7月上旬に腹筋の故障で離脱。当初思われたより回復に時間がかかったこともあり、残念な数字に終わりました。しかし、それよりなにより、Ramosの指導をしてくれたことに大いに感謝。FA退団しましたが現役続行の意向。あと156本となっている通算3000本安打目指して新天地で頑張ってください。

Pudgeの離脱後はFloresが久しぶりのメジャー復帰。打撃成績は残せませんでしたが、まずは健康にプレーできただけでもよかったのではないでしょうか。

【内野手】
一塁は、オフに2年契約を結んだLaRocheがスプリングトレーニング中に肩を故障。とりあえず開幕したものの極度の打撃不振で早々にDL入り。手術を受けてシーズン終了。ここまでは全くの期待外れです。

LaRoche離脱後ファーストに入ったのがMorse。自身も開幕から1か月は打撃不振でしたが、一塁で常時出場するようになった5月以降打ち始め、そのままシーズン終了までハイレベルで打ち続けました。およそほとんどの打撃部門でチームトップ。ナ・リーグMVP投票でも、5ポイントで19位に入りました。昨季までは一流投手との対戦では圧倒されているように見えることもありましたが、今季は自信を持って打席に入っていました。魅力はなんと言ってもパワー。バックスクリーン、さらには右方向に強い打球を打てるパワースイングで、Beast(野獣)のニックネームを獲得しました。既に29歳ということで、おそらく今がピークと思われますが、来季も主軸と期待されます。9月になり、ルーキーのMarreroが昇格してファーストに入るとMorseはレフトに戻りましたが、打撃の調子は落ちませんでした。

三塁はZimmremanが不動のはずでしたが、スライディングで脇を傷めほぼ2か月欠場。その間、CoraやHairstonで埋めましたが、戦力ダウンは明らか。Zimmremanは出場していたときも長打力で数字が大きく下がったことが気になります。

二遊間は、2年目のDesmondとルーキーのEspinosaが年間通じて頑張りました。Desmondは相変わらず守備が安定しないこと、打撃でも出塁率が低いこともあり、長期的にはアップグレードを考えたほうがいいのではないかという気もしますが、まだ伸びシロはあると思われます。対して、Espinosaは好守とも素晴らしかった。特に守備はゴールド・グラブ候補に上がっても不思議ないレベル。打撃も、後半戦に失速しましたが、前半は新人王の有力候補と言われるほど長打、打点を量産。長打力のある二塁手は貴重です。こちらは今後何年にもわたってチームを支えること間違いなし、と信じられる内容でした。

【外野手】
鳴り物入りで入団したWerthでしたが、打撃はさっぱりでした。チャンスに凡退、しかも三振、しかも見逃し三振のシーンがどれほどあったことでしょう。ライトと、9月に守ったセンターの守備はまずまずでしたが、高年俸とっているんだから、来季はこんな打撃成績では許されません。

センターは今季も安定しませんでした。最多出場機会を得たのがAnkiel。強肩の見せ場は何度かありましたが、いかんせん打てず。個人的にお気に入りのBernadinaもチャンスをものにすることができず。いいときは打席でも素晴らしく、守備でも記憶に残る好プレーを何度も見せてくれましたが、悪いときは好守とも集中力を欠いているとしか思えないようなお粗末なプレーがありました。ベンチ・フロントからの信頼はかなり低下しており、来季は出場機会を得られるかどうか・・・。

レフトは、Morse(右)とLaynce Nix(左)の併用で開幕。Morseが一塁に回った後はNixが頑張りましたが、Nixが故障で調子を落とすとやりくりに苦労しました。7月にレッズから獲得したGomesは完全に期待外れ。来季はMorseが戻ることになります。

【MVP】Michael Morse
文句なしでしょう。ただ、勝手MVP Pointでは、8WでEspinosaとタイでした。特に前半戦はEspinosaのクラッチぶりが目立ちましたから。

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