今季成績などに関しては、先日のPitcher of the Yearの記事を参照して頂ければと思いますが、開幕時のローテーション投手でシーズン終了までベンチにいたのがJohn Lannanただ1人だった、という事実が今季のナショナルズ先発陣の苦境を表しています。
(2009年シーズン開幕時ローテーション)
John Lannan
Scott Olsen→左肩故障で7月にDL入り。手術でシーズン終了
Daniel Cabrera→5月末にDFAされて退団
Shairon Marits→不振のため6月末にAAAへ降格
Jordan Zimmermann→右ヒジ故障で7月下旬にDL入り。TJ手術・・・
[オフ・来季の展望]
来季のナショナルズの先発投手を語ろうとすれば、何と言っても、Stephen Strasburgがその話題の中心。開幕は?デビューは?いろいろな意見がありますが、個人的には、来季の「開幕」デビューは早過ぎると思っています。野手では、極めて希ながらマイナー経験のないままにメジャーデビューを果たした選手もいますが、投手で、ということになるとおよそ聞いたことがありません(日本からの助っ人は除く)。まずはマイナーで中4日の投球間隔のルーティーンを確立すべきではないかと思っています。新人王レースには間に合って欲しいので、5月頃にメジャーデビューさせればいいのではないかと(例の調停関連の問題もあります)。
さて、このシリーズの主題は来季の「開幕」に向けての展望です。そこで、まずは現有戦力の確認からしておきます。
(2009年シーズン終了時のローテション)
John Lannan
Garret Mock
Livan Hernandez
Ross Detwiler
J.D. Martin
このうち、来季のローテーション入りが確定しているのはLannanただ1人でしょう。LivanはFAで退団。他の3投手は、今季ルーキーとして先発機会を与えられたCraig Stammen(故障離脱)、Shairon Martis(不振降格)、Collin Balester(不振降格)とともにスプリングトレーニングで争う立場となりそうです。なお、Livanを除く以上の選手は全て年俸調停前(Lannanは年俸調停前最終年)。
年俸調停といえば、Olsenの扱いが焦点の1つ。昨オフにマーリンズからトレードでやってきて、先発の一角と期待されましたが、左肩の痛みのためにパフォーマンスが低下し、7月にシーズン終了となってしまいました。手術を受け、リハビリに励んでいますが、故障箇所が箇所だけに元の姿に戻れるかどうかは不安視されています。年俸調停2年目で今季年俸が280万ドルと、若干高めの金額だけに、球団がどう判断するか注目です。個人的には、契約すべき投手だと思います。もちろん故障の回復具合しだいでは全くの無駄金になる可能性もある「ギャンブル」ですが、来季26歳と自然治癒力もまだ高いであろう年齢だし、先発としての耐久性が戻らなくても、左腕ということもあって使いではあるでしょう。賭けてみる価値はあると思います。
上述のように、今季のナショナルズはボーダーラインの投手を大量にメジャーデビューさせたので、マイナー組織でメジャーデビュー間近という投手は多くありません。Strasburgを除けば、Nick JohnsonとのトレードでマーリンズからやってきたAaron Thompsonくらいです。ただ、さすがにいきなり開幕メジャーというのは想像しにくい。AAAでしっかり投げてチャンスをうかがって欲しいところです。
以上が現有勢力ですが、個人的に期待したいのはDetwiler。07年ドラフト1順目のトッププロスペクト。今季中にメジャー昇格できればと思っていましたが、予想を上回る早さでローテーション入りしました。なかなか勝ち星には恵まれませんでしたが、9月以降は良いボールを投げ、1.90/1.23という好成績でメジャー初勝利も記録。もともと素質を評価されていた投手がようやく伸びてきたというところですから、育成という視点を持って、来季は開幕からローテーションで我慢して使ってやってくれないかなと思っています。というか、使わないともったいない。
各種報道を見ていると、ナショナルズのフロントは1,2人は先発投手をFAかトレードで獲得するつもりとのことです。今季は若手投手がローテーションの大部分を占め、ベテランと言えば、LivanやCabrera という若手の範になることがあまり期待できない投手ばかりでした。また、Lannanも好投手ですが、相手チームのエースと対決させるにはやや荷が重かったことは否定できません。是非是非しっかりした投手、若手投手の成長にプラスとなるような投手を獲得してもらいたいところです。
FA投手のリストを見ると、John LackeyやRandy Wolfにはさすがに手が届かないとしても、Erik Bedard、Jon Garland、Rich Harden、Braden Looper、Jason Marquis(連続プレーオフ進出記録更新中)、Joel Pineiro、Doug Davis、Jarrod Washburnあたり(順不同)と契約してくれないかなあとぼんやり思っています。 トレードならJavier Vasquezなんてどうかなぁ・・・。
12月9日時点では、John Smoltz、Pineiro、Washburn、Garland、Vicente Padillaあたりが噂に上がっていますが、Padillaは今季後半だけ良かったものの元々が問題児なので若手の範となるという期待に応えてくれそうにもありませんからダメ。トレードに関しては、レッドソックスがWillinghamに関心を持っているという情報もあります。Jason Bayとの交渉次第ということでしょうが、実現したら狂喜乱舞しちゃうんだけどなぁ(あえて名前は出しませんが)。
2010開幕予想:
John Garland
John Lannan
John Smoltz
Ross Detwiler
Craig Stammen
(ダークホース:Michael Bowden)
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