1. 日韓5度の対戦について
今大会、日韓は5度対戦しました。結果は日本の3勝2敗。日本が戦った9試合の実に半分以上が韓国戦でした。
このようになったのは単純にブラケットの組み方に原因があり、次回大会(2013年)では、再考すべきでしょう。キューバのカストロ議長に言われるまでもなく、前回大会やオリンピックでの戦績を元に、確率的に米国チームが決勝まで進みやすいようなブラケットを意図的に組んでいることは明らか。1次リーグで同組だったチームを2次リーグでは別組にするようにするだけですから、簡単なことでしょう(主催者が米国ひいきを止めさえすればですが・・・)。
しかし、それはともかく、この5回の対戦がいろいろな面でいい効果を持っていたようにも思います。
まず5試合を通じて、日韓両チームともがチームとして成長したように見えたのは私だけでしょうか?もちろんそれぞれ他の国との対戦もしていますが、節目節目での対戦で、一番本気でぶつかり合えたのが両チームの対戦でした。日本チームはもちろんのこと、韓国チームにしても、最終戦は妙に肩に力が入らず本来のプレーができるようになっていたように見えました。日本がコールド勝ちした初戦から、対戦のたびにいい試合になり、最終戦は両チームが、熱くかつフェアな戦いをした本当に素晴らしい試合でした。
さらに、メディアを含めて日本の野球ファン(私も含む)が、韓国野球への認識を新たにしたのではないでしょうか?日韓戦というとどんなスポーツでも対抗意識が先に立ってしまう部分がありましたし、直接対決での対戦成績が悪くても、オリンピックで金メダルを奪われても、どこかで韓国野球に対する見下したような態度があったように思います。それが、この短期間に5試合を見守った今、韓国野球との力の差のなさを認識し、切磋琢磨し合えるライバルとして、とてもポジティブな意識に変わっている自分に気付かされます。皆さんはどうですか?
願わくは、韓国国民も同じように感じてくれていればいいのですが。そして、サッカーでは、奪い合いの末に押し付けられるようにして2002年に日韓共催ワールドカップが開催されましたが、どうでしょうか?第3回とは言わずとも第4回WBCを日韓共催するっていうのは?
2.MVPについて
MVPは松坂。松坂???イチローじゃないのか?大会通じて不調と言われてきたとはいえ、最後の一仕事で十分、値します。
投手の中でも岩隈でしょう。松坂は、確かに昨日も書いたとおり3勝した唯一の投手ですし、2次ラウンド初戦のキューバ戦での投球は圧巻でしたが、さすがに岩隈の貢献度には及ばないでしょう。2人の成績を比べてみます。
Matsuzaka 3G(3GS) 3W 0L 14.2IP 14H 5BB 13K 2.45ERA 1.30WHIP
Iwakuma 4G(3GS) 1W 1L 20.0IP 12H 6BB 15K 1.35ERA 0.90WHIP
岩隈の黒星は1次リーグでの韓国戦での0-1敗戦。今日も勝ち負け付かずでしたが、内容は見てのとおり。同じ球数制限の下で投げて、投球回数の差を見るだけでもどちらが相応しいかは明らかでしょう。リリーフ登板さえしています。私の中ではイチローと岩隈の2人が甲乙付け難いCo-MVPです!!!
参考まで、当日の松坂、原監督、イチロー、岩隈の談話を載せておきます。どれもいい談話です。
松坂の談話
連覇の道は難しいと思ったが、力を合わせて、たどり着けた。前回より日本(のファンの)盛り上がりがすごくて、プレッシャーがあったが、その分勇気とパワーをもらえた。現地ではなかなか盛り上がりを実感できなかったけれど、(連覇で)日本が元気になってくれたらいいなと思います。
(MVPは)今回に関しては僕だと思わなかったですね。岩隈くんにちょっと悪いなと思いましたね。内容はともかくこの大会では勝つことが一番重要なのでその仕事を果たせたのでよかったと思います。試合開始前からものすごい緊張感のなかで、でもすごくいい雰囲気で、いけるんじゃないかと思いました。
原監督の談話
(イチローの)あのセンター前ヒットは生涯忘れない。岩隈も最高のいいピッチングだった。(投手陣)13人みんなの思いが送り出したと思う。
(今日の試合については)うまい監督さんならもう少したくさん点を取れたでしょう。それでも辛抱しながらやった。とにかく我々の目的は勝つということで、声援を頂きました。プレッシャーにつぶされそうになったけれども、全員ではねのけて喜びを分かち合えるということは日本のためにも良かったと思います。
イチローの談話
ありがとうございます。いやーもう、苦しいところから始まって、苦しさからつらさになって、つらさを超えたら心の痛みになった。最後は笑顔になれた。最後の打席では神が降りてきましたね。自分(の心の中)で実況しながら打席に入った。一つ壁を越えた。
(「今大会は山あり谷ありでしたが」と質問され)谷しかなかった。最後に山が来ました。これからシャンパンファイト、思いっきり浴びてきます。
岩隈の談話
みんながついていたので、堂々と投げることができた。同点になったときは「これが野球だ」と思ったけど、イチローさんのヒットで(勝利を)確信した。(決勝の先発)すごい緊張もしたし、すごい大役を任せてもらえたのは、自分自身もいい経験になった。これを自信にしてこれからの野球人生頑張りたい。
3.一番感動したシーン
もう年かなあ、こういうのが泣けるなんて。
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