いよいよドラフト会議が7時間後に迫りました。まず間違いないと信じていますが、Stephen Strasburgを指名するその瞬間までドキドキです。
直前企画としては手抜きだと言われるかもしれませんが、以下、Stephen Strasburgに関する5月28日時点でのBAのスカウティング・レポートの全訳です。
#1 STEPHEN STRASBURG, RHP, SAN DIEGO STATE
ドラフトの歴史において、Strasburgほどドラフト前に騒がれメディアに取り上げられたプロスペクトはいない。また、そのように注目を集めることは当然である。スタッフ [訳者注1]、投球術、制球力のコンビネーションにより、一世代に1人の天才とされる。全国的な雑誌、テレビ、大新聞による取材を受けながら、Aztecs [訳者注2]で素晴らしいシーズンを送った。比較的低い評価で勧誘されながら、大学で身体的にも精神的にも飛躍的に成長した。1年生時はクローザーを務めBAにより2007年のNew England Collegiate Leagueのナンバー1プロスペクトにランクされると、2008年には、ユタ大学戦での1試合23奪三振に代表されるような、支配的な先発投手として頭角を現した。大学全米代表と昨夏のオリンピック米国代表チームの両方で投げ、プロ選手で構成された米国代表チームのロースターに名を連ねた史上初のアマチュア選手となった。オリンピックの準決勝でキューバに敗れたが、それがStrasburgにとっての最後の敗戦である[訳者注3]。彼の2009年のスタッツは、強豪大学のレベルで戦った選手のものとは信じられないほどである。空軍学校との対戦でノーヒットノーランを達成した時点で、11勝無敗、防御率1.24、87回を投げて164奪三振に対して17四球であった。今季許した安打はわずかに48、対戦打率は.161であった[訳者注4]。身長196センチ、体重100キログラムのStrasburgはその衝撃的な球速でまず注意を引く。今季開幕戦の最初の6球において98-99マイルを記録し、シーズン中には100マイル、101マイルに達した。もちろん球が速いことはメジャーリーグでの成功を保証するものではないが、Strasburgはそれだけではない。鋭いスラーブのようなカーブは、81-82マイルで打者にとっては悪夢である。同じドラフトで1人の投手が最高のファストボールと最高のカーブの持ち主であるというのは、Tim Lincecum以来のことである。Scott Borasを代理人としており、Strasburgとの交渉が長期化することは必定であり、ドラフト前の噂では、要求額は5000万ドルにまで達する可能性があり、あるいはフリーエージェントになるために日本への寄り道を試みる可能性があるとされている[訳者注5]。しかし、何か予想外のことがない限り、8月15日の期限直前に契約する可能性が高く、1200-1500万ドルの間の保証を手にするであろう。Strasburgが、2001年に南カリフォルニア大学から来たMark Prior[訳者注6]以来の最高の大学生投手のプロスペクトであることは疑いの余地のないところである。Priorの経歴が示しているのは、プロでの長期的な成功を保証されているアマチュア投手はいないということであるが、Strasburgはスカウトたちがこれまでに見た中で「確かなもの」に最も近い存在である。メジャーリーグがStrasburgのようなプロスペクトを見ることは今後20~30年間ないかもしれない。よって、ナショナルズが全体1位で指名しないということはないであろう。
[訳者注]
(1)投げるボールの球種・球質。
(2)サンディエゴ州立大学のスポーツチームの愛称。カレッジスポーツに共通するように、同大学のスポーツチームは全種目男女ともこの愛称。意味はアステカ人達。
(3)この記事が書かれた後、NCAAトーナメントのRegional Roundでバージニア大学に敗れた。
(4)最終的なシーズン成績はこちら。
(5)現行のドラフト制度では、米独立リーグに在籍すれば翌年のドラフト対象となるが、米国内の高校・大学を卒業した者が日本球界(プロアマ問わず)に身をおいた場合にどのような扱いになるかははっきりしておらず、Borasがその抜け道を使う可能性が取りざたされている。プロ経由であれば松坂等ポスティング制度を利用した移籍が考えられ、アマ経由であれば田沢が先例となりうると考えられる。
(6)要求額の大きさから全体1位指名権を持っていたツインズがパスし、全体2位でカブスが指名。これまで最高のボーナス1050 万ドルで入団。その後の活躍、そして故障については周知の通り。ちなみに、全体1位でツインズが指名したのは高校生捕手のJoe Mauer。
それから。
Strasburgを指名し、契約することがなければ、私はナショナルズを追いかけることをやめることを真剣に検討することをここに表明しておきます。
2 件のコメント:
管理人さんはじめまして。papiと申します。
ニックネームの通りBOSファンではありますが、National LeagueではNatsを応援しています。
Strasburg楽しみですね。しかし指名して契約しなければファンを辞める、というのは相当な覚悟ですね…
いつも楽しく拝見させていただいております。両Zimmermanなど楽しみも増えました。どうかこのままブログを続けていただくようお願いいたします。
papiさん
Ortiz心配ですね。私も大ファンなので復活を心から願っています。
ファンを辞めるという点は、ファンフォーラムでの勢いそのままに書いてしまいましたが、本当に、よく考えたいと思います。
ともかく、いつも読んでいただいているとのこと、ありがとうとざいます。
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