まずは、チーム成績から見ていきます。
チームのそれぞれのパーツを概観するスタッツとしてFanGraphsによる総合評価を見てみたいと思います。FanGraphsへのリンクはこちらですが、近年のスタッツに関しては最もお世話になっています(昔のスタッツではやはりbaseball-referenceにはかなわない)。そのFanGraphsが各選手のスタッツを総合評価するValueという指標を開発しているのですが、それを更に総合したチーム全体のValueの数字を最初に見てみます。その後、通常のスタッツについても見てみます。
【Pitching】
投手陣の総合評価は印象どおり最下位。FanGraphsでは年俸評価なんてしているのですが、これだとなんとマイナス130万ドルという評価。年俸なのにマイナス?持参金付きで契約してなんとかそのチームで投げさせてもらっている投手というイメージでしょうか?(笑)
先発投手だけで見ると28位、ブルペンが25位ということで、先発もブルペンも同じようにダメだということになります。ただし、ブルペンは酷使され過ぎているという擁護もできます。なぜなら、先発投手の平均イニング数は(Martis先発試合が雨で中断した影響もありましたが)4.4、つまり試合の半分しか先発投手が持っていません。先発のQSはなんとゼロ。これではブルペンを責めるのは酷というものです。とはいえ、結果の数字にあまり差がないので、以下は先発、ブルペンを区別せずに両者合わせた数字を見てみます。
(4/13終了時点)
防御率 | 7.71 | 29位 |
WHIP | 1.80 | 30位 |
奪三振 | 42 | 25位タイ |
与四球 | 28 | 18位 |
被打率 | .319 | 30位 |
被本塁打 | 11 | 21位タイ |
数字からは、四球から乱れているというわけではなく、要するに打たれているのだということが読み取れます。しかし、もう1つ注目したスタッツがBABIP。これはインプレーになった打球(つまり三振や四死球の打席は除く)での被打率。長期的には3割前後に収斂していくといわれているスタッツですが、これが7試合終わった時点でのナショナルズの数字は.350と30球団でも最も高くなっています。これをどう解釈するかは難しいところで、単に運が悪かったと整理することもできますが、他方で、野手の守備範囲が狭いためにヒットとなる打球コースが増えてしまっているということも可能性としてはあります。
【Fielding】
そこで次に、守備についてみてみます。こちらもまずはFanGraphsの総合評価から見ていきますが、25位という評価。エラー数で見ても7つで30位、また最近開発されてきている各種守備スタッツの1つ、UZR/150(守備範囲の広さに重きを置いた指標)でみると23位と低迷しています。
ここからは、投手陣の成績が悪いのは、運が悪かったというに留まらず、守備に足を引っ張られた部分も大いにあるものと推察され、投手陣の成績が自然に好転することはなかなか難しいと思われます。ただそれでも.350というBABIPはやや異常に高い印象ですが。
【Hitting】
最後に、好印象を持っている打撃成績ですがスタッツを見てみると以下のとおり。まずは、FanGraphsの総合評価では17位。あれ?思ったほどは良くないですね。
(4/13終了時点)
総得点 | 34 | 17位タイ |
打率 | .264 | 13位 |
出塁率 | .350 | 11位 |
長打率 | .392 | 22位 |
本塁打 | 6 | 21位 |
四球 | 31 | 8位タイ |
三振 | 72 | 30位 |
打率も四球率も高くてしっかり塁には出ますが、他方で三振数が多いというデータです。まあこれでも、各スタッツとも昨季の終わりには30位近くをさまよっていたことを思うと格段の進歩と言えます。ただし、ここでもBABIP(今度は逆にナショナルズの打者のインプレーの打球がどれだけヒットになったか)を見てみると、.349の2位とまた異常に高い数字を示しています。これを見るとある程度ナショナルズの打撃成績は幸運でかさ上げされているということになります。
【まとめ】
多少運による部分はあるとはいえ、打撃成績は昨季に比べればかなり改善している。他方で、守備はかなりひどい状況で、これに一部足を引っ張られることも一員で、投手陣は、先発、ブルペンとも壊滅していることが、これまでの敗因ということになろうかと思います。
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