スプリングトレーニングも、13試合、ほぼ3分の1を消化しましたので、ポジション争いを中心に振り返ってみたいと思います。ちなみに、チーム成績は6勝6敗1分です。(以下、個人成績についての記載は3月9日終了時点です。)
【Starting Pitchers】
ショーン・ヒル(Shawn Hill)の出遅れが一番の懸念材料。コルチゾンの注射を患部に打ったとのことですが、未だ実戦登板どころか投球練習再開の予定もありません。開幕には間に合わなさそうです。ジョン・パターソン(John Patterson)は雨天中止もありオープン戦での登板はまだ1試合ですが、ケガの再発はなく、開幕投手への期待が高まります。ジェイソン・バーグマン(Jason Bergmann)は2試合7回で2失点(対ジョージタウン大を合わせると3試合9回で2失点)と安定しており、当確でしょう。また、先日の強風の試合では苦労していましたが、オプションがないことを考えるとティム・レディング(Tim Redding)(6回 防御率7.50)もローテ入りでしょう。若手投手の中で株を上げているのが、先発2試合で無失点に抑えているジョン・ラナン(John Lannan)(5回 0.00)。オプションが残っているので、先発当確とは言えませんが、この安定感を維持すれば食い込んでく可能性はかなりあると思います。一方、苦しい状況におかれているのは、マット・チコ(Matt Chico)(8.2回 6.23)とタイラー・クリッパード(Tyler Clippard)(4.2回 5.79)、それにコリン・バレスター(Collin Balester)(5.1回 5.06)。特にチコは制球の悪さという課題を克服できないままで、首脳陣の信頼を失っています。オダリス・ペレス(Odalis Perez)は、ビザの関係でまだオープン戦には登板していませんが、順調に調整を進めているようです。
現状では、パターソン、バーグマン、レディングが当確。順調ならペレスが入る。最後の席をめぐり、先行するのがラナンを、チコ、クリッパード、バレスター、ギャレット・モック(Garret Mock)が追う。ダークホースとしてスティーブン・シェル(Steven Shell)(5回 3.60)といったところでしょうか。
【Relief Pitchers】
チャド・コルデロ(Chad Cordero)(3回 0.00)を筆頭に、ジョン・ラウチ(Jon Rauch)(3回 0.00)、サウル・リベラ(Saul Rivera)(4回 2.25)、ルイス・アヤラ(Luis Ayala)(3回 0.00)、クリス・シュローダー(Chris Schroder)(4.2回 1.93)といった昨季も活躍した右投手は順調そのもの(ビザ取得が遅れたヘスス・コロメ(Jesus Colome)はまだ登板なし)。右投手ばかりなので、好投しているレイ・キング(Ray King)(3回 0.00)は残したい。コロメも順調だとするともうこれで7枚になってブルペンは埋まります。ただし、この7人は基本的に1イニングが上限の投手。ジョエル・ハンラハン(Joel Hanrahan)(4.2回 0.00)、シェル、左腕のマイク・オコンナー(Mike O'Connor)のうち1枚をスウィングマンを念頭にロング・リリーフとして入れたいところです。
【Catcher】
現状では、ここが一番不安。ジョニー・エストラーダ(Johnny Estrada)は右ひじ痛でキャッチボールしかできない状況。ポール・ロデューカ(Paul Lo Duca)はようやく打撃練習とブルペンでの捕球ができるまでに回復してきました。3月15日頃のオープン戦参加が目標という状況です。現状ではヘスス・フローレス(Jesus Flores)が正捕手として出場していますし、結果も残しています(16打席 .AVE.400)。ただ、エストラーダとロデューカの「2人とも」が開幕に間に合わない場合にのみ、フローレスを開幕メジャー(正捕手)で使うというのが首脳陣の考えのようです。つまり、どちらかが間に合えば、フローレスを控えとして座らせておくのではなく、マイナーで先発経験を積ませるつもりのようです(全面的に同意します)。
その場合、控え捕手をどうするかという問題が出てきます。招待選手として参加しているのは、チャド・モーラー(Chad Moeller)(11打席 .000)、フンベルト・コタ(Humberto Cota)(10打席 .714)、ウィル・ニエベス(Wil Nieves)(9打席 .429)です。コタとニエベスは少ない機会の中でよく打っていますが、正直言って頼りない面々です・・・。
【1B】
当初、大きな注目を集めたドミトリー・ヤング(Dmitri Young)とニック・ジョンソン(Nick Johnson)(18打席 .294)の争いですが、順調に調整を進めているジョンソンに対して、ヤングはスイングをして筋肉を傷めた上に糖尿病に苦しんでいるようです。ようやくプレーを始めましたが、まだまだ本調子には遠い模様です。現状では、ジョンソンが先発、トレードというのも難しそうなヤングが控えと代打要員とデュークスや他の若手の指導係という役割になりそうです。まあ、それはそれでいい結論のようにも思います。
ヤングがDLで開幕を迎える可能性があります。その場合、一塁手の控えをどうするかですが、キャンプ前に期待されていたジョシュ・ホワイトセル(Josh Whitesell)(17打席 .125)とマシュー・ホイットニー(Matthew Whitney)(13打席 .083)は残念ながら結果を出せていません。そんな中に現れたのがルイス・ヒメネス(Luis A. Jimenez)。13打席で3安打ですが、その3安打が全てホームランということで、目下チームのホームランキングです。あくまで、ヤングがDL入りしたら、という仮定の下ですが、ロースター入りに向けたアピールが続くことでしょう。
【2B、SS】
フェリペ・ロペス(Felipe Lopez)が苦しんでいます。27打席でわずか3安打の打率.125。大スランプといってよいでしょう。これに対して、ロニー・ベリヤード(Ronnie Belliard)(23打席 .500 2本塁打)、クリスチャン・グズマン(Cristian Guzman)(25打席 .440 2本塁打)は打ちまくっています。大きな差がついていますが、どこまでロペスが巻き返せるでしょうか。また、これは想定外でしたが、ブレット・ブーン(Bret Boone)(19打席 .222)がブランクを感じさせない動きを見せ、本格的にロースター争いに加わりそうです。多すぎる二塁手の状況から、既にFoxのKen Rosenthalの記事では、ベリヤードのトレードの可能性が取りざたされています。候補は、ドジャーズと、仮にブライアン・ロバーツ(Brian Roberts)をカブスにトレードした場合のオリオールズということです。どうなるでしょうか。
【3B】
ライアン・ジマーマン(Ryan Zimmerman)(18打席 .353 2本塁打)について言うことありません。控えのアーロン・ブーン(Aaron Boone)は出遅れていましたが9日のゲームで遂に出場し、見事1安打を放っています。脅かすほどの存在もいないので、ゆっくり調整しているようです。
【Outfielders】
オースティン・カーンズ(Austin Kearns)(20打席 .211)、ウィリー・モー・ペーニャ(Wily Mo Pena)(26打席 .208 1本塁打)の調整がゆっくりしている一方で、ラスティングス・ミレッジ(Lastings Milledge)(33打席 .367 5二塁打 1三塁打 4盗塁)、イライジャ・デュークス(Elijah Dukes)(26打席 .304 2二塁打、1三塁打、1本塁打)の2人は順調すぎるほどのスプリングトレーニングを過ごしています。特に、デュークスは、三振が多いことが目につきますが、これがかえってむしろ先発で使いたい気持ちを後押ししています。安定感に欠けるペーニャが食われるかもしれません。控えに予定されているウィリー・ハリス(Willie Harris)(17打席 .231)とライアン・ランガーハンス(Ryan Langerhans)(21打席 .188)の調子はあまり上がってきませんが、若手もジャスティン・マックスウェル(Justin Maxwell)(12打席 .250)、ギャレット・グズマン(Garret Guzman)(8打席 .286)はアピールできていません。マックスウェルには期待しているだけどなあ。(デュークスについては、9日のゲームで左手の指に死球を受けたのが心配です。)
以上のように、まだまだ開幕スターターが見えないポジションが多いわけですが、良い競争の結果です。このいい雰囲気を維持して行くことが自然と成績につながるはずです。
2008年3月10日月曜日
Position Battle Update (STの1/3を消化)
ラベル:
08 Preseason,
Balester,
Bergmann,
Chico,
Clippard,
Dukes,
Flores,
Hill,
Lannan,
Maxwell,
Milledge,
Mock,
Pena(Wily Mo),
Perez(Odalis),
Redding,
Young(Dmitri)
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