長期契約に向けた交渉を続けてきたライアン・ジマーマン(Ryan Zimmerman)との契約を46.5万ドルで「更新」しました。これは、チーム側とジマーマン側との間での契約「合意」ではなく、チーム側に認められている権利の行使です。プレーしようとする限り、ジマーマンに拒否する自由はありません。ジマーマンのコメントから。淡々と受け入れているようです。
It's just part of the system. I'm not upset about anything. They have control [of me] for three years, and that's how it goes. Many people before me have done it the same way.
今季終了後は年俸調停権を得る予定ですが、引き続き、長期契約に向けた交渉を続けるようです。何とか、合意に向けて双方歩み寄ってもらいたいものです。ジマーマンのコメントからはなかなかその意欲が伝わってこないところが切ないです。ボーデンGMのコメントから。
We want Ryan to start and finish his career as a National. As I told him yesterday, I look forward to the day that number 11 is hanging on the outfield wall -- the first Washington National to retire in 20 years.
こうなってくれることを切に願います。
追記:2008年3月11日 23:00
MAJOR.JPに珍しくナショナルズの(というか日本人選手以外の)情報が掲載されたのですが、その内容に大きく困惑し、一言言いたくなったため、追記という形で書くことにしました。長文を覚悟していただける方は、お読みください。
まずはそのMAJOR.JPの記事全文。
*******引用開始*******
『ナショナルズ、若き主砲ジマーマンと契約延長 2008年3月9日 (日) 15:10 MAJOR.JP』
【キシミー8日=Bill Ladson / MLB.com】ワシントン・ナショナルズは、メジャー4年目ながら主砲としてチームをけん引するライアン・ジマーマン三塁手(23)と年俸46万5000ドル(約4800万円)で今季の契約を結んだ。
ジマーマンはメジャー2年目の2006年から正三塁手を務め、この年に20本塁打、110打点の好成績をマーク。昨季も162試合のフル出場を果たし、打率2割6分6厘、ともにチームトップの24本塁打、91打点と力を示した。
今回の契約延長についてジマーマンは「そういう仕組みだからね。球団は3年間は(自分を)コントロールできる。これまでも多くの選手が通ってきた道さ」と、活躍と比して安い年俸にも納得の様子。一方、ジム・ボーデンGMは「我々は複数年契約に向けて動いている。ライアンには引退までナショナルズでプレーしてほしい」と語った。
*******引用終了*******
まず、タイトルを見て驚きました。契約「延長」できたのかと思ってしまったからです。中身を読むと違いました。やはり、契約「更新」のニュースでした。08年の契約をチーム側が更新するか、それとも(1年又は長期)契約を結ぶか、が話題となっている中で、この表現では明らかにミスリードです。原文として記載されているBill Ladsonの記事のタイトルが”Nats renew Zimmerman's contract”なんだから、それをそのまま訳せば『ナショナルズ、ジマーマンの契約を更新』になると思うのですが、あえてなぜ「契約延長」という表現を用いたのか、理解に苦しみます。若手選手の契約に関する制度を勉強してから記事を書いて欲しいというのは、要求しすぎなのでしょうか。
で、そのBill Ladsonの記事と読み比べました。看過できない原文と明らかに異なる点が1点。それは、ジマーマンがこの契約についてどう考えているか、という部分です。MAJOR.JPは、「活躍と比して安い年俸にも納得の様子」と書いていますが、これに相当する原文はありません。この点は、今後の契約延長に向けた交渉ともからみ極めてデリケートな部分なので、Bill Ladsonとしては余計な憶測を排しジマーマンのコメントを引用するにとどめたのではないかと察しています。ジャーナリストの記事は客観的に事実に基づくべきであり、Bill Ladson(MLB.com)はそういった認識を持っているように思います。もちろん、ジマーマンのコメントを受けて、その真意がどこにあるか推測することは自由であり、ファン・フォーラムやブログではいろいろな憶測が交わされていますし、私も私自身の印象として「淡々と受け入れているようです。[中略]なかなかその(延長に向けた)熱意が伝わってこない。」と書きました。
話を元に戻しますが、今回の「活躍と比して安い年俸にも納得の様子」という部分は、MAJOR.JPの主観的な評価だと思われますので、少なくとも、あたかもBill Ladsonの評価であるかのように掲載するのは大きな問題があるのではないでしょうか。そもそも、「主砲としてチームをけん引する」、「メジャー2年目の2006年から正三塁手を務め、この年に20本塁打110打点の好成績をマーク。」といった原文にない多くの情報が付加されていることにも疑問を感じます。
この記事のクレジットはMAJOR.JPとなっていますが、では【キシミー8日=Bill Ladson / MLB.com】という記載は、何なのでしょうか(他にもこのような記述が多く見られる)。同じMAJOR.JPのクレジットで書かれている記事でも「by MAJOR.JP編集部」と最後に記載されていることもあることからすると、今の記載方法は、Bill Ladsonが記事の本来の書き手で、MAJOR.JPは翻訳者と理解するのが素直な理解だと思われます。そうであれば、原文の内容を変えるべきではないのではないでしょうか(抜粋はOKだと思いますが)。あるいは、原文を参考にして、MAJOR.JPなりの評価、分析を加えて記事を構成するのであれば、書き手がMAJOR.JP編集部でありMLB.comの記事を参考にしたことを明示する記載とすべきではないでしょうか。
以上、だらだらしたグチにお付き合いいただきありがとうございました。正直に言いますと、『ナショナルズ、若き主砲ジマーマンと契約延長』というタイトルを見て、ぬか喜びさせられ、そしてがっかりすることになったという感情の動きに突き動かされ、このような駄文を書いてしまいました(笑)。MAJOR.JPに対しても、一方的に非難するつもりはありません。おそらく少ない人員で頑張っておられることでしょう。むしろ、今後とも、改善、発展していかれることを祈っています。
2008年3月9日日曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿