(6月2日追記)
ワシントン・ポスト紙のAdam Kilgoreによれば、前日の試合でナショナルズに黒星を喫したOswalt自身が、強力な打線、Strasburgの加入、ナ・リーグ東部地区の状況に言及しつつ、ナショナルズへのトレードを受け入れる可能性を示唆しました。多くのハードルがいくつもありますが、そのうちの1つはクリアできそうです。
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(5月24日オリジナル)
アストロズのRoy Oswaltがトレード志願ともとれる発言をし、話題となっています。そして、移籍先候補として、ナショナルズの名前も一部で噂されています。
今季のアストロズは開幕8連敗。多少持ち直したものの現在15勝29敗で、30球団29位とシーズンはほぼ終わったような状況です(一昨年、昨年のナショナルズのようなものですね)。そんなチーム状況の中、まさに孤軍奮闘しているのがエースのOswalt。開幕戦を含め今季9試合に先発して「全9試合で」クオリティ・スタートを記録。防御率2.66、WHIP1.07という数字はキャリアでも最高の部類に入り、メジャーを代表する投手の働きです。しかし、勝敗を見てびっくり。2勝6敗・・・。なんという援護の無さ。気の毒で涙が出てきます。1996年にドラフト23順目で入団してからアストロズ一筋、球団史上2位の139勝(1位はJoe Niekroの144勝)のフランチャイズプレーヤーのOswaltをもってしても、「正直しんどい」という心境なのではないかと察します。
これだけの投手ですから、移籍先候補としては、ツインズとかレンジャーズとかドジャーズとかいろいろな名前が挙がっていますが、我がナショナルズも関心を示していると一部が報じています。発信源がMLB.comのBill Ladsonなのであまり信用はしていませんが、面白い話題ではあります。買い手としてトレード市場に名前が出てくること自体、顔がほころんできます。
なお、その後コメントを求められたMike Rizzo GMは否定も肯定もしなかったということです。
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個人的には、既に40人ロースター入りしているStrasburg、Storen、DesmondそれにDerek Norrisさえ失わないのであれば他のプロスペクトはどれだけ放出しても獲りに行くべきだと思っています。
ただし、あくまで来季の優勝争いを念頭に置いてのこと。今季ここまで貯金1のナショナルズですが、まだ、今年は挑戦する年ではないと思っています。おそらくStrasburgの今シーズンは9月に入った頃に投球回数制限に達して終了することが予定されているはずですが、勝負をかけようとすれば、シーズン終盤にStrasburgに無理をさせる可能性が出てきます。これは絶対に回避しなければなりません。さすがにシーズン折返しの6月末にプレーオフ「圏内」にいれば、今季の優勝争いを応援するしかありませんが、それでもStrasburgに無をさせるべきではありません。ましてや6月末で「狙える位置」にいる程度なら、今季はあくまでチーム力整備のための年と割り切って、むしろGuzmanやCappsをタイミングを見計らってトレードに出すべきだと思っています。
Oswaltを獲得しに行く最大の意義は、Oswaltの契約が来季まであるということ。今季1500万ドル、来季1600万ドルは超が付くほどの高額契約ですが、Oswaltの実績からすれば妥当な額。32歳という年齢に懸念を示す向きもありますが、私はむしろ好材料だと思います。Oswalt級のFA投手と契約しようとすれば(このオフなら同年齢のCliff Leeくらいしかいません)、単年の額こそOswaltより下がるかもしれませんが、30代後半までの長期契約を結ばざるを得ないでしょう。それがOswaltなら34歳までの契約です。ドラフト指名権を失うこともありません。2011年終了後にType AのFAとして退団しても34歳ならまだ新たな契約を得てドラフト指名権をもたらしてくれるでしょうし、残念ながら2011年夏にフラッグディールトレードで移ることになるとしても、そのときはGMの腕次第でプロスペクトを回収できることでしょう。
もちろん、戦力として今季後半、そして来季にわたって、エースとしての仕事ができる可能性は高いでしょうが、何より期待したいのがStrasburgにかかるであろうプレッシャーを相当程度軽減してくれるであろうこと。現有戦力のままであれば、昇格したその日からStrasuburgはエースとして働くことが期待されることになりますが、Oswaltがいれば2番手投手として過ごすことも可能となります。加えて、Strasburgのメンターとしても申し分ありません。Oswaltほど若い時期から継続的に成績を残している投手はそうはいませんから。このように見ていくと、Strasburgに与える好影響は計り知れません。
最大の障害は、トレード拒否権を持つOswaltがナショナルズに来ることにOKしてくれるかどうか。本当はヒューストンが好きなのに優勝できる見込みがないからトレードを望んでいるというOzwaltが、2年連続100敗で今季も何とか5割前後を保っているという程度のナショナルズに来てくれるかどうか・・・。ワシントンポストのAdam Kilgoreなどはかなり悲観的でしたが。
今後の展開をフォローしていきたいと思います。
2010年6月2日水曜日
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